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もしパトカーが「事故起こしたら」誰の責任? 事故処理する側のトラブルはどのように対処されるのか

くるまのニュース / 2022年10月28日 7時10分

クルマの事故に関しては、警察を呼んで対処することが一般的です。しかし、事故処理をする側のパトカーが事故を起こした場合にはどのような対応となるのでしょうか。

■パトカーとの事故は公務中であれば国や公共団体の責任に

 現代社会で生きるうえで、誰しもに起こりうる可能性があるのがクルマに関わる事故です。
 
 一般ユーザー同士の事故であれば、怪我や物損の補償は、保険会社を介して示談交渉がおこなわれますが、もし事故の相手が警察車両となるパトカーであった場合には、どのような対応となるのでしょうか。

 クルマそのものの技術革新や、人々の安全意識の高まりを背景として、クルマに関わる死亡事故は年々減少傾向にあります。

 一方、小さな物損事故なども含めれば、毎日無数の交通事故が発生しているのも事実です。

 交通事故が発生した場合、その大小を問わず警察を呼ぶ必要があります。

 一般的には、警察による事故処理が完了した後、保険会社を介した示談交渉がおこなわれ、相手や自身に対する補償額が決定されることになります。

 比較的軽度な事故で、なおかつ双方が任意保険に加入していれば、よほど特殊なケースでない限り大きなトラブルに発展することはなく、事務的に示談交渉が進められていくのが普通です。

 また、日本では「自動車損害賠償法」により、公道を走行するすべてのクルマにいわゆる「自賠責保険」への加入が原則として義務付けられています。

 そのため、万が一任意保険に加入していない状態で重大事故を起こしてしまった場合でも、被害者に対して最低限の補償を行うことが可能となっています。

 一方、ときとしてパトカーなどの警察車両が事故を起こしてしまう場合があります。

 警察官も人間であるため、事故を起こしてしまうこと自体はやむを得ない部分もありますが、事故処理をおこなう側の立場である警察による事故は、一般ユーザーによる事故とは異なる処理となるのでしょうか。

 結論からいえば、警察車両による事故は「国家賠償法」が適用される場合があるため、必ずしも一般ユーザーによる事故と同一には扱われません。

 国家賠償法の第1条には「国または公共団体の公権力の行使に当たる公務員が、その職務を行うについて、故意または過失によって違法に他人に損害を加えたときは、国または公共団体が、これを賠償する責に任ずる」と定められています。

 つまり、公務員である警察官が公務中に起こした事故については、国もしくは公共団体によって補償がおこなわれることになります。

 例えば、2022年3月には、岡山県で緊急走行中のパトカーが軽乗用車と衝突し、軽乗用車に乗車していた男性が負傷するという事故がありましたが、この事故に対して岡山地裁はパトカー側の過失を認め、男性に対して1200万円の支払いを岡山県に命じました。

 このように、警察車両との事故による怪我や物損の補償は「国家賠償法」によっておこなわれるため、一般的な事故とは流れが異なります。

■白黒パトカーではなく、覆面パトカーとの事故ならどうなる?

 当然のことながら、覆面パトカーによる事故も「国家賠償法」によって補償されることになります。

 事故を起こした相手が公務中かどうかであるかが重要であり、警察車両の種類が問題となることはまずありません。

 ただ、覆面を含むパトカーは、緊急走行時に制限速度の超過や赤信号への侵入などが認められている点が一般車両と大きく異なります。

 一般車両による事故の場合、制限速度の超過や赤信号への侵入などが認められると、当該車両の過失割合が増すことになります。

 パトカーによる緊急走行時であればそれらの行為は適法となりますが、通常走行時よりも多くの危険があることはいうまでもありません。

 そのため、緊急走行時による事故の過失割合については、そもそも緊急走行をすること自体の正当性が焦点となることが多いようです。

もし覆面パトカーが事故を起こしたらどうなる?もし覆面パトカーが事故を起こしたらどうなる?

 一方、緊急走行時でなければ、過失割合は一般車両と同様の考え方で決定されるケースが一般的です。

 これは、パトカーなどの警察車両であっても、通常時は一般車両と同様に各種法規を遵守する必要があるためであり、当然のことといえます。

 このように、覆面パトカーによる事故であっても、通常のパトカーと同様に対応されることになります。

※ ※ ※

「国家賠償法」によって補償がおこなわれるため、これまでは任意保険に加入していない警察車両も多かったといいますが、最近ではほとんどの都道府県警で任意保険の加入が進められています。

 これは、任意保険を利用したほうが事務的なコストが抑えられるということなどがおもな理由であり、補償の内容自体はこれまでとは大きく変わらないようです。

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