「冬の車中泊」は寒すぎる? 暖房に「カーエアコン」使うのは超危険!? どう対策したらいい?
くるまのニュース / 2022年12月23日 10時10分
冬の車中泊でとくに気をつけたいのは寒さ対策です。どういった措置を取ると良いのでしょうか。
■冬の車中泊は寒すぎ!? できる対策は
本格的な冬を迎え、日々寒さが増してきています。そんななかでも車中泊ブームは健在であり、冬の車中泊を計画している人もいるでしょう。
車中泊をおこなう場所によっては雪が積もったり、外気温がマイナスになったりすることが予想されます。
では冬の車中泊はどんなポイントに気をつけると良いのでしょうか。
冬の車中泊でとくに気をつける必要があるのは「寒さ対策」です。
JAF(日本自動車連盟)は、過去2014年2月に長野県上田市の菅平高原で、冬の車内温度を計測するユーザーテストを実施。
テスト内容は、午後11時から翌朝午前7時までの8時間、エンジンを止めた状態で対策の異なる 20 代から30 代の4名のモニターが車両(ミニバン)2 台に分乗し、寒さをしのげるのかを検証しました。
テスト開始時はカーエアコンを使用し、車内の設定温度を25℃に設定していたものの、終了時には-7℃まで低下する結果となっています。
テスト開始時の外気温は-10.2℃、終了時の外気温は-12.9℃であり、夜間は非常に低い温度のまま推移することが分かります。
またダウンジャケットにジーンズという同じ格好をしたユーザー4人が車内でそれぞれ「対策なし」「毛布+使い捨てカイロ」「寝袋(冬山用)」緊急時に体温保持するための「エマージェンシーシート」の4つのパターンで、どの道具を利用すれば寒さをしのげるかという検証もおこなっています。
その結果、何も防寒対策を講じなかったユーザーは、テスト開始から2時間45分後、車内温度が1.8℃まで低下した時点でギブアップ、エマージェンシーシートを使用したユーザーも5時間27分後、車内気温が-3.9℃まで低下した時点でギブアップとなりました。
その一方で、毛布と使い捨てカイロを併用したユーザー、寝袋を使用したユーザーについては翌朝まで寒さをしのげるという結果が出ました。
ただし、それらのユーザーからは「カイロがあったから朝まで過ごせた」という声や「寝袋は朝方になって寒さを感じてきつかった」というコメントもあったことから、毛布や寝袋といった道具のみで冬の車中泊を乗り切ることは難しいといえるでしょう。
このJAFのテスト結果をふまえると、複数の防寒対策を組み合わせることが有効だと考えられます。
では冬の車中泊について、どんな防寒対策をするのが効果的といえるのでしょうか。
車内や体を温めるためにとくに有効なのは、暖房器具です。
クルマの暖房をつければ良いと考える人もいるかもしれませんが、もし雪が積もった状態でエンジンをかけるとクルマのマフラーが雪で塞がれて排気ガスが車内に入り、最悪の場合一酸化炭素中毒で亡くなってしまうケースもあります。
また長時間エンジンをかけ続けたことで、途中でガス欠になる可能性もあるでしょう。
このため、できるだけエンジンは停止させた方が良いでしょう。
その点、セラミックヒーターや電気毛布などの暖房器具は一酸化炭素を発生させない、火事になりにくい、持ち運びしやすいなどの特徴があり、車中泊に向いているといえます。
ただし電気を使用するため、同時にポータブル電源を準備しておくと便利です。
ポータブル電源は自宅のコンセントや太陽光パネルなどを使って充電し、その電気で他の電化製品を動かすことができます。
そのほか、湯たんぽやカイロも安価ながら温かさが長持ちする、安全性が高いという理由で愛用している人がいるため、利用してみても良いでしょう。
このほか取りうる対策としては主に防寒用の服装や寝具、断熱材などが挙げられます。
服装は、フリースやダウンジャケットなど防寒着の重ね着はもちろん、自分がかいた汗が冷えて体を冷やさないよう、「汗冷え」に対応したインナーを選ぶことが大切です。
JAFのユーザーテストでは「足先が冷える」というコメントも多く、足からの冷えを防止することも重要といえます。こちらも汗冷えしないウールなどの靴下を選ぶようにしましょう。
また寝具については、寝袋や毛布などは寒さが増したときに備えて複数用意しておくことが大切です。
さらに床や窓からの冷気を防ぐため、断熱シートを窓に貼り付けたり、寝具の下に敷いておくなどの対策も有効といえます。
クッション性のある断熱シートであれば寝心地も良くなるため、断熱性だけでなくクッション性、折りたたんで場所をとらないものであるかなどあらゆる面を考慮して選ぶと使用の満足度が高くなるでしょう。
※ ※ ※
車中泊の際、寒いからといってクルマのエンジンをかけて暖房をつけっぱなしにすると、最悪の場合一酸化炭素中毒になるおそれがあります。
このため、クルマの暖房を使用するのではなく、服装や寝具、一酸化炭素が発生しない暖房器具など複数の防寒対策を組み合わせることが重要といえます。
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