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なぜ昭和レトロな「ドライブイン」に注目集まる? 平成・令和で減少も Z世代に再注目されるワケ

くるまのニュース / 2022年11月3日 7時10分

かつて日本全国に点在していた「ドライブイン」。いまでいう「道の駅」のような存在ですが、最近になって「Z世代」から再注目されています。なぜレトロなドライブインが話題となっているのでしょうか。

■かつては全国に存在したドライブイン、いまや絶滅の危機に

 かつては日本全国に存在していた「ドライブイン」ですが、近年では交通環境やユーザーニーズが変化したことにともない、その数は減少傾向にあります。
 
 その一方で、「昭和レトロ」を愛する若いユーザーから注目を集めているといいます。

 主要な幹線道路や観光地の付近に位置し、飲食店やみやげ物屋、そして大きな駐車場などを有する「ドライブイン」は、古くからドライブを楽しむユーザーの憩いの場として機能してきました。

 ドライブインの発祥は1920年代のアメリカとされていますが、日本では1960年代後半から1970年代にかけて多く見られるようになりました。

 全国のドライブインや休憩施設、みやげ物屋などで構成される日本観光施設協会の担当者は「『ドライブイン』には厳密な定義はありません」としつつ、次のように話します。

「日本で『ドライブイン』が登場しはじめた1960年代後半は、バスによる団体旅行が多く、全国の観光地では、大量の旅行者を受け入れられる施設の需要が高まっていました。

 現在『ドライブイン』と呼ばれているものの多くは、バス旅行の受け入れ施設として設立されたという成り立ちをもっています。

 ちなみに、『ドライブイン』と比較されることの多い『道の駅』は、当初から個人や少人数の旅行者をメインターゲットとしたものである点が大きな違いかと思います。

 ただ、全国で高速道路が整備され、多くの人がマイカーを持つようになった1970年代以降は、バスによる団体旅行からマイカーによる個人旅行が多くなりました。

 それにともない、近年では『ドライブイン』は減少傾向にあるのが実情です」

※ ※ ※

 2022年3月には、三重県伊賀市の名阪国道(国道25号)で55年にわたって営業を続けてきた「名阪上野ドライブイン」がその歴史に幕を閉じています。

「忍者ドライブイン」の名で愛されてきた施設であっただけに、多くのユーザーから閉業を惜しむ声が寄せられました。

 そのほか、コンビニエンスストアなどへの業態転換をはかる事業者も多く、昔ながらのドライブインは絶滅の危機に瀕しているといいます。

■「昭和レトロ」×「映え」で若いユーザーから注目?

 一方、当時の雰囲気を色濃く残しているドライブインが、「Z世代」と呼ばれる20歳前後の若いユーザーを中心に注目を集めているといいます。

 その背景には、昨今の「昭和レトロ」ブームがあるようです。

 SNS上には、全国各地のドライブインで撮影された写真が多く見られるなど、もはや前時代の遺物となっていたドライブインがふたたび脚光を浴びていることがうかがえます。

 ドライブインを利用することが多いという20代の女性ユーザーは、ドライブインの魅力について次のように話します。

「夜中に友人同士でドライブに行こうとすると、どこを目的地とするのかに頭を悩ませることがあります。

 そんなとき、クルマを駐車することができて、風変わりな『レトロ自販機』があるドライブインは、目的地に最適です。

 また、特徴のあるドライブインや自販機は、SNSで『映える』のも大きな魅力です」

 さらに最近、運転免許を取得したばかりの10代男性は、ドライブインの魅了について次のように話しています。

「昔、父親にレトロなドライブイン連れて行ってもらってから、すっかりハマりました。

 自分で運転するようになってから古い雰囲気のあるドライブインを探して、そこでラーメンやとんかつなどを食べるのが趣味になっています。意外と地元の常連さんとも仲良くなれて楽しいです」

いまの世の中では体感出来ない!? まるでタイムスリップしたような空間がドライブインには残っている(画像はわかばドライブイン)いまの世の中では体感出来ない!? まるでタイムスリップしたような空間がドライブインには残っている(画像はわかばドライブイン)

 こうした若いユーザーを取り込むことこそ、ドライブインが生きる道であると前出の日本観光施設協会の担当者は話します。

「たしかに減少傾向にあるドライブインですが、私どもにはない発想を持っている若いユーザーの意見を積極的に採り入れるべく、現在はさまざまな取り組みを行っています。

 また、その一方で、バスによる団体旅行は決してなくならないと考えています。

 団体客の受け入れが可能である点も、ドライブインの強みだと考えています」 

※ ※ ※

 近年は新型コロナウイルスの影響から大きな打撃を受けていた観光業ですが、2022年10月には全国で「旅割」がはじまるなど、徐々に活気を取り戻しつつあります。

 それでもドライブインが苦境にあることは変わりませんが、Z世代へのアプローチはひとつの活路になることが期待されています。

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