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道路の白線なぜ滑りやすい? 雨の日はとくに注意! スリップを避ける対策とは?

くるまのニュース / 2022年11月1日 20時10分

道路上の横断歩道や停止線、中央線などに白線が使われていますが、アスファルトよりも滑りやすいという欠点があります。対策することはできないのでしょうか。

■一般的なペンキとは異なる道路用の塗料とは?

 人やクルマが安全で円滑な走行ができるように一般道路や高速道路上には塗料で示された白線や黄線などがあり、これは「路面標示」といいます。

 路面標示の塗料には大きく分けてふたつの種類があり、「液状塗料」はおもに高速道路や一般道路の区画線、「粉体塗料」はおもに一般道路の道路標示や区画線、横断歩道に使用されています。

 道路には欠かせない路面標示ですが、その一方で雨の日には滑りやすいという特徴があり、バイクがスリップして転倒するといった事故が起こることもめずらしくありません。

 なぜ、道路上の白線は滑りやすいのでしょうか。

 その理由について、路面標示協会の担当者は、以下のように話します。

「路面標示では、JIS(日本工業規格)で定められた塗料である『JIS K 5665』を使用していますが、この塗料は、一般的なアスファルト舗装の性質と比較しても滑りやすさを感じやすいのではないかと思います」

 滑りやすさを示す指標を「滑り抵抗値」といい、「BPN」という単位で表しますが、一般的なアスファルト舗装の湿潤時における滑り抵抗数値は、40BPNから70BPNとされているのに対し、路面標示の滑り抵抗値は40BPNから50BPNとなっていることから、やはり道路の白線は滑りやすいといえそうです。

 では、滑りにくい塗料を使用するということはできないのでしょうか。

 結論からいえば、より滑りにくい塗料の開発は進められているものの、路面標示のもつ重大な役割から、滑りにくさだけを優先することができないという事情もあるようです。

 例えば、路面標示のなかでも最もよく見かけるものひとつである横断歩道の白線には、歩行者を安全に横断させるという役割があり、ドライバーは道路上にある白線を目印にすることで停止する場所を理解します。

 万が一、白線が消えていたり、見えづらくなっていたりした場合、ドライバーが白線に気づかずに停止場所を過ぎてしまい、クルマ同士の接触事故や、歩行者とぶつかるという大きな事故を引き起こしかねません。

 そのため、白線はどのような天候状況でもドライバーがはっきりと見えるように設置することが求められますが、その点、路面標示用塗料は一般的なペンキよりも視認性と耐久性に優れており、見えやすく、消えにくいという特徴があります。

 道路では日々、多くの荷物を載せたトラックなどを含む、何台ものクルマが走行しており、さらには、事故などによってエンジンオイルといった化学製品が撒かれるようなこともありますが、路面標示用塗料はそのような状況にさらされても簡単には消えません。

 また、夜間でも視認性を維持するために、路面標示用塗料3種には「ガラスビーズ」というガラスの粉末が含まれていて、それらが反射することにより、夜間や雨天時などの視界が悪いときでも高い視認性を保っています。

 つまり、視認性と耐久性の兼ね合いのために、滑りにくさだけを重視することができないという事情があるようです。

 とはいえ、より滑りにくくするということは、塗料メーカーの大きな課題となっていることも事実。各メーカーによってすべり抵抗性向上品の開発が進められており、一部の路面標示にはそうした塗料が使用されています。

 ただ、そうした塗料が使用されている路面標示はまだそれほど多くはありません。

 路面標示によって重大な事故を起こしてしまうことのないように、ドライバーひとりひとりが「路面標示は滑りやすいものである」という認識をもったうえで、日々走行することが重要です。

※ ※ ※

 一般的なペンキと比べて耐久性が高い路面標示用塗料ですが、雨水などにさらされることによる老朽化は避けられません。

 老朽化が進むとペンキ部分の平滑化が進み、さらに滑りやすくなってしまうことがあるため、そうした路面標示の上を通る際にはさらに一層の注意が必要です。

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