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「リッチすぎる内装」が評判に! マツダ新型SUV「CX-60」実際に乗ってわかった使い勝手の「評価」とは!?

くるまのニュース / 2023年1月8日 6時30分

豪華な内装や新開発の直列6気筒エンジン+FRレイアウトなどで話題を呼んだマツダ 新型「CX-60」ですが、実際に使ってみた際の評価も気になるところです。今回は街中などを中心に日常的に乗った印象についてまとめました。

■新型SUVを「街乗り」など日常的な使い方で試してみた!

 スポーツカーや高級車から軽EVまで様々なニューモデルが登場した2022年のなかでも、とくにこだわりの強さが感じられた1台が、マツダの新型プレミアムSUV「CX-60」でした。
 
 豪華でオシャレな内装や、いちから新設計されたパワートレインなど話題は豊富ですが、実際の仕上がりはどんな評価なのでしょうか。

 2022年はトヨタ「クラウン」の劇的なフルモデルチェンジ、低価格な軽EVの日産「サクラ」と三菱「eKクロスEV」の登場、スポーツモデルの日産「フェアレディZ」やホンダ「シビック タイプR」のフルモデルチェンジなど、新型車が豊作な1年でした。

 その中でも強いインパクトを持っていたのが、新規開発の直列6気筒ディーゼルターボエンジンを中心に、高級感あるFRの駆動方式を武器にして、欧州プレミアムSUVに挑戦するというコンセプトで登場したマツダの新型CX-60でした。

 筆者(永田恵一)は最近新型CX-60に長く乗る機会があったことから、ここでは街中など日常的に乗った際の使い勝手を中心に紹介します。

 試乗した車両は「XDハイブリッド プレミアムスポーツ」(547万2500円)というディーゼルハイブリッドの最上級グレードでした。

 まずシートですが、ドライビングポジションへのこだわりが強いマツダ車らしく、ペダル配置に加えシート高やチルト&テレスコピック(ハンドルの前後調機能)の調整幅も大きく、文句ありません。

 さらに新型CX-60の上級グレードには「ドライバー・パーソナライゼーション・システム」というマツダ推奨のドライビングポジションへシートを自動調整する機能があり、実際に試してみました。

 シート位置のみならず、電動ステアリング調整やアクティブ・ドライビング・ディスプレイ(正面のガラス面に映るヘッドアップディスプレイ)の表示位置、ドアミラーなどを一括で自動調整してくれるもの。

 身長を入力し、クルマに備わるカメラがドライバーの目の位置を測定することで、体格の把握をおこなう仕組みです。

 結果は、身長160cm台という筆者の体形のせいもあるのか若干遠い傾向。ベストなドライビングポジションを取るには再度調整が必要でした。

 とはいえクルマのドライビングポジションはそもそも自己流の人も多いもので、必ずしも「正しい座り方」の人ばかりではありません。

 メーカーがオススメするベストな座り方や運転姿勢を知る意味でも、大いに参考になる機能と感じました。

 続いて、インテリアを中心とした使い勝手を見ていきます。

 まず、収納スペースは大きなセンターコンソールボックスをはじめ十分に揃っており、クルマに常備したいものや身の回りのものを置くのに申し分ありません。

 それよりも気になるのは、モニターの操作に使うコマンダーの使い勝手かもしれません。

 これは近年のマツダ車に共通する、独自の操作方法が求められるものでした。

 筆者は以前に現行型「マツダ2」(当時は「デミオ」のネーミングでした)に1年間乗っていたこともあり、比較的すぐ馴染みましたが、近年のマツダ車を初めて購入する人は、みな一様に戸惑うかもしれません。

 例えばカーナビのスケール(縮尺)の拡大が、輸入車のように右回りになる点など、慣れるには少し時間が掛かるでしょう。

 ただこれも慣れの範囲なので、購入してしまえば許容できる人が多いといえます。

 このほか使い勝手で少し気になったのが、ATのシフトレバーです。

 というのも、新型CX-60のシフトレバーは「P」レンジに入れる方法が「R」レンジから右に倒すというもので、国産他社ではみられない独自の操作方法なのです。

 これは2020年に登場したマツダ「MX-30」から始まったものですが、やはりPレンジは独立したボタンにするなり、従来のようにシフトの最上段に配置したほうが使いやすいように感じました。

