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歩行者から「お先にどうぞ」車をそのまま発進させたらどうなる? 「歩行者妨害扱い」されるケースはどんな時?

くるまのニュース / 2022年12月21日 14時10分

クルマで街中を走行していると、横断歩道を通過することがあります。なかには歩行者が通行しようとしても、「お先にどうぞ」とクルマ側へ譲ってくる場合があるでしょう。この場合は、そのまま通過しても良いのでしょうか。

■歩行者から「お先にどうぞ」 そのまま発進してOK?

 街中には各所に横断歩道があり、なかには信号機が設置されていないところもあります。
 
 こうした場所で歩行者が横断しようとしている際、クルマは一時停止をしなければいけません。では歩行者が「お先にどうぞ」と譲ってきた場合はそのまま通過しても問題ないのでしょうか。

 クルマ側の横断歩道での正しい対応として、道路交通法第38条第1項では以下のように定められています。

「車両等は、横断歩道又は自転車横断帯に接近する場合には、当該横断歩道等を通過する際に当該横断歩道等によりその進路の前方を横断しようとする歩行者又は自転車がないことが明らかな場合を除き、当該横断歩道等の直前(道路標識等による停止線が設けられているときは、その停止線の直前。以下この項において同じ。)で停止することができるような速度で進行しなければならない」

 続けて規定では以下のように定められています。

「この場合において、横断歩道等によりその進路の前方を横断し、又は横断しようとする歩行者等があるときは、当該横断歩道等の直前で一時停止し、かつ、その通行を妨げないようにしなければならない」

 つまり、横断歩道や自転車横断帯が設置されている場所では徐行が求められ、歩行者などが横断していたり、横断しようとしている時は一時停止し、通行を妨げてはいけないということです。これは信号機のない横断歩道であっても同様です。

 これに違反した場合には、「横断歩行者等妨害等」の交通違反として反則切符を切られ、違反点数2点、普通車で反則金9000円が科される可能性があります。

 横断歩道で歩行者が「お先にどうぞ」と譲る理由について、「ゆっくり渡りたいのでクルマには先に行ってほしい」「高齢で足が悪く、渡るのに時間がかかるので申し訳ない」といった意見があります。

 しかし、基本的にクルマ側は横断歩道付近に人がいる場合には速度を落とし、横断歩道の直前で一時停止する必要があり、歩行者側も「横断歩道は歩行者優先」ということを理解する必要があるといえるでしょう。

 ただし、「お先にどうぞ」とクルマに道を譲っている歩行者が「横断しようとする歩行者」に該当するかについては、その時々の状況によって変わるため、一概には判断できないと考えられます。

 たとえば、歩行者が横断歩道で立ち止まったために横断をあきらめたと判断してクルマを進行させた事例については、歩行者が横断する意思を放棄したわけではないとして、横断歩行者等妨害等の違反を認めた判例があります。

 一方で、「お先にどうぞ」に応じたために反則切符を切られたドライバーに関し、警視庁が交通違反を撤回したという事例も。

 つまり、歩行者の「お先にどうぞ」を受けて交通違反が成立するかについては、歩行者がどうしたかったのか、歩行者がどのような動きをしていたのか、本当に「お先にどうぞ」のジェスチャーをしていたのかなど、ドライブレコーダーの映像の確認や歩行者に事情を聴取するなどしなければ判断できない可能性もあるということです。

 いずれにせよ、クルマ側が交通違反で切符を切られないためには、横断歩道の近くに歩行者がいれば一時停止し、歩行者に譲られてもクルマ側が横断歩道を渡るようにうながすことが大切だといえます。

※ ※ ※

 横断歩道で歩行者がおこなう「お先にどうぞ」に関して、横断歩行者等妨害等の違反になるかどうかはその時々の状況によって変わってきます。

 クルマ側と歩行者側がお互いに気持ちよく通行できるように、ドライバーは横断歩行者の通行を妨げない、また歩行者も遠慮せずに渡るということを心がけると良いかもしれません。

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