高級ミニバン「エルグランド」どうなる!? 新型「セレナ」高機能化で「下剋上」心配する声も
くるまのニュース / 2022年12月10日 6時10分
日産は先進技術を満載した新型「セレナ」を発表しましたが、一方でフラッグシップミニバン「エルグランド」は、デビュー12年が経過したいまも改良を重ねながら現役を続行中で、日産ファンなどからは心配する声もあがっています。
■どうなる!? 現行「エルグランド」はデビューから12年が経過
日産「エルグランド」は同社のフラッグシップに位置する高級ミニバンですが、現行型は2010年のデビュー以来12年に渡り地道な改良を重ねながら販売を続けている状況です。
そんななか、2022年11月28日にミディアムクラスミニバン「セレナ」が6年ぶりのフルモデルチェンジを実施し大幅な進化を遂げたことで、日産ファンを中心にエルグランドの今後について憂う声があがっています。
エルグランドのボディサイズは、全長4965mm×全幅1850mm×全高1815mm。堂々たるサイズがもたらす余裕のある室内空間には、豪華な内装が備わります。
またライバル車のトヨタ「アルファード」に比べ、低重心なプラットフォーム設計による操縦安定性の高さも自慢です。
パワートレインには、2.5リッター直列4気筒エンジンに加え、最高出力280psを誇るパワフルな3.5リッターV型6気筒エンジンをラインナップします。
デビュー12年を迎えたエルグランドですが、度重なるモデル改良が実施されたことで外観デザインなどはリフレッシュされています。
しかし近年需要が高まる電動化モデル、とくに最新の日産車で多く採用される「e-POWER」はいまだ導入がなく、カタログ燃費においてアピールポイントに乏しいのが実情です。
SNS上でも「セレナが新しくなってエルグランドが置いて行かれた感」「下剋上のよう」「エルグランドの新型はいつ出る?」と嘆く日産ファンの声が散見されます。
とはいえエルグランドも、度重なる改良によって先進運転支援機能は進化しており、ひと通りのシステムを搭載しています。
現行モデルは「360°セーフティアシスト」を掲げ、前方、側方、後方の全方向からカメラやレーダー、センサー類により運転をサポートする機能を有することをアピールします。
前方運転支援では、前方車両との車間距離を保ちながら追従走行する「インテリジェント クルーズコントロール」や、前方を走行する2台前の車両を検知する「インテリジェントFCW(前方衝突予測警報)」、走行中に前方のクルマや人を検知する「インテリジェント エマージェンシーブレーキ」などを備えます。
側方運転支援では、走行車線からの逸脱防止を支援する「インテリジェント LI(車線逸脱防止支援システム)」「LDW(車線逸脱警報)」や、車線変更時の接触回避をサポートする「インテリジェント BSI(後側方衝突防止支援システム)」「BSW(後側方車両検知警報)」があります。
後方運転支援では、先代エルグランドが初めて採用し話題を呼んだアラウンドビューモニターをさらに進化させた「インテリジェント アラウンドビューモニター(移動物 検知機能付)」に加え、後退時の衝突回避をサポートする「RCTA(後退時車両検知警報)」、前進・後退時の「踏み間違い衝突防止アシスト」なども用意します。
とはいえ新型セレナでは、さらに進化版である最先端の運転支援機能が備わるのも事実です。
特に大きな違いは、先代セレナから採用が始まった「プロパイロット」を標準装備化し、さらにアップグレード版の「プロパイロット2.0」を新搭載したことが大きなニュースとなります。
一定車線上で先行車両との車間距離を一定に保つよう制御し、さらに車線の中央を走行するようステアリング操作を支援するプロパイロットの機能に、3D高精度地図データを搭載した専用のカーナビゲーションシステムを連動。
ナビでルート設定をした際、手放し運転の「ハンズオフドライブ」と「車線変更追い越し支援」の各機能を追加したのがプロパイロット2.0です。
現在市販されているモデルでほかにプロパイロット2.0を搭載するモデルはクロスオーバーEV「アリア」のみという、日産車のなかでも特に最先端の機能となります。
そのため新型セレナでも、他のセレナより100万円以上も高価な479万8200円の最上級グレード「e-POWER LUXION(ルキシオン)」のみの限定装備に留まっています。
※ ※ ※
デビュー12年が経過したエルグランドについて、日産から次期モデルを示唆する情報は一切公開されていませんが、先に記した通り、特にセレナや他社メーカーのように電動化モデルのラインナップがなく、今後販売が維持されるかどうかも不透明な状況といえます。
一方他社では、高級ミニバンのアルファードが人気を独占中です。
現行型もデビュー7年が過ぎ、けっして新しいモデルではないにもかかわらず、販売ランキングの上位に食い込む売れ行きを示していることからも、高級ミニバンの市場自体がなくなっている訳ではないことを示しています。
それだけに、日産ファンを中心に歯がゆい思いをしているユーザーは少なくないものとみられ、一刻も早いエルグランドのモデルチェンジが期待されるところです。
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