ATシフト「Nレンジ」いつ使うのが「正解」!? オートマの「ニュートラル」必要な理由とは
くるまのニュース / 2023年1月12日 9時10分
クルマには、AT車・MT車に関わらず「N(ニュートラル)」のポジションが存在します。AT車の場合には特に利用頻度が低い「Nレンジ」ですが、一体どのようなときに使用するのでしょうか。
■利用頻度は極めて低い!? 「N」レンジって何のためにある?
クルマのシフトには「N(ニュートラル)」のポジションが必ずついていますが、実際に使用する機会はほとんどありません。
では「N」レンジは何のために必要なのでしょうか。
車種によって違いはありますが、AT(オートマチックトランスミッション)車では一般的に「P」「R」「N」「D」の順に各レンジ(シフトポジション)が並んでいます。
加えて「B」や「L」などのポジションや、「D」のとなりに「M」(マニュアルモード)が追加されている場合もあります。
まず「P(パーキング)」は駐車時に使用します。アクセルペダルを踏んでもクルマが動くことはありません。
同様に「N(ニュートラル)」もどのギアにも繋がっておらず、エンジンからの動力がクルマに伝わらない状態です。
クルマを動かせるのは「D(ドライブ)」(前進)、「R(リバース)」(後退)で、「B」などは、より低いギアにすることで、主に坂道などでエンジンブレーキを強く効かせるためのモードです。
一方、MT(マニュアルトランスミッション)車のシフトノブなどに表示されているのは、数字のギア段数とRです。
AT車がギアチェンジを自動で行うのに対し、MT車はクラッチペダルでエンジンとトランスミッションを繋いだり切り離したりしながら、ドライバーみずからギアチェンジをおこなっていきます。
クラッチペダルとシフトレバーを連動させ、速度に応じてギアを上げていくことでクルマが動くのです。
MT車のニュートラルはシフトレバーの中心、1速と2速の間、3速と4速の間、5速と6速の間など、各ギアが入っていない中間位置にあります。
ギアチェンジを行う際にはニュートラルを通過しており、MT車でニュートラルはスムーズなギアチェンジを行うために必要なものです。長い停車中に、クラッチペダルを踏み続けているのが疲れるという理由で、ニュートラルを使用する人もいます。
ではAT車の場合、Nレンジは何のために必要なのでしょうか。
AT車のNレンジの役割は大きく分けてふたつあります。シフトチェンジ時の緩衝材と、故障時のけん引用です。
Nレンジはシフトレバーの中でDレンジとRレンジの間にあります。
前進の働きがあるDレンジと、後退の働きがあるRレンジをそのまま直接つないでしまうと、前に進もうとしているギアと後ろに進もうとするギアがかみ合ってしまい、故障の原因となります。
そのためDレンジとRレンジの間にあるNレンジが、シフトチェンジの際の緩衝材の役目をはたしているのです。
走行中、意図せず身体が接触するなどして、誤ってシフトレバーが動いてしまう可能性もないとはいえません。その際にも、Nレンジがあることで前進から急にバックに切り替わる動きを防ぐことができます。
■万が一の際にも!? 意外と知られていない「N」レンジの重要な役割とは
またNレンジには、もうひとつ重要な役割を果たしています。
クルマが故障し、自力走行できなくなったときには、レッカー車やほかの車両に牽引してもらいますが、Nレンジはその際に使用することができるのです。
下り坂の多い山道などでは、低いギアを選択してエンジンブレーキを併用しながら安全な走行に努めましょう。間違えても「N」レンジに入れたりはしないでください![画像はイメージです]
クルマを前にも後ろにも進ませないのが、PレンジとNレンジだと先に説明しました。
まったく同じ機能のようですが、ふたつのシフトレンジの違いは、タイヤがロックされているかどうかにあります。
Pレンジはタイヤを駆動させる力がロックされた状態なので、クルマは押しても引いても動きません。
対してNレンジは、動力とギアを切り離すことでクルマが動くことを止めているため、車軸自体のロックはされておらず、タイヤは動きます。そのため、人の手で押してもクルマを動かすことが可能となります。
前進のためのDレンジに入れてあったとしても、タイヤの回転には抵抗がかかりますが、どのギアともかみ合っていないNレンジに入れておくことで、クルマをスムーズに動かすことができるのです。
万が一クルマが故障してしまい、やむを得ず人力で押す場合などには、シフトはNレンジに切替えることを覚えておきましょう。
なお、信号待ちなどの停止時にシフトレバーをNレンジにしておくと、燃費が良くなるという噂を聞くことがありますが、実際にはほとんど変化はありません。
Nレンジ(ニュートラル)はエンジンからの動力をタイヤに伝えないだけで、エンジン自体を停止させるわけではありません。そのため、燃料の消費とは関係がないのです。
最近はアイドリングストップ機能のある車両が増えてきています。その多くがDレンジの際に機能するので、燃費や環境保護の意味でも、無駄にNレンジへシフトするのは意味がありません。
またNレンジとDレンジの頻繁な切り替えが増えることでギアを痛めてしまい、車の耐久性にも問題が生じる可能性もあります。
さらにNレンジの状態ではタイヤがロックされていないため、気づかない程度の傾斜により、クルマが思わぬ動きをすることも想定されます。
ましてや、下り坂を走行中にシフトをNレンジに入れるのは、エンジンブレーキによる抵抗もない空走状態となり非常に危険ですので、絶対にやめましょう。
走行中にDレンジや、より低いギアを使用しながらアクセルペダルを足から離すと、エンジン内の燃料噴射が停止し、燃料を無駄に消費させない仕組みとなっています。
例えばトヨタの公式サイトには「(ハイブリッド車で)シフトレバーをNレンジにして走行・停車すると、燃費が良くなりますか」との質問に対し、次のような回答が記されています。
「走行中(減速時や渋滞中も含む)のシフトポジションはDレンジやBレンジ、駐車中のシフトポジションは必ずPレンジにしていただくようお願いいたします」
加えてハイブリッド車の場合、Nレンジでは駆動用バッテリーへの充電もおこなわれないため、Nレンジでの停車は推奨しないともいいます。
安全に効率の良い運転をするためにも、各車両の取扱説明書も確認しながら、適切なギア選択をすることが重要といえるでしょう。
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