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跳ね上げ式ドア装着のトヨタ「86」爆誕!? 注目度MAXな大胆カスタムがスゴすぎる!

くるまのニュース / 2023年1月15日 7時10分

トヨタ初代「86」のドアをシザードアにするという大胆なカスタムに密着しました。どのような工程が難しかったのでしょうか。楽しくも大変だったカスタム苦労話をリポートします。

■86をシザードアにカスタム! ふたつの問題が発生!?

 クルマを自分好みに仕立てる「カスタマイズ」ですが、とくに人気の高いスポーツカーなどは、性能向上のチューニングや、ほかのクルマとの差別化を図るためのドレスアップを施す人も多いものです。
 
 今回は、トヨタの86(初代)の中古車を購入し、自分好みのカスタマイズを施している、埼玉県のYさん(20代男性)の作業過程をレポート。
 
 タイヤ・ホイールの交換やエアロパーツ装着といった比較的やりやすいカスタマイズではなく、ドアを跳ね上げ式にするという大掛かりな工程となりそうです。

 現行モデルの86は、2021年10月に2.4リッターエンジンを搭載した2代目(GR86)へとフルモデルチェンジしましたが、2012年に登場した初代モデルの人気も相変わらず高いとのこと。MTのFRスポーツクーペが中古で手軽に購入できるということで、とくに若い世代のクルマ好きから支持されています。

 数少ないスポーツクーペとあって86に人気が集中するのも事実。86好きの仲間が増えるのは嬉しいけれど、ほかの人とは差別化を図りたいと考える人も多く、Yさんは86好きが集まるイベントに向けて大胆なカスタムで差をつけたいと考えたそうです。

 そんなYさんが今回挑戦するのが、86のドアをシザードアにするというもの。カスタムカーの祭典「オートサロン」などでよく見かけますが、ショップではなく個人所有のクルマとしてはかなり大胆なカスタムです。

 手がけるのは栃木県の整備工場の整備士Tさん。「ショップじゃなくて整備工場でカスタム?」と疑問に思う人がいるかもしれませんが、クルマの構造を理解し修理できる技術を持った整備工場のほうが、きれいに仕上げられることも多いのです。

 今回、Yさんが入手したのは汎用型の「ガルウィングキット」。86の専用設計ではないものの装着可能とのことで購入したといいますが、通常のドアヒンジよりもシザードア用ヒンジは折り返し部分があるためかなり厚みがあり、これをボディにどうフィットさせるかが課題となりそうです。

 まずはシザードア用ヒンジを仮組みするために純正のドアヒンジを取り外します。86に限らず、ドアヒンジはフロントフェンダー内に入り込んでいるため、フロントバンパーやフロントの左右フェンダーも取り外す作業が必要になります。また、ドア側も内側にヒンジが入り込む構造なので、ドアの内張をすべて取り外す作業も加わります。

 今回はカスタムのため仮組みまでは順調でした。汎用品とのことで装着ができるのか確認したところ、ナットの穴なども適合し、組み付けることは可能そうです。

 しかし仮組みしたことで(装着自体は可能ながら)ふたつの問題が発覚。ひとつは厚みのあるヒンジをフェンダー内に収める必要があるため、フェンダーの一部をカットする必要があること。もうひとつは、ドアを跳ね上げた状態でパワーウインドウやドアロック、スピーカーなどの配線を伸ばす必要があり、かつドアを閉めた状態では伸びた配線をどう格納するのかが難しいこと。

 T整備士が懸念しているのは、伸びた配線を開閉時にドアで挟んでしまい、ハーネスを傷めてしまったり、フェンダーまで変形してしまう恐れがあるということです。

 ドアの開閉で配線を傷つけず、断線する危険性を回避するための配線処理をどう仕上げるかが、86のシザードア化の最重要ポイントになりそうです。

■ドア開閉時の配線の取り回しが非常に難しい…

 ヒンジの厚みについては、フェンダー内の一部を形状に合わせてカットし、折り返した部分をハンマーの打刻による手作業での整形作業として、高度な板金処理の技術が必要となります。

 難しいのは、ヒンジの収納スペースがフェンダー内にほとんどないこと。T整備士が確認したところ、シザードア用ヒンジとフェンダー内側の隙間は1mmもないくらいギリギリなのだとか。

跳ね上げ式のシザードアを装着したトヨタ「86」跳ね上げ式のシザードアを装着したトヨタ「86」

 クリアランスを確保するためには、設置するフレームを加工するかヒンジ自体の厚みを減らすしかないため、単純にヒンジ交換だけでなくボディ本体への加工が必要になってしまいます。また構造上のボディ強度の問題なども出てくるため、現状ではギリギリのまま配置することになりました。

 シザードア化でもっとも懸念される、ドアの開口が広がったことで延長加工したドアの配線の格納については、伸ばした配線がドアの開閉時に挟まってしまう可能性や、配線を包むゴム皮膜などもすぐに擦り切れて金属部分と接触し、ショートしてしまう危険性があります。またドア内部に配線が収納されず開閉で挟んで断線しまう可能性もあります。

 こればかりは上手い解決法がすぐには見つからなかったため、配線が接触する部分にパッドを圧着して可能な限り接触部分の擦れを弱める対策を施すことに。この配線の擦れ対策は定期的にチェックすることで、ひとまず装着作業を進めることになりました。

 何度か開閉動作のチェックを繰り返し、配線を挟まないように気を付ける必要はあるものの、見事にカスタムテイスト溢れる86に仕上がりました。

 ちなみにガルウィングキット自体は15万円から20万円程度で購入可能。取り付け工賃は10万円からになりそうとのこと。また工期は、テストや手直しなどを含めて1週間程度かかっています。

※ ※ ※

 T整備士の言葉を借りると「カスタムマイズは純正で取れていたバランスを崩してしまうもの」という意見もあり、保険適応外になるなど自己責任も増えます。その代わり、自分好みに仕上げたときの喜びは大きいでしょう。

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