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日本車の人気がピンチ!? 油断していられないかも! アジアでジワジワと中国ブランドが勢力を増している要因とは

くるまのニュース / 2023年1月9日 7時30分

「こんなに広いの……?」何が広いかといえば、中国系自動車メーカーがモーターショーで展開するブースの面積です。2022年12月に開催された「タイモーターエクスポ」というモーターショーの会場で、筆者は衝撃を受けました。

■アジアで人気の日本車…その背後には中国車が!

 日本車といえば、世界でそれなりにブランドを確立しており、とくに東南アジアではその傾向が強いといいます。
 
 しかし最近ではそれを脅かすかもしれないある国のブランドが勢力を増しているようです。

「こんなに広いの……?」

 何が広いかといえば、中国系自動車メーカーがモーターショーで展開するブースの面積です。

 2022年12月に開催された「タイモーターエクスポ」というモーターショーの会場で、筆者は衝撃を受けました。

 タイモーターエクスポはタイの首都バンコク近郊で開催される大きなモーターショー。

 タイは東南アジア最大の自動車生産国であり、このイベントには現地で展開する自動車メーカーやインポーターの多くが出展します。

 そしてタイは、街を走るクルマのほとんどが日本車という日本車天国。

 かつてより減ったとはいえ、現地の日本車率は9割以上でこれは東京都23区よりも高いほどです。

 首都バンコクから離れれば離れるほど、日本車率は高まっていきます。

 なかでも乗用車において最大のシェアを占めるのがトヨタです(ピックアップトラックはいすゞがトップシェア)。

 そんな状況だけに、モーターショーの会場内でもっとも広いブースを構えるのはもちろん日本メーカーのトヨタです。

 日本メーカーとしては、ホンダや三菱、日産、いすゞなどがそこに続きます。

 しかし、2022年のタイモーターエクスポを訪れで驚いたのは、中国メーカーの2つのブランドが、ナンバーワンであるトヨタと同じ広さのブースを構えていたことです。

 つまり、ブースの広さで最大となるブランドが3つあり、そのうち2つが中国の会社。

 当然ながら、その2つの中国ブランドは日産やホンダ、三菱などよりも広いブースを構えていました。

 これまで具体的にいえばコロナ禍になる2020年まではそんな状況ではありませんでした。

 ブースの広さは、日本メーカー、そして現地でも人気がある「メルセデス・ベンツ」と「BMW」がトヨタに続いていたのです。

 つまり、わずかここ数年でタイにおける中国車の勢いが増したということ。

 ひとりの日本人としては非常に残念ですが、コロナが明けてみれば時代が変わってしまったことを実感せざるを得ませんでした。

 タイモーターエクスポで、トヨタと同じブース面積を展開するブランドは「BYD」と「GWM」です。

■「BYD」と「GWM」とはどんなブランドなのか?

 BYDは、昨今は日本でも耳にすることが多いブランド。

 2023年に日本へ参入することを表明し、着々と準備を進めています。タイ市場には一足先に参入しているのです。

 もうひとつのGWMは「グレート・ウォール・モーター」の略で、漢字表記だと「長城汽車」。

 長城とはもちろん、中国の偉大な建造物である万里の長城のこと。

 もともとは軍用も含めたトラックなどを生産していましたが、その後SUVなどで乗用車マーケットへ参入。

 さらに昨今は背の低いハッチバックなどもラインナップに加えて勢力を拡大しています。

 いずれも海外進出に積極的なブランドであり、タイでは現地に工場を設けて現地生産をおこないます。

 また、EVを中心とした戦略を掲げているのも特徴でしょう。

 さらに驚いたのは、その2つのブランドは単にブースが広いだけでなく、来場者からもそれなりの注目を集めていたことです。

 筆者はタイのモーターショーへ頻繁に取材にいきますが、中国車はタイのモーターショーで広いブースを構え、注目を集めるなんて数年前には想像もできませんでした。

 現地に駐在する日本メーカー関係者は「彼らは予算が豊富だから、タイでのプロモーションも相当派手にやっている。本気を感じるし、正直脅威だ」といいます。

日本にも導入予定のBYD「SEAL」が展示されていた日本にも導入予定のBYD「SEAL」が展示されていた

 一方でタイの消費者の受け止め方はどうでしょうか。

 現地に長く住む日本人に尋ねたところ次のように現地の感覚を教えてくれました。

「かつては日本の製品に対する信頼と憧れがあり、いっぽうで中国製品は『信頼できない』と考えるタイの人が多かった。

 今でもある程度以上の年代の人はそう考えている。

 いっぽうで昨今は若い人を中心に中国製品に対するイメージが向上し、彼らの中には『スマホだって中国製なんだからクルマも中国の会社のものでいいのでは?むしろ中国製がクール』と考える人も増えている」

※ ※ ※

 これまで、東南アジアの多くの国はタイ同様に日本車天国でした。

 しかし、それもどんどん変わってしまうかもしれない。コロナ後のタイモーターエクスポで見た風景は、そう感じさせるのに十分な出来事でした。

 コロナが明けてひさびさに出かけたタイでは、バンコクの街でもBYDやGWMに先立って参入していた「MG」(本来は英国ブランドだが現在はエンジニアリングも含めて中国メーカーの傘下)も含め、見かける中国ブランド車がグッと増えていたのも実感。

 性能や信頼性が向上し、値段は日本車よりも安い中国車は今後、日本車を脅かす存在となる日が来るかもしれません。

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