ディーゼル車の「軽油」は凍結注意! 凍ったら解けるの待つしかないってマジ!? 凍結防止の対策とは?
くるまのニュース / 2023年1月16日 10時10分
ディーゼル車の燃料である軽油は寒冷地で凍結することがあります。凍らないようにするには、どのようなことに気を付けたら良いのでしょうか。
■軽油が凍結するとエンジンが掛からなくなる!?
「バッテリーは元気でセルはしっかり回るのにエンジンがかからない……」
ディーゼル車オーナーのなかには、寒い日にそんな経験がある人もいるかもしれません。
セルがまわるのにエンジンがかからない理由は燃料である軽油の凍結の可能性が高いでしょう。
軽油は寒い日に凍ることがあるので、ディーゼル車のユーザーは、寒い場所で軽油が凍結しないように気を付ける必要があります。
ただし、そのトラブルは寒冷地に住んでいるディーゼル車ユーザーにはあまり起こりません。なぜなら、寒冷地では「凍りにくい軽油」が販売されているからです。
一方で太平洋岸の都市部など軽油の心配のない地域では、冬でも寒冷地よりも凍りやすい軽油を販売。すなわち、極寒地域とそうではない地域では冬に販売される軽油の質が異なり、軽油の凍結の心配のない地域で給油した軽油のまま寒冷地に移動して気温が下がると、軽油が凍結してエンジンがかからなくなるアクシデントが発生しやすいのです。
軽油は地域と季節によってタイプが異なります。たとえば関東だと12月から3月にかけては「2号」と呼ばれるマイナス7.5度以下まで流動点(液体が凝固する最低温度)を確保する軽油を販売します。
一方で中部の山岳地帯では、その時期になると「3号」と呼ばれる流動点がマイナス20度以下のタイプを販売。また日本の中でもとくに気温が下がる北海道では1月から3月にかけて流動点がマイナス30度以下になる「特3号」と呼ばれるタイプが販売されます。
軽油が凍る理由は、潤滑などの目的で軽油に含まれるパラフィン(ワックス)が温度低下により結晶化し、それらが結びついて流動性を妨げるからです。氷のようにカチカチに凍るというよりは、シャーベット状態をイメージするといいでしょう。
そうなると燃料フィルターやインジェクター、燃料パイプ内を軽油が流れにくくなるためエンジンがかからなくなるのです。
もし軽油が凍った場合は、一般的には外気温が上がって溶けるのを待つしかありません。
急いでいる場合は、ヒーターなどで温めて処置する方法があります。しかし、慣れていない人が作業するとトラブルを招く可能性があるので、自分ではおこなわず、ロードサービスを手配すると良いでしょう。
軽油が凍るのを防ぐ対策は、寒冷地に着いてから給油することです。
たとえばマツダ「CX-5」の取扱い説明書を見ると「寒冷地域に移動するときは、現地に着くまでに燃料の残量が1/2以下になるようにしておき、到着後はできるだけ早く寒冷地用の燃料を補給してください」と記載されています。
具体的にいえば、スキー場やホテルなど長時間クルマを留める場所の近くに到着したところで給油するのがおすすめ。長時間のエンジン停止さえしなければ凍る心配はなく、移動中に休憩や食事をとるためのエンジン停止程度は気にしなくて大丈夫です。
凍結対策だけを考えれば寒冷地で給油する前にできるだけタンク内の燃料を減らしておきたいところですが、一方で寒冷地では雪による立ち往生などのアクシデント(軽油の凍結よりも命に関わる)の可能性もあります。そのリスクを考え、あまりにもタンク内の軽油を減らすのは避けましょう。
また、しっかり計画を立てたいのがフェリーで北海道に移動する状況です。
ディーゼルエンジン搭載車である三菱「デリカD:5」の取扱説明書には「フェリーを利用して寒冷地域に移動するときは、移動後すぐに寒冷地用の燃料を補給できるよう、乗船前の燃料の残量を1/2以下にしておいてください」と書かれています。出かける前には満タンにせず、タンク内の燃料を少なめにしておくと良いでしょう。
ちなみにデリカD:5など三菱のディーゼル車の寒冷地仕様には極寒時に燃料フィルター内部の軽油を暖めて始動性を確保する「フューエルラインヒーター」が組み込まれています。
極寒地域に住むユーザーや極寒地域とそうではない地域を往来することが多いユーザーはそういった車種を選ぶのもひとつの手といえます。
ちなみに、燃料が凍るのは軽油を使用するディーゼルエンジン搭載車の現象であり、ガソリンの凝固点はマイナス90度よりも低いので凍結することはありません。
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