最も売れたのは日産「シルフィ」なぜ? セダンはオワコンじゃない!? 3年連続首位のシルフィ、猛追のBYDから見る中国市場とは
くるまのニュース / 2023年1月23日 19時10分
中国における2022年通年の乗用車販売台数ランキングが発表しました。もっとも売れたのは日産「シルフィ」となりましたが、どのような特徴があるのでしょうか。
中国における乗用車販売台数を毎月細かなデータでリリースしているウェブサイト「乗用車銷量査詢」は2023年1月15日、2022年通年の乗用車販売台数ランキングを発表しました。
中国の乗用車販売台数データは複数の団体がリリースしており、それぞれ独自の統計方式を採用しているため、団体間で微妙な台数の差異が見られます。
なかでも、もっとも主流のデータは1987年に設立された「中国汽車工業協会(以下、CAAM)」がリリースするもので、こちらは乗用車のみならず、商用車の販売データも網羅しています。
また、140余の自動車メーカーによって構成される業界団体「中国乗用車協会(中国語:乗用車市場信息連席会。以下、CPCA)」も乗用車販売台数のデータを毎月リリースしています。
CPCAはCAAMと比べて、新エネルギー車関連の統計データに強いという特徴を持ちます。
ただ、どちらも車種別ランキングを見ると、同じ車種でもEVとPHEVがあるものに関しては両モデルを合算してランキングに載せています。これでは同一車種のEVとPHEVがそれぞれ何台販売されたかがわからない状況となります。
一方で、別の団体「中国汽車技術研究中心(以下、CATARC)」は自動車保険への加入台数ベースでのデータを公開しており、こちらは同一車種のEVとPHEVをわけてランキングに表示しています。
今回はこちらのデータに基づいた中国乗用車販売台数ランキングを紹介します。
ランキングを見てみると、堂々一位は41万5440台を販売した日産のコンパクトセダン「シルフィ」となっています。
現行モデルは4代目となるシルフィは2019年の上海モーターショーで発表されました。
4代目発表後も日本では3代目だけが2021年まで販売されのちに販売終了となったセダンですが、中国やアメリカなどの市場では大人気の車種となっています。
また、中国では現行モデルのシルフィに加え、2021年に販売を開始した「シルフィ e-POWER」、先代モデルの「シルフィ クラシック」、そしてそれをベースにした「シルフィ EV」が一緒に販売されています。
日本ではあまり例がありませんが、中国では先代モデルや、それをベースとした電気自動車を現行モデルとして正規ディーラーで併売する形式は珍しくありません。
2021年にフルモデルチェンジを迎えたエクストレイルも、最新の4代目が3代目と併売されています。
データによれば、2022年におけるシルフィの販売台数は2021年と比較し、マイナス18.17%となっています。
ほとんど日本で売れていなかったことからすれば41万台を販売しただけでもすごいかもしれませんが、確かに2021年は50万7713台を販売しており、販売台数が約9万台も少なくなった計算になります。
2位は40万9846台を販売した上汽通用五菱「宏光 MINIEV」です。
登場初期は「45万円EV」としても話題になりましたが、販売価格の値上げもあり、現在は3万2800元(邦貨換算:62万1000円)となっています。
それでも依然として人気ですが、あまりの人気で納車に時間がかかり、後発の類似車種も同様に販売台数を伸ばしている状況となっています。
■人気高まるBYDや根強い人気のトヨタ…2023年はどうなる?
また、2022年はBYD各車種の成長が顕著でした。
2021年まではBYDの車種がトップ10に入ることがなく、トップ20に1車種入る程度にとどまっていました。
それが2022年では4位に33万1029台のセダン「秦」、そして6位に27万3800台のSUV「宋PLUS DM-i」が入り込み、目覚ましい記録を残しました。
とくに、秦に関しては2021年では17万1331台で17位に位置しており、販売台数を約2倍にまで伸ばしたことになります。
ちなみに宋PLUSはプラグインハイブリッド(PHEV)以外にも純電動の「宋PLUS EV」が販売されており、こちらは5万5632台を記録しました。
宋PLUSは総合して32万9432台を販売し、そのうちPHEVモデルが83%を占める計算になります。
トップ10入りは果たせなかったものの、BYDのフラッグシップセダン「漢」も22万631台を販売し12位に位置。
また、日本販売が決定している「ドルフィン(中国名:海豚)」も18万2557台で17位となっています。
日本でも発売が予定されているBYD「DOLPHIN(ドルフィン)」
それ以外の車種に関しては、基本的にいつもの常連車種となります。
Cセグメントではフォルクスワーゲン「ラヴィダ」にトヨタ「カローラ」とその姉妹車の「レビン」など、そしてDセグメントではホンダ「アコード」やトヨタ「カムリ」と、これらの車種は例年トップ10入り、もしくはそれに迫る販売台数を記録しています。
とくに、カローラにおいては第一汽車との合弁「一汽トヨタ」が生産・販売する「カローラ」と、広州汽車との合弁「広汽トヨタ」が生産・販売する「レビン」の2車種に分かれています。
これらの販売台数を合算すると45万9653台となり、シルフィを超えるベストセラー車種になる計算です。
2023年もさらに多くの車種が登場を控えています。
乱立する中国メーカーは続々と新車種を投入し、電気自動車のみならず、ハイブリッド車の領域でも日本勢やドイツ勢は激戦を強いられることでしょう。
ですが、新車種を投入するのはほかも同様です。
販売台数を落としたシルフィも2023年3月にマイナーチェンジを控えており、4年ほど継続したデザインに別れを告げます。刷新されたデザインによって人気は再燃することでしょう。
1位に迫る勢いで猛追する宏光 MINIEVがシルフィを追い抜くのか、それとも王座をシルフィが守り抜くのか。
はたまた、BYDやその他メーカーの車種が頭角を現すのか、中国の乗用車市場からは目が離せません。
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