知らずに通るとうっかり違反!? バスレーンの「優先」「専用」何が違う? 一般車も走って良い?
くるまのニュース / 2023年2月1日 14時10分
「バス優先レーン」と「バス専用レーン」を見かけることがありますが、これらのバスレーンを一般車が走行しても良いのでしょうか。優先と専用の違いはどのようなことなのでしょうか。
■公共交通機関の「路線バス」も優先すべき対象
複数車線のある幹線道路で「バス優先レーン」や「バス専用レーン」を見かけることがあります。いわゆる路線バスがメインに走るレーンのことですが、その多くが一番左側の車線に設けられています。
バス優先レーンやバス専用レーンを一般車が走行しても良いのでしょうか。
一般道では優先される車両がいくつか存在し、パトカーや救急車、消防車などのいわゆる緊急車両が、赤色灯を点灯させサイレンを鳴らして緊急走行しているときには道を譲る必要があります。
そして、意外なことに路線バスにも優先事項があるのですが、それでもときどきバス優先レーンやバス専用レーンにも関わらず走行を続けていたり、駐停車しているクルマも存在。
結論からいえば交通違反(取り締まり)の対象になりうるのです。
路線バスの通行に関しては、道路交通法の第20条にある「車両通行帯」と「路線バス等優先通行帯」が該当します。
要約すると「複数車線がある場合は、1番左側を走行するのが原則」「しかし、車両通行帯が設けられている場合は、該当する通行帯を走行」というのが「通行帯」に関する法的な基本設定です。
これに加わるのが第20条の2に記載される「路線バス等優先通行帯」の記述で、「路線定期運行される車両(路線バス)」の優先が(標識などで)表示されている通行帯では、路線バスに道を譲れないような道路状況では走行してはいけない(ただし、自転車を含む小型特殊自動車などは除く)」というもの。
つまり「バスレーン」の表示がある通行帯(車線)は、やむを得ない状況以外では一般車両の連続走行はNGということのようです。
この「路線バス等優先通行帯」への取り締まりが強化されつつあり、実際に警視庁がバスレーンを確保するために通行帯違反や駐停車違反の取り締まりを強化する「バスレーン・キープ作戦」と呼ぶキャンペーンを実施しているほど。
「マイカー通勤から公共交通機関(路線バス)の利用を促進して交通総量の削減を図る」という大義の前では、従わざるをえない状況のようです。
バス優先レーンやバス専用レーンを通行していて「通行帯違反」で取り締られた場合、違反点数1点と反則金6000円(大型は7000円)が科せられます。
■「優先レーン」と「専用レーン」何が違う?
総称して「バスレーン」と呼ばれる通行帯には「バス優先レーン」と「バス専用レーン」がありますが、この違いも把握しておきたいところです。
まずバス優先レーンですが、これはその名の通り「路線バスが優先される」通行帯です。
一般車両の走行自体は可能ですが、後方から路線バスが接近してきている場合には速やかにほかの通行帯へ車線変更する必要があります。また混雑や渋滞などで速やかな車線変更が難しい道路状況では、走行そのものがNGと解釈されるケースもありそうです。
バス専用レーンの時間帯が決められていることがある
一方で、バス専用レーンは路線バス専用の通行帯で、一般車両の走行はNGとなっています。道路標識や道路表示で「専用」の表記がされているので違いは分かりやすいかもしれません。
では、このバス優先レーンやバス専用レーンを走行している一般車両はすべて交通違反になるのかということについては、救済措置もあります。それが先述した「やむを得ない状況は除く」という部分です。
たとえ専用レーンであっても左折や後方からの緊急車両に道を譲る場合などは取り締まりの対象には該当しません。また排気量50cc以下のスクーターや小型特殊自動車などは常時走行しても大丈夫なようです。
なお、左折時はバス優先レーンやバス専用レーンでも走行可能ですが、ほかの車線(通行帯)が渋滞しているなどの理由で走行していると取り締まりの対象となることもあり、交差点で左折するなどの事情がある場合以外は、できるだけ走行しないほうが良いでしょう。
※ ※ ※
バス優先レーンや専用レーン以外にも路線バスに関する優先事項があります。それは、片側1車線の道路で、目の前の停留所から路線バスが発進しようとしている場合、一般車は路線バスを先行させる(道を譲る)べきか、それとも加速して追い越すべきかという問題です。
道路交通法第31条の2では「(乗客の乗降で)停留所に停車している乗合自動車(路線バス)が、発進のために手または方向指示器(ウインカー)で合図をした場合は、急ブレーキや急ハンドルにならない限りは進路を妨げてはいけない」と記載されています。
つまり、バスがウインカーを出して発進の合図をしているのに強引に追い越すのは交通違反になるということ。「乗合自動車等発進妨害」に該当し、違反点数1点と反則金6000円(大型は7000円)の罰則が科せられる場合があります。
路線バスはボディが大きく多くの乗客が乗車していることから、発進も鈍く感じることもあります。
路線バスは緊急車両ではありませんが、道路上では一般車両より優先される存在です。そのために優先レーンや専用レーンが設置されることもあり、一般ドライバーは路線バスの進行の妨げにならないような運転を心がけましょう。
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