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ガソリンにもある「夏物」「冬物」どう違う? 季節外れの燃料で走っても問題ない?

くるまのニュース / 2023年1月29日 9時10分

ガソリンには、夏用と冬用が存在しますが、違いは何なのでしょうか。また、季節外れのガソリンで走って問題ないのでしょうか。

■規格で蒸気圧の上限値が決まっている

 クルマに給油する際、ガソリンの値段を気にする人は多いでしょう。一方で「ガソリン自体」について気にする人は、あまりいないのではないでしょうか。

 実は、同じガソリンでも夏と冬で違いがあるのです。

 ガソリンの夏用と冬用の違いは「蒸気圧」です。

 蒸気圧とは、ガソリンの揮発性を示す指標であり、蒸気圧の値が大きいほどガソリンは蒸発しやすくなります。

 この蒸気圧の規定値が、夏用と冬用でそれぞれ次のように規定されています。

・夏:上限値65kPa
・冬:上限値93kPa

 これは日本産業規格(JIS)で定められた数値であり、製油会社はこの規格に沿ってガソリンを生産しています。

 夏と冬でガソリンの蒸気圧を変える理由は、気温の違いにあります。ガソリンが蒸発を始める温度はマイナス40度ですが、日本でマイナス40度を下回ることはほぼありません。

 とはいえ、気温の変化によってガソリンの揮発性が変わるのは事実です。そのため、夏と冬どちらもエンジンが問題なく動くように、夏と冬で蒸気圧の違うガソリンを販売しています。

 例えば、蒸気圧の高い冬用ガソリンを夏に使用すると、ベーパーロック現象が発生する可能性があります。

 ベーパーロック現象とは、液体燃料が気化しすぎたことで燃料パイプに気泡がたまり、パイプ内の流れを妨げる現象です。ベーパーロック現象が発生すると、ガソリンの供給が妨げられてアイドリング不調や加速不良を引き起こす可能性があります。

 そのほかにも、大気中へ排出される揮発性ガスが増加するなどの問題があります。

 また、蒸気圧の低い夏用ガソリンを冬に使用すると、ガソリンが蒸発しにくく始動性が悪くなってしまう可能性があるでしょう。

 夏用と冬用のガソリンは、いつ頃切り替わるのだろうと疑問に思う人もいるのではないでしょうか。実は、そのタイミングは明確に決まっているわけではありません。地域やガソリンスタンドによって切り替えのタイミングは異なります。

 多くのガソリンスタンドでは、一般的に次のタイミングでそれぞれ切り替わることが多いようです。

・夏用→冬用:10月頃
・冬用→夏用:5月頃

 では、クルマを使う頻度が少ないなどで、夏用を冬に、冬用を夏になど、違う季節のガソリンを使用しても大丈夫なのでしょうか。

■「季節外れのガソリン」は問題ない?

 結論からいうと、夏用と冬用のガソリンの違いをドライバーが気にする必要は、基本的にはありません。ベーパーロック現象が発生したり、始動性が悪くなったりといった可能性はありますが、エンジンが動かなくなるといった大きな問題は発生しないでしょう。

 普段からクルマに乗る人は、それぞれの季節に合ったガソリンに自然と入れ替わります。夏から乗っておらず、冬になってクルマを運転することになった場合や、その逆の場合でも、ある程度運転して給油すれば大きな問題はありません。

軽油はガソリンより注意が必要軽油はガソリンより注意が必要

 また、普段の地元で運転する分には問題ありませんが、次のような場合は途中で給油すると安心です。

・真冬の寒冷地で給油したガソリンで、真夏に温暖地へ行く
・真夏の温暖地で給油したガソリンで、真冬の寒冷地へ行く

 ちなみにクルマの燃料として、ガソリンのほかに「軽油」も広く使われていますが、軽油の場合は注意が必要です。軽油には厳寒地仕様があり、厳寒地へ行く場合は必ず現地で給油しましょう。

 というのも、軽油は低温に弱いため、気温が低くなると着火しにくく、氷点下の環境などでは固まってしまう恐れがあるからです。厳寒地に行く場合はガソリンと違い必ず現地で厳寒地向けの軽油を給油するようにしましょう。

※ ※ ※

 ガソリンは、夏と冬で蒸気圧の数値が調整されています。夏は蒸発しにくく冬は蒸発しやすくすることで、エンジンがスムーズに動くようになっているのです。

 普段からクルマを利用する人は、ガソリンの夏用・冬用を意識する必要はありません。ガソリンスタンドでは季節ごとにガソリンを入れ替えているため、普段の給油で入れ替わります。

 しかし、夏に入れたガソリンで真冬の寒冷地に行く、冬に入れたガソリンで真夏の温暖地に行くなど、気温差が激しい地域に行く場合は途中でガソリンを給油しましょう。

 また、ディーゼルエンジンで使用する軽油は低温に弱く、固まってしまいエンジンがかからなくなってしまう恐れもあるため、厳寒地へ行く場合は必ず現地で給油しましょう。

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