 とくに複数のクルマを所有する人などは、いつまでも慣れない可能性があります。

■内装の「リッチ」さは格別だけど「取り回し」に懸念する点も

 使い勝手の面からは少々脱線しますが、インテリアの質感は新型CX-60の見どころのひとつといえます。

 乗ったのが最上級グレードの「プレミアムスポーツ」だったこともあり、タンカラーのダッシュボードや柔らかなナッパレバーシート、思わず触りたくなってしまうスウェード調のダッシュボード中央部のパネルなど、そのリッチな質感は価格相応以上なのはもちろん、欧州プレミアムカーにも迫る仕上がりです。

 この点だけでも新型CX-60を選ぶ大きな後押しになるでしょう。

 リアシートとラゲッジスペースは、欧州でいうDセグメントのSUVとして相応以上のスペースや居心地の良さが確保されており、内装の質感とあわせ、居住性に関しては文句ありません。

縦置き直列6気筒ディーゼル+ハイブリッドと後輪駆動パワートレインがもたらす走りが話題の新型CX-60ですが、ボディサイズは大きめなため、ややオーナーを選ぶ側面もあるかもしれません縦置き直列6気筒ディーゼル+ハイブリッドと後輪駆動パワートレインがもたらす走りが話題の新型CX-60ですが、ボディサイズは大きめなため、ややオーナーを選ぶ側面もあるかもしれません

 新型CX-60の使い勝手において、唯一にして最大の弱点と感じたのが、取り回しがイマイチしにくいということです。

 ボディサイズは、全長4740mm×全幅1890mm×全高1685mm、ホイールベース2870mm。

 マツダの既存モデルで比較すると、同じ2列シート車のSUV「CX-5」が全長4575mm×全幅1845mm×全高1690mm、ホイールベース2700mmなので、新型CX-60がさらに大型なサイズであることがわかります。

 気になる1点目としては、やはり1890mmという全幅が絶対的に大きく、実際に使ってみると駐車スペースも少し気をつかう印象です。

 街のコインパーキングなど、車幅1.9m以内と定めている多くの駐車場の規定上では範囲内ですが、実際には乗り降りに苦労するケースもありました。

 2点目は、狭い街中などでの取り回しの際に実際の全長・全幅以上にクルマが大きく感じる部分です。

 新型CX-60は、フロント部に縦置きレイアウトの直列6気筒エンジンが収まり、日本車としてはノーズ周りがかなり長いほうの部類に属します。

 さらに筆者がシートを低くし、足を投げ出すように座るドライビングポジションを好むせいもあるのかもしれませんが、これらの2点で筆者は「新型CX-60は日常的に乗るクルマとしてはちょっと大きすぎる」と思ってしまいました。

 筆者は新型CX-60の価格が明らかになった際、実は一瞬「自分のものにしようか」とも悩みました。

 直6ディーゼルターボ+FRというプレミアムなパワートレインを搭載しながら、非ハイブリッドのディーゼルターボなら、上級の「Lパッケージ」(4WD)でも422万9500円というのは、同様の直6ディーゼルターボを載せた輸入車なら軽く1000万級であることを考えたら破格と感じたからです、

 しかし筆者がいつもクルマを停めているパレット式駐車場の全幅制限が1850mmまでと、そもそも全幅1890mmの新型CX-60は停められず、結局断念しました。

 この巨大なサイズでとくに都市部のユーザーが新型CX-60を買わない理由とならないか、ちょっと心配なところです。

 ともあれ気になる人は、販売店で実車を試乗して、できれば自宅周辺などでの取り回しも確認してみることをオススメします。

※ ※ ※

 取り回し関係では、車庫入れのようにクルマをゆっくり動かす際のスムースさに欠ける点も改善を願いたいです。

 新開発とされた8速ATが、通常のオートマチックトランスミッションに用いられる流体クラッチを用いたトルクコンバーターを使わず、湿式多板クラッチとした点が原因なのかもしれません。

 このほかにも、EV走行から追い越し加速をする際などに、ディーゼルターボ+マイルドハイブリッドのレスポンスが遅れることや、乗り心地の粗さなど、改善して欲しいポイントが少なくないのも事実です。

 その一方で、新規開発の直6エンジン+FRというマツダの意欲的な挑戦に対しては応援したい気持ちも強いだけに、ボディサイズや取り回しは別問題として、今後の改良による新型CX-60の成長を強く期待したいところです。

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