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大型車の「バックします」音声はなぜ流れる? 訪日時に驚く人も存在! 主張する背景、今後は義務化の動きも

くるまのニュース / 2023年1月17日 9時10分

街中を走行する大型車では「バックします、ご注意ください」や「左へ曲がります」といったアナウンスが聞こえてくることがあります。周囲への注意喚起ということはわかりますが、なぜ主張するように鳴るのでしょうか。

■大型車特有のアナウンスの意義は? 実は意味があるアナウンスとは

 日常生活において、バスなどの大型車両が走行中に「左へ曲がります」というアナウンスを聞くことがあります。

 なぜあえて第三者に対して、このようなアナウンスを流しているのでしょうか。

 日常生活において、バスなどの大型車両が「左へ曲がります」や「バックします、ご注意ください」といったアナウンスを流しながら走行している様子を目にすることがあります。

 日本人にとっては聞き慣れたアナウンスかもしれませんが、日本に訪れた外国人は大型車のアナウンスに驚いたという人も少なくないようです。

 このアナウンスは「ボイスアラーム」と呼ばれるもので、音声によって歩行者や自転車で通行している人に対する注意喚起の役割を果たしています。

 では、なぜ日本ではこのようなボイスアラームが流れるのでしょうか。

 大型車両メーカーの担当者は次のように話しています。

「ボイスアラームを採用している理由は安全性向上のためです。

 混雑する街中や、巻き込み事故が発生しやすい交差点内などでは、歩行者や自転車に危険を察知してもらう役割があります」

 右ハンドル車の場合、左後方の死角が大きく、ドライバーから確認しづらい傾向にあります。

 とくに大型車の場合はボディサイズも大きいため、車両の左側を通行する歩行者や自転車は見えにくく、内輪差により巻き込み事故が発生しやすい傾向にあります。

 大型車は死角を完全になくすことや、完璧に周囲を確認することは極めて難しいため、大型車が安全に走行するためには、歩行者や自転車側からの配慮が必要になります。

 そのため、歩行者や自転車に、周囲の大型車の左折を知らせるために「左へ曲がります、ご注意ください」や「バックします、ご注意ください」といったボイスアラームが流されているのです。

 2021年度に全日本トラック協会が公表している「交通事故統計分析結果」によると、大型車の死亡事故件数は2011年から2021年において減少傾向にはあるものの、いずれの年でももっとも多い結果となっています。

 車両の大きさや重量などの影響から事故が発生しやすい大型車ですが、このようなボイスアラームはその事故を少しでも減らすために始まった、日本ならではの対策のひとつといえます。

■大型車のアナウンスが義務化される日は近い? 深夜の音量に配慮する動きも

 大型車のボイスアラームは2023年1月現在、道路交通法や道路運送車両の保安基準などの規定により定められているものではなく、メーカーの任意でアナウンス機能が採用されています。

 しかし、現在はメーカーの任意で装備されているボイスアラームも、今後は搭載が義務化される動きも出てきています。

 後方の様子をモニターで確認できるバックカメラの義務化などと併せて、国土交通省は道路運送車両法に基づく保安基準が2023年1月ごろ改正され、周知期間を置いて適用することを発表しました。

 以前までは音や音質に関する基準はなく、事業者やドライバーの判断で搭載しており、その際、周辺の住宅から騒音の苦情が寄せられる懸念があったのです。

大型トラックやバスの場合、左折時や後退時にアナウンスを流すことで周囲に注意喚起をしている?大型トラックやバスの場合、左折時や後退時にアナウンスを流すことで周囲に注意喚起をしている?

 こうしたなか、スイス・ジュネーブで開かれた自動車の安全や環境基準を審議する国連の会議において日本が主導となって基準案を作り、音量は45から95デシベルで合意されました。

 これを受けて国交省は、バスやトラックにボイスアラームの搭載を義務化することを決定し、国内で適用する装置の基準を議論しています。

 このように任意で始まった大型車のボイスアラームは国際基準で合意され、日本が主導となって世界に広がろうとしています。

 日本国内でトラックやバスなどの大型車への搭載の義務化は近いことが予想されます。

※ ※ ※

 歩行者や自転車など周囲の人への注意喚起として重要な役割を果たしているボイスアラームですが、なかには「トラックのアナウンスうるさい」「狭い路地で『左へ曲がります』が繰り返し…近所の人には迷惑だな」といった声も見られます。

 そのため最近では、騒音対策として夜間走行中に近隣住民に配慮するため、ヘッドライトをつけると、自動的にアナウンス音が小さくなったり、流れないようになったりする特装車もあります。

 ほかにも、運転手の手動でアナウンスをオフに切り替えるなど、さまざまな配慮がされています。

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