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なぜAT限定免許で「MT車を運転」は「無免許運転」じゃない? 該当する「免許条件違反」との違いは

くるまのニュース / 2022年12月12日 9時10分

クルマの普通運転免許には、AT車・MT車を運転できる免許と、AT車のみ運転できる限定免許の2種類が存在します。実はAT限定免許でMT車を運転すると無免許運転ではなく「免許条件違反」に該当するといいます。では無免許運転と免許条件違反にはどういった違いがあるのでしょうか。

■「無免許運転」と「免許条件違反」それぞれの違いは

 クルマを運転する時は、車両に応じた運転免許が必要となり、仮に取得していない運転免許に対応する車両を運転した場合には「無免許運転」になります。
 
 ただし、AT(オートマチックトランスミッション)車限定の普通運転免許しか持っていない人がMT(マニュアルトランスミッション)車の普通自動車を運転した場合については、無免許運転ではなく「免許条件違反」という交通違反が該当します。
 
 これに関しては「知らなかった」「無免許運転になると思っていた」という声も聞かれます。
 
 では無免許運転と免許条件違反は、一体どのような違いがあるのでしょうか。

 クルマの普通運転免許には、MT車とAT車の両方を運転できるものと、AT車に限定して運転できる2種類があります。

 MT車は、アクセル、ブレーキ、クラッチの3つのペダルがあることから「3ペダル」とも呼ばれており、クラッチを操作して手動でギアチェンジをおこないます。

 これに対し、AT車はアクセルとブレーキの2ペダルとなり、ギアチェンジはクルマが自動で判断してくれます。

 このようにMT車とAT車は操作方法が異なりますが、実はAT限定免許でMT車を運転した場合は、無免許運転ではなく「免許条件違反」に該当するといいます。

 これについて、法律ではどのような決まりがあるのでしょうか。無免許運転と免許条件違反のそれぞれの違いについて見ていきます。

 まず、無免許運転は道路交通法第64条に規定された交通違反であり、公安委員会の運転免許を受けずに自動車または原動機付自転車を運転してはならないと定められています。

 具体的には免許を一度も取得したことのない人が自動車を運転する行為や、普通免許しか持っていないのに大型自動車を運転する行為などが挙げられます。

 また無免許運転には、有効期間の過ぎた免許で運転した場合や、免許の取り消し後・停止中に運転した場合、免許証が交付される前に運転した場合、仮免許で練習目的以外の運転をした場合なども含まれます。

 無免許運転をした場合、3年以下の懲役または50万円以下の罰金が科されるほか、基礎点数25点が加算され、一発で免許取消しとなる可能性があります。

 それまでに免許の取り消しなどの処分を受けたことがない場合でも、2年間は免許を取得できなくなってしまいます。

 一方、免許条件違反は道路交通法第91条を根拠とした交通違反です。

 道路交通法第91条の「免許の条件」においては、公安委員会が安全上必要と認めた場合に、免許を持っている人の身体の状態や運転の技能に応じて、その人が運転できる自動車等の種類を限定したり、運転に必要な条件を付けることができると規定されています。

 一例としては、運転をする際に眼鏡やコンタクトが必要な人には「眼鏡等」という免許の条件が加えられます。

 このほか、中型免許の中でも運転できる車両が車両総重量8トン未満までの自動車であれば、「8トン限定」という条件が付いた中型免許を与えられるといったものがあります。

 そのため、「眼鏡等」の条件が付いているのに眼鏡やコンタクトをせずに運転した場合や、8トン限定中型免許で車両総重量が8トン以上の自動車を運転した場合など、公安委員会から付与された条件に従わなければ免許条件違反が成立します。

 無免許運転が、運転を許可されていない車種を運転した場合に成立するのに対し、免許条件違反は運転を許可された車種であっても、車両総重量やAT・MT車のように車両の構造などに関して公安委員会から付された運転の条件を満たしていないと違反が成立するという点で違いがあるのです。

 免許条件違反は違反点数2点、普通車で7000円の反則金を科される可能性がありますが、反則金を納付すれば刑事罰に問われない「交通反則通告制度」の適用がある分、無免許運転よりは罰則が軽いといえます。

 しかし、だからといってAT車の普通免許でMT車の普通自動車を運転するといった行為をすると交通事故につながるおそれもあるため、絶対におこなわないように注意しましょう。

※ ※ ※

 無免許運転は公安委員会から許可されていない車種を運転すると成立し、免許条件違反は公安委員会から付与された条件に従わなかった場合に交通違反が成立します。

 無免許運転に関しては罰則が重いうえ、該当する行為の種類が多いため、法律の内容をよく理解しておくことが大切です。

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