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「感謝を表す行為」は逆に迷惑になる? 街中で遭遇する「サンキューハザード&クラクション」は問題あるのか

くるまのニュース / 2022年10月20日 14時10分

街中で見かける「サンキューハザード」「サンキュークラクション」ですが、道路交通法上では問題あるのでしょうか。

■慣例的に使われている「サンキューハザード」

 運転中に進路を譲られた際など「ありがとう」の気持ちを込めてハザードランプを点灯させる人も少なくありません。
 
 俗に「サンキューハザード」と呼ばれるこの行為は、道路交通法上問題ないのでしょうか。

 道路工事などによって車線が減少しているときや、路地から右左折によって大きな道路に合流しようとするとき、なかなかタイミングがつかめず、いつまで経っても合流できない場合があります。

 そんなときに進路を譲ってくれたクルマがいたら、「ありがとう」の気持ちを伝えたくなる人は多いでしょう。

 合流のときに会釈や片手を挙げて挨拶したり、感謝を伝える方法はいくつか挙げられますが、なかでも慣例的におこなわれているのが通称「サンキューハザード」と呼ばれる行為です。
 
 サンキューハザードとは、おもに後続車に「ありがとう」を伝える際に用いられるもので、1から3点滅ほどの短い時間だけハザードを点灯させます。

 とくに交通量が多い道路での合流は運転操作だけで手一杯になってしまうため、合流時に会釈などをするのではなく、合流してワンテンポ落ち着いたときにサンキューハザードを炊く人が多くみられます。

 ふだんからクルマを運転する人にとっては、当たり前の光景ともいえるサンキューハザードですが、実は、これは道路交通法で定められた行為ではありません。

 ハザードの本来の意味は「hazard(危険)」となり、道路交通法の正式名称は「非常点滅表示灯」とされています。

 ハザードについての条文は、道路交通法施行令の第18条第2項と、第26条の3の2箇所にみられます。

 第18条第2項では、「自動車の幅員が5.5メートル以上の道路に停車し、又は駐車しているときは、車両の保安基準に関する規定により設けられる非常点滅表示灯又は尾灯をつけなければならない」とされており、多くの人が活用しているように、路肩への停車時にハザードの点灯が義務付けられています。

 また、第26条の3では「通学通園バスは、小学校等の児童、生徒又は幼児の乗降のため停車しているときは、車両の保安基準に関する規定に定める非常点滅表示灯をつけなければならない」とされており、こちらは通学・通園バスに限った項目となっています。

 いずれにせよ「ありがとう」を伝えるときに活用するものとはされていません。

 警察署の交通安全課担当者も「サンキューハザードは、本来の使い方としては正しくないものです。地域によってその意図の意味が変わることもあり、むやみに使うことは控えたほうがいいといえます」と話しています。

 前述の通り、ハザードは使用する場面が決められているものの、「使用してはいけない」場面について厳密に定められているわけではありません。

 そのため、サンキューハザードによって、即刻取り締まりとなることはないようですが、使用が推奨されていないことは強く認識しておく必要があります。

 せっかく道を譲ってクルマに対して「ありがとう」が伝えられないのは、ヤキモキしてしまいそうですが、人によって受け取り方が違う可能性を考慮すると、サンキューハザードは控えたほうが良いでしょう。

■「プッ」っと鳴らして感謝を伝える「サンキュークラクション」にも注意

 サンキューハザードのほかに「ありがとう」を伝える手段としては、「プッ」っと軽くクラクションを鳴らす「サンキュークラクション」も挙げられます。

 こちらも、サンキューハザード同様に多くの運転者が慣例的に使用しているものといえます。

 ただし、クラクションの使用に関するものに関しては道路交通法で定められています。

 クラクションについては道路交通法第54条「警音器の使用等」において、「車両等の運転者は、次の各号に掲げる場合においては、警音器を鳴らさなければならない」として、以下のふたつのケースが提示されています。

「左右の見とおしのきかない交差点、見とおしのきかない道路のまがりかど又は見とおしのきかない上り坂の頂上で道路標識等により指定された場所を通行しようとするとき」

「山地部の道路その他曲折が多い道路について道路標識等により指定された区間における左右の見とおしのきかない交差点、見とおしのきかない道路のまがりかど又は見とおしのきかない上り坂の頂上を通行しようとするとき」

クラクションはむやみに鳴らしてはいけないよ!クラクションはむやみに鳴らしてはいけないよ!

 また、この場合以外のケースにおいては、「車両等の運転者は、法令の規定により警音器を鳴らさなければならないこととされている場合を除き、警音器を鳴らしてはならない」とされており、クラクションを鳴らすことができません。

 ハザードと違って、クラクションは「使用してはいけない」場面について定められているのです。

 そのため、むやみに使用すると道路交通法に抵触する可能性もあります。

※ ※ ※

 ちなみに、クラクションは、例外として「危険を防止するためやむを得ないとき」には使用しても良いとされています。

 自車はもちろん、周囲の交通に危険を伝える場合には、迷わずクラクションを使用することができます。

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