「斬新ハンドル」どころの騒ぎじゃない! ハンドルいらずの斬新“操舵デバイス”プロトを日立Astemoが発表
くるまのニュース / 2022年10月23日 13時10分
日立Astemo株式会社が、従来のハンドルを排し、車室空間を広げる新たな操舵デバイスのプロトタイプを開発したと発表しました。従来のハンドルが不要になるといいます。
■ハンドルいらず!? クルマの新たな操舵デバイスを開発
日立Astemo株式会社(以下、日立Astemo)は、自動運転車両などの次世代車両に欠かせない、自動車の操舵時にタイヤを電気制御で動作させるステアバイワイヤにおいて、従来のハンドルを排し、車室空間を広げる新たな操舵デバイスのプロトタイプを開発したと2022年10月20日に発表しました。
日立Astemoは、自動運転の進展を見据え、操舵系と転舵系のアクチュエーターを電気信号で連携させることにより、安全性・快適性の向上に加え、レイアウトの自由度を高めるステアバイワイヤの実用化に向けた取り組みを推進しています。
ハンドルを従来どおり維持するステアバイワイヤに加えて、このたびハンドルを排したステアバイワイヤの新たな操舵デバイスの提案により、自動車メーカーにおける次世代車両の車室空間開発に貢献するということです。
日立Astemoによると、操舵系(運転者が操作するステアリング側)と転舵系(機構を介してタイヤを動かす側)の双方のアクチュエーターを電気信号で連携させるステアバイワイヤの開発においては、車室空間を広げるために操舵デバイスを小型化する場合、少ない操作量で転舵系のアクチュエーターをコントロールする必要があり、ドライバーの操作に対し車両が過敏に動いてしまうことが課題だったといいます。
そこで日立Astemoでは、2021年に経営統合した旧ショーワの長年にわたる研究から得られた高度なステアリングフィール技術や、日立製作所の研究開発グループと共同開発した路面から伝わる情報を検知する情報制御技術などを活用しています。
車速に応じハンドルを操作した角度とタイヤの舵角の比率であるギヤレシオの適切な制御や、ハンドル操作に対する反作用としてドライバーがハンドルから得られる操舵反力特性、路面の凹凸や傾斜などの走行を乱す外乱を検知し抑制する制御技術などにより、転舵側アクチュエーターを最適に制御することができるようになり、車両の動きを過敏にさせず、スムーズな運転を可能にしたということです。
この技術によってハンドルの小型化が可能になり、自動運転車両などの次世代車両の車室空間を広げることが可能となります。
このように、小型の操舵デバイスによる操作に対しても、転舵アクチュエーターの制御を最適にすることができれば、通常、操舵デバイス側にも必要となる制御装置などを排し、操舵反力を得られるシンプルな機械的な構造とすることができ、ステアバイワイヤとしての緊急回避や挙動補正制御などの運転支援制御が可能。
コストを抑えながらステアバイワイヤ化を図ることに貢献します。
またステアバイワイヤで懸念される万一の故障に対しては、フェイルセーフ機能として、転舵側のアクチュエーター内にあるハンドルの舵角を検知する舵角センサー含めアクチュエーターの電源を2系統にするなど、万一の故障や回路欠損時にも、動作継続を可能とし、安全性を高めたということです。
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