街で見かける「緑の制服を着た2人組」一体何者? 1日の仕事内容は 誰でもなれる? 給与は?
くるまのニュース / 2022年12月18日 11時10分
緑の制服を着た2人組を街で見かけることがあるでしょう。一部では「緑のおじさん」とも呼ばれていますが、この人たちは一体何者なのでしょうか。
■「緑のおじさん」は一体何者?
路上駐車をしているクルマの周りに緑の帽子、緑の制服を着た人が立って、何やら写真を撮ったり書類を作ったりしているのを見たことはないでしょうか。
彼らはどのようなどのような職業で、どのような仕事をしているのでしょうか。
緑の制服を着た人たちは「駐車監視員」と呼ばれています。駐車監視員について、神奈川県警察のウェブサイトでは以下のように説明されています。
「国家公安委員会規則で定められた試験に合格して駐車監視員資格を取得した人で、警察署長から取り締まりの一部(確認事務)の委託を受けた法人に所属し、放置車両の確認や確認標章の取付けなどの仕事をおこなう人」
つまり警察官に代わって、民間の法人に所属する専門の資格を持った人が放置駐車違反の取り締まりに関する事務をおこなうのです。
警察の業務を民間の法人に委託する理由は、過去に警察官が事件や事故の対応に追われ、放置駐車違反の取り締まりに限界が生じていたという経緯があったためだといい、この駐車監視員の制度は2006年6月から導入されています。
駐車監視員の具体的な仕事としては、まず警察署の管内の担当エリアを2人1組で巡回しながら、放置車両を探します。
放置車両は、駐車禁止場所などに駐車された違法車両のうち、ドライバーがその場を離れていてすぐに運転できない状態にある車両をいいますが、駐車監視員はこの放置車両の確認をおこないます。
放置車両を発見すると、駐車監視員は駐車車両の違反状態をカメラで撮影、専用端末に車両ナンバーや違反場所などを入力した後に、「放置車両確認標章」という黄色いステッカーをプリントアウトし、違反車両のフロントガラスなど見やすいところに取り付けます。
さらに駐車監視員は、確認標章を取り付けた後の車両の状態を写真撮影し、その後警察署に放置車両のデータを提出して仕事を終えます。
このように、駐車監視員は放置車両の確認業務をおこないますが、警察官と違って駐車違反の交通反則切符を作成する権限はなく、ほかの交通違反を取り締まる、駐車違反をしている運転者に対して移動命令を出す、車両をレッカー移動するといった行為もできません。
あくまで、放置車両の確認と標章の取り付けが主な業務なのです。
そのため、駐車監視員は人が乗っている車両に対しては放置車両確認標章の取り付けをしません。
また業務に従事している間の駐車監視員は公務員とみなされるため、駐車監視員に対して暴行や脅迫を加えた場合には、警察官に対する行為と同じように公務執行妨害罪が適用されます。
※ ※ ※
ちなみに、駐車監視員の具体的な勤務時間や給与はどうなっているのでしょうか。
駐車監視員は「駐車監視員資格者証」が必要ですが、これを持っていれば勤務することが可能です。
求人サイトでは都内の駐車監視員に関する仕事を募集しており、勤務時間は「原則9時から18時(実働8時間、休憩1時間)」とあり、基本的には8時間程度の勤務のようです。
このほか別の求人を見ると「15時から0時」と夜勤での募集のほか「土日出勤」の記載もありシフト制のところもあるようです。
例えば東京都だと、取り締まりの重点時間帯が午前7時半から翌日の午前3時となっているケースもあるため、早朝から夕方にかけて放置車両の確認をおこなうこともあれば、夕方から未明にかけて勤務することもあるといえます。
給与については、アルバイトだと日給1万円〜となっているほか、契約社員だと月給22万円と記載のある募集も見られました。
街で見かける駐車監視員は比較的年齢層の高いイメージがありますが、多くの求人サイトで「60代後半の方も活躍!」「シニアも活躍中」との記載が見られ、定年退職後の働き口として選ぶ人も多いといえます。
資格の取得は必要ですが、興味のある人は検討してみても良いかもしれません。
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