トヨタの人気ミニバン「アルファード」最高級版はなぜ高い!? 400万円以上安いベースグレードとの違いとは
くるまのニュース / 2023年1月15日 14時10分
「アルファード」はトヨタの最高級ミニバンですが、最上級グレードとベースグレードの販売価格には、400万円以上の差額があります。何が違うのでしょうか。
■高級車「アルファード」は350万円台から買える!?
トヨタの3列シートミニバン「アルファード」は、政財界や芸能人などのVIPたちにも愛用される高級ミニバンとして知られる人気モデル。
最高級グレードは消費税込みで775万2000円ですが、ベースグレードなら359万7000円から購入できます。400万円以上もの差は一体どこにあるのでしょうか。
アルファードは、2002年に初代モデルが誕生。現行型は2015年1月に登場した3代目です。
2.5リッター 直列4気筒エンジン車に加え、3.5リッター V型6気筒エンジン車、そして2.5リッターハイブリッド車が用意されます。
そのうちハイブリッド車は4WD(E-Four)専用ですが、2.5リッター車と3.5リッター車はFFと4WDがあります。
そのうえで、装備や仕様が異なる多彩なグレードラインナップも揃うことと相まって、前出の通り400万円以上の価格差が生じる大きな要因となっています。
2023年1月上旬現在、トヨタのカタログ上で確認できるアルファードのグレード数は、全部で14タイプ。
そのうち2.5リッター車で4タイプ、3.5リッター車で4タイプ、ハイブリッドで6タイプあります。
加えてガソリン車は2WDと4WDの違いがあり、同グレード内で7人乗りと8人乗り仕様が選べるものもあるうえ、さらにサイドリフトアップチルトシート装着の福祉車両も用意されるため、カタログの一覧表の中から好みの1台を選ぶだけでも大変です。
ただし外装上の違いは標準ボディと、控えめなエアロパーツを備えたエアロボディという2タイプに分類できます。
そんななかで最もベーシックな「X」グレードは標準ボディで、2.5リッター車とハイブリッド車に設定されます。359万7000円の最安値モデルは、8人乗り/FF仕様です。
ハイブリッドの場合7人乗り仕様もあり、こちらは465万6000円です。
ちなみにエアロボディの最安値モデルは「S」8人乗り/FF仕様で394万1000円で、同7人乗り仕様なら398万5000円。装備や仕様面だけで見れば、標準ボディのXと近い内容となっています。
一方、最も高いモデルは、エアロボディの「Executive Lounge S(以下、エグゼクティブラウンジS)」です。
ハイブリッド車が775万2000円。3.5リッター車もあり、FF版が742万1000円、4WD版が761万9000円となります。
さらに標準ボディ版「エグゼクティブラウンジ」もあり、価格は726万9000円から759万9000円までです。
最安値のX/Sと、最高額のエグゼクティブラウンジ/エグゼクティブラウンジSの最も大きな違いは、内装にあります。
内外装で細部に加飾される金属や木目調のパネルが豪華になるなどの違いもありますが、それ以上に2列目席(セカンドシート)の仕様が大きく異なるのです。
もっともベーシックな8人乗り仕様は、セカンドシートが3人掛けの「6:4分割チップアップシート」となります。
これに対しまずX/Sの7人乗り仕様には、オットマンを備えた2人掛けの左右独立タイプ「リラックスキャプテンシート」が備わります。
これ単体でみれば十分に贅沢な仕様といえますが、エグゼクティブラウンジ/エグゼクティブラウンジSのセカンドシートは、遥かに豪華な「エグゼクティブラウンジシート」にアップグレードされます。
オットマンやシート操作などは電動化され、左右のアームレストも大型化。シート素材には上質な肌触りを特徴とするプレミアムナッパ本革を採用するなどかけ心地も大幅に向上させ、全てにおいて明確な差別化が図られているのです。
しかし一方で、エアロパーツやホイールなどのカスタマイズパーツでドレスアップすれば、ベースグレードでも過不足はなく、外観上はそこまで大きな違いは感じられないのもまたアルファードのもうひとつの特徴です。
首都圏のトヨタ販売店では、アルファードの顧客について次のように話してくれました。
「最近は若い20代や30代のお客様もアルファードを購入するケースが増えています。
高級感があり見栄えも良いのに、ノア/ヴォクシーの上級グレードと変わらない価格で手に入る2.5リッター車がとくに好まれています」
とはいえ、テールゲートでさりげなく主張する“Executive Lounge”のエンブレムだけが「わかる人にはわかる」外観上の最も大きな違いといえます。
※ ※ ※
アルファードにはかつて、エグゼクティブラウンジ/エグゼクティブラウンジSよりも高価な「ロイヤルラウンジ」というスペシャルモデルがありました。
トヨタのカスタマイズモデルなどを製造するトヨタカスタマイジング&ディベロップメントが手がけたもので、特徴は、4人乗り仕様の超豪華仕様である点にあります。
エグゼクティブラウンジよりも大型な専用VIPシートを後部に2席セット。大型ディスプレイやサウンドシステムのほか、冷蔵庫がつくキャビネットを装備。
さらに前席とのパーテーションを備えた仕様を選ぶこともでき(最終モデルは標準装備化)、最終モデルでの価格は1500万円を超えるものでした。
そんな超高級仕様のアルファード ロイヤルラウンジですが、2019年末に生産を終えてしまいました。復活が期待されるところです。
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