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わずか15年で「スライドドア」覇権ゲット!? 「ハニカミ王子」で賑わせた2007年から新車販売上位はどう変わった?

くるまのニュース / 2022年12月7日 18時10分

2007年と2022年、15年の間に新車の販売ランキングはどう変化しているのでしょうか。各TOP5を比べてみました。

■2007年の新車販売ランキングは「軽ハイトワゴン」と「コンパクトカー」の時代に

 2007(平成19)年の新車市場を振り返ってみると、わずか15年間で時代が大きく変わったことがわかります。
 
 新車販売ランキング上位5モデルを2022年現在の順位と比べ、時代の変化について振り返ってみましょう。

●2007年(1月から12月)新車販売ランキング

—–

・1位:スズキ「ワゴンR」(22万6725台)

・2位:ダイハツ「ムーヴ」(21万425台)

・3位:トヨタ「カローラ」(14万7069台)

・4位:トヨタ「ヴィッツ」(12万1377台)

・5位:ホンダ「フィット」(11万6561台)

—–

 1位のワゴンRは、1993年に初代がデビュー。その後各メーカーへ波及する「軽ハイトワゴン」カテゴリーを普及した立役者です。

 初代ワゴンRは、それまで車高1500mm以下のミニマムなモデルが主流だった軽乗用車に、高さ1650mm級の車高とスクエアな車体を与え、格段に広い室内を確保。

 シンプルなデザインで、これまで軽を敬遠しがちだった男性ユーザー層の取り込みも成功するなど、あらゆる面で軽の世界観を塗り替えたモデルといえます。

 2007年のランキング1位に入ったのは、その後2003年9月に登場した3代目モデルです。

 標準モデルとスポーティな「RR(ダブルアール)」のラインナップに加え、2007年2月に3つめの新型「ワゴンR スティングレー」を追加し、モデル末期ながら販売台数の押し上げに貢献していた頃でした。

 2位のムーヴも、ワゴンR対抗馬として1995年に誕生。2006年10月にプラットフォームからすべてを刷新した4代目が登場し好評を博したことで、2007年の上位へ喰い込んできています。

 一方、5位のフィットは、ホンダの革新的なコンパクトカーで初代モデルが2001年6月に登場するや大ヒットモデルへと躍進を遂げています。

 小型ながらパッケージングを工夫し上位クラスをしのぐミニバンのような広い室内を持ち、それでいてスポーティなフォルムをまとったことで、幅広い層から支持を集める大ヒット作となったのです。

 2007年は、初代もデビューから6年が経過し、同年10月に2代目へとフルモデルチェンジを実施する直前の時期でしたが、モデル末期とは思えないほど安定した売れ行きを誇り、上位にランクインしています。

 ワゴンR、ムーヴ、フィットのいずれも、価格の安さを維持しながらも、実用性の高さを兼ね備えた買い得感をもつことが共通しています。

■2022年のランキングは「買い得感」のニーズがさらに加速

 対する2022年のランキングは以下のとおりです(※注)。

●2022年(1月から10月)新車販売 暫定ランキング

—–

・1位:ホンダ「N-BOX」(16万7963台)

・2位:トヨタ「ヤリス」(14万4421台)

・3位:トヨタ「カローラ」(11万168台)

・4位:トヨタ「ルーミー」(9万3517台)

・5位:日産「ノート」(9万569台)

(※注:2022年1月から10月までの数値です)

背をさらに高くし、後席両側にスライドドアを採用したことで、ファミリー層も含めたユーザーから支持を集めた軽スーパーハイトワゴンの大ヒット作、ホンダ「N-BOX」(2代目モデル)背をさらに高くし、後席両側にスライドドアを採用したことで、ファミリー層も含めたユーザーから支持を集めた軽スーパーハイトワゴンの大ヒット作、ホンダ「N-BOX」(2代目モデル)

 ランキングは見事に入れ替わり、唯一車名が残っているのは、1966年から続く老舗ブランドのカローラのみという点に15年の時の流れを感じます。

 ただしヤリスは、2020年のフルモデルチェンジ時にコンパクトカーのヴィッツが車名を変えたものです。

 とはいえ2022年現在、ヤリスの数値にはコンパクトSUV「ヤリスクロス」や4WDスポーツカー「GRヤリス」の台数も含まれた合算の数値となります。

 そんななかで注目したいのは、1位のN-BOXです。

 N-BOXは、ワゴンRに比べさらに背の高い「軽スーパーハイトワゴン」カテゴリーに属しています。

 2011年12月(現行モデルは2017年9月登場の2代目)に誕生した新顔でありながら、またたく間にランキング上位の常連モデルとなりました。

 2015年から2021年まで、軽自動車の年間新車販売台数で7年連続1位を獲得。さらに2022年も上期(1月から6月)、上半期(4月から9月)ともに1位を維持し、このまま2022年も年間1位を狙えそうな状況にあります。

 N-BOXは、これまでよりさらに車体の背を高く、そして四角くすることで広大な室内を確保。後席にはミニバンのような「スライドドア」を備えているのも特徴で、乗降性も良好なものとしました。

 加えてメイン価格帯は200万円以下と安く、それでいて実用性も高いというお得感が、長く続くデフレ時代にもマッチ。ワゴンRなどが取り込み切れなかったファミリー層も含め、より広い支持を集めています。

 4位のルーミーは小型車枠ですが、N-BOXなど軽スーパーハイトワゴンのヒット要因をそのままコンパクトカーに持ち込み2016年11月に誕生。同様にロングセラー作となっています。

 15年の時を経て、ユーザーは上位モデルからのダウンサイジングを加速させたスピード感は強烈で、2007年には販売上位だったフィットも、2022年は同じホンダのN-BOXに取って代わられてしまっているのです。

 なおコンパクトカーのノートは、2005年の時点ですでに初代が登場していましたが、ランキング上位の常連となるのは、この後2012年に登場する2代目以降の話となります。

※ ※ ※

 いまから15年前の2007年といえば、どのような年だったのでしょうか。

 政治の面では、夏に行われた参議院選挙で当時の野党であった民主党が圧勝。与党の自民党が歴史的な大敗となり、衆参で異なる「ねじれ」状態に。

 これを受け発足した第一次安倍改造内閣も、健康上の問題などを理由に当時の安倍晋三首相が辞任し、福田康夫内閣に受け継がれるなど、国内の政治的な混乱が続いていました。

 また2007年夏には、米国の不動産ブームを受け急速に普及した低所得層向け住宅ローンの不良債権化、いわゆる「サブプライムローン問題」が顕在化。その後の住宅バブルの崩壊によるリーマンショックへとつながる流れがこの頃から始まっていたのです。

 なお流行語大賞には、この年当選した当時の宮崎県知事、東国原英夫さんによる「どげんかせんといかん」と、史上最年少でツアー優勝を果たしたゴルファーの石川遼選手「ハニカミ王子」が受賞しました。

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