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なぜ「人居ないのに満車」状態? 姫路SAで多発する「相乗り問題」 課題明確も改善困難な背景とは

くるまのニュース / 2022年11月10日 14時10分

兵庫県姫路市の姫路バイパスにある「姫路サービスエリア」では、人はまばらなのに満車状態といった問題が起きているといいます。原因には利用者の「相乗り」が挙げられますが、その実態はどのようになっているのでしょうか。

■人が居ないのに満車!? 問題かするその理由とは?

 長距離の運転をするうえで欠かせないサービスエリア/パーキングエリア(SA/PA)には、さまざまな施設が併設されているところもあり、賑わいを見せている所も少なくありません。
 
 その一方で、人はほとんど見かけないのに満車に近い状況が続いているSAがあるといいますが、その理由とは何なのでしょうか。

 一般的にSAやPAは高速道路に併設された施設という印象がありますが、一般道路でもSAは存在しています。

 そのひとつが、兵庫県姫路市の姫路バイパスにある「姫路サービスエリア」で、24時間営業のコンビニやうどん屋が併設されています。

 この姫路SAには、100台以上の駐車スペースがありますが、平日の午前6時半頃でも多くのクルマが駐車しておりほぼ満車状態です。

 それでいて、人はほとんど滞在していないといいますが、なぜこのような状況になってしまっているのでしょうか。

 現地周辺に住む男性は次のように話しています。

「姫路SAは国道2号線姫路バイパス(全線無料)にある上下集約型サービスエリアで、かつ一般道の県道からも直接乗り入れができる場所にあります。

 また、山陽自動車道姫路西インターチェンジまでクルマで10分もかからず接続できることから一般道、高速道路ともにアクセスが容易です。

 それでいて姫路SA自体には『通行料などを支払わずにそのまま一般道やバイパスからも乗り入れできること』や、『下り方向のバイパスの最後の休憩地点である』という要素が重なって、姫路SAを待ち合わせ場所として使われることが多いです。

 実際に4人が4台で集合し1台に乗り込みそのまま目的地へ相乗りして、ゴルフへ行く様子がよく見られました。

 また以前はガソリンスタンドが併設されていましたが、現在はトイレとコンビニ、うどん屋が併設されており、一般での利用客も多いことから 長期の迷惑駐車と合わさって問題が助長されているように思います」

 また姫路SAを管理する近畿地方整備局姫路河川国道事務局の担当者は、以下のように話します。

「もっとも多い原因と考えられるのは、『相乗り』をされる人が多いということなのではないかと思います。

 さらに姫路SAは、登りと下りで同一のSAとなっており、かつ一般道路から直接入ることのできる構造となっています。

 この構造により、誰でも簡単に利用することができるため、このような問題が発生していることが考えられます」

※ ※ ※

 相乗りとは「それぞれ自分のクルマで集合し、1台に乗り合わせてから目的地に向かう」行為のことを指します。

 駐車場にクルマを置いたままほかのクルマに乗り込み、どこかへ行ってしまう人が多くいることから、このようにして置きっぱなしにされたクルマが多くあり、「人が少ないのにクルマは満車」という状況になっているのです。

 この姫路SAがある姫路バイパスは、2000年以降に通行料金が無料になっており、一般道路からも入れるようになっていました。

■姫路SAの迷惑駐車『相乗り』…対策や今後の取り組みは?

 この相乗りですが、前出の担当者によると姫路SAを合流地点として相乗りに利用されることが多い時間帯は、朝方や夕方が多いといいます。

 そのため、平日の11時から13時といった、一般的にはお昼休憩の時間とされるあたりには、駐車スペースが見つからずに困り果てるドライバーも多くいるようです。

 駐車場内をぐるぐると何回もまわって駐車スペースを探すのはひと苦労ですが、それでも見つかれば良いほうだといいます。

 従来から利用者の多いSAではありますが、このような状況は本来のSAの利用方法からは逸脱しており、多くの利用者の迷惑にも繋がります。

 では、このような迷惑行為に対して、どのような対策が取られているのでしょうか。

「実際に姫路SAの相乗りが問題となってきていることを受け、2022年8月から『迷惑駐車防止キャンペーン』とし、相乗りで利用される人に対してさまざまな啓発をおこなっています。

 実際に『相乗りのための駐車はやめてください』といった啓発看板も立てています」

 姫路国道河川事務所では、例年毎年8月に道路ふれあい月間の取り組みとして、「迷惑駐車防止」の啓発活動をおこなっています。

 さらに2022年のキャンペーンでは、兵庫県高速道路交通警察隊による「あおり運転防止」の啓発活動と合同でチラシ配布なども実施しています。

 このように、さまざまな対策を実施している様子がうかがえる一方、前出の担当者はその効果について次のように話します。

「さまざまな対策や努力をおこなっていますが、まだまだ姫路SAにおけるこのような状況が世間に知れ渡っていないというのも実情です。

 利用されるお客さまなどが、このような問題をそもそも認知していないというのは、こちら側の実力不足を強く感じます。 

 そのため、今後も姫路SAを本来の利用目的である『ドライバーの休憩施設』としてさまざまな人に快適に利用していただけるよう、啓発を続けていきたいです」

※ ※ ※

 ただ、この問題の原因となっている相乗りに関して、現在のところ法的な罰則規定がないため、取り締まるのが難しい状況となっています。

 人がほとんどいないのにクルマが満車に近いという状況は姫路市のSAだけの話とは限りません。

 相乗りの場所として使いやすい同じような条件がそろったところでは、同様の状況になっている可能性もあり、ドライバーには適切な利用が求められます。

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