次期「GT-R」や「シルビア」は? 日産のアライアンスに新展開! ワクワクするクルマは日本で登場する?
くるまのニュース / 2023年2月9日 6時10分
ルノー・日産・三菱自動車の3社は新たな取り組みを発表しました。そのなかで日産の国内モデルへはどのような影響があるのでしょうか。
■日産の国内モデルへの影響は?
ついに、日産とルノーとの“話し合い”が決着しました。2023年2月6日に開かれたルノー・日産・三菱自動車の共同記者会見で、3社のアライアンス(提携関係)が新たなステージに入ったことが明らかになったのです。
本稿では、株式に関するリバランスなど、法的な解釈に詳しく触れるのではなく、ユーザー目線で、これからの日産車の可能性について考えてみたいと思います。
まず、日本のユーザーがもっとも気になるのは、当然のことですが日本市場についてでしょう。この点について、今回の会見では具体的な話はまったく出ませんでした。
2020年5月に発表した事業構造改革計画「Nissan NEXT」では、「An A to Z of exciting new models」と称して、EVの「アリア」からスポーツカーの「フェアレディZ」まで、日本市場でも多様なラインアップが続々と登場することを示唆し、当時はユーザーの間で「ついに、日産が本気になった」と大きな話題になったものです。
実際、「Nissan NEXT」で目指した各種の新型モデルは量産されました。なかでも日本市場での注目は軽EV「サクラ」でしょう。兄弟車である三菱「eKクロスEV」とともに2022-2023日本・カー・オブ・ザ・イヤーを獲得し、現在の販売実績は好調です。
今回の会見でも、日本のユーザーとしては「Nissan NEXT」の次に登場するワクワクするクルマの青写真が知りたいと思ったのではないでしょうか。
すでに、「Nissan Ambition 2030」では、そうした近未来の日産車に対するイメージは提示されてきましたから、例えばEV版「GT-R」やEV版「シルビア」、そしてEV版「セレナ」などの具体的なモデル開発の可能性に期待していたことでしょう。
しかし、今回の会見で紹介された新しい3プロジェクトは、地域別としてはラテンアメリカ、インド、欧州に限定されていました。しかし、海外プロジェクトが近い将来、日本市場に対して何らかの影響を与えることも考えられることから、3つの海外プロジェクトを日本ユーザー目線で見てみたいと思います。
まず、ラテンアメリカです。これは中米および南米を指します。
中米については、メキシコの日産工場でルノー向けの新型車を生産します。メキシコ向けに限定し、隣国アメリカへの輸出は考慮しません。
また、アルゼンチンではルノーが開発する0.5トンピックアップトラックを日産が供給。また、すでに協業している1トンピックアップトラックの日産「フロンティア」とルノー「アラスカン」などは継続します。
ここまで、日本市場にフィードバックされるモデルはなさそうです。
一方、CMF-AEV(コモン・モジュール・ファミリー)を使う、Aセグメントの電気自動車2モデルを導入すると言います。これは、日本ユーザーにとっては気になる話でしょう。
■2026年以降に新型EVが日本で発売される可能性も
次はインドです。近年、市場が急拡大し、ついに市場規模が日本を抜いて中国、アメリカに次ぐ世界第3位となりました。ここでは、SUVシフトなど市場のトレンドを踏まえて、ルノーと日産は新型モデルの導入を検討すると言います。
インドは輸出拠点でもあるため、インドから日本に直接輸出はないにしろ、日本市場も視野に入れたグローバルSUVの日本仕様が登場する可能性も否定できないのではないでしょうか。
日産の最小SUV「マグナイト」
すでに、インド市場を基盤とした小型グローバルSUV「マグナイト」がありますが、ルノーと日産の協業SUVモデルの多様化によって、そのなかから日本国内生産モデルが誕生するかもしれません。
このほか、インドでもラテンアメリカ同様にAセグメントEVの導入を検討します。
欧州については、やはり「(実質的に)欧州域内は販売される乗用車と小型商用車は2035年までに、EVまたはFCV(燃料電池車)100%」という規制対応で、EVシフトへの対応が急務となります。
そのうえで、欧州では2026年に生産予定のCMF-BEVプラットフォームをベースとした日産BセグメントEVのプロジェクトを推進するとしています。つまり、日本でいうコンパクトカーである「ノート」や「オーラ」級の新型EVが2026年以降、日本に登場する可能性があるということです。
さらに注目されるのが、2026年以降の導入をルノーと日産で模索するという、新型CセグメントEVでしょう。
日本市場では「リーフ」クラスということになりますが、これが次世代リーフなのか、それとも別モデルなのか、そしてセダンやSUV、クーペなど多モデル化はどうなるのか、日本のユーザーはとても気になるモデルになりそうです。
技術的には、800V対応という点も気になります。日本では現在、EV用の対応電圧は法規制によって最大450Vとなっており、これによって急速充電器の最大出力が事実上、抑制されています。
日産としては欧州での800V化を世界戦略車として位置付け、日本でも800V化に向けた動きを日本自動車工業会とともに推進する意向を示し、国との協議に望んでいく図式になるのかもしれません。
※ ※ ※
今後、日産からは「Nissan NEXT」の次のステージとなる、日産独自の中期経営計画として、日本市場向けの新型モデルの可能性について詳しい説明があるでしょう。
EVシフトと「e-POWER」の高度化など、日産の電動化やクルマ造りが日本で今後どのように進むのかが注目されます。
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