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大雪でクルマが埋もれた! 降雪前に準備が必要!? 雪まみれのクルマを救出する方法は?

くるまのニュース / 2023年2月11日 7時10分

強烈な寒波が襲来し、各地で大雪となることが多くなっています。雪が降って駐車場に停めたクルマが埋もれてしまったとき、どのようにして救出したら良いのでしょうか。

■雪対策は降る前から始まっている!

 日本各地で記録的な大雪となり、大規模なクルマの立ち往生が発生するなど雪害が多発しています。
 
 一晩で大量の雪が降り、駐車場に置いてあったクルマが雪ですっぽり埋もれてしまって救出するのに苦労したという人もいるでしょう。

 クルマが雪に埋もれてしまったとき、どのようにして脱出させるのが良いのでしょうか。また、どんな道具を用意しておくべきか、長野県のスキー場に勤務するパトロール隊員I氏に聞いてみました。

 I氏によると、雪が降る前から準備は始まっているとのこと。路面の凍結などでクルマが滑らないように、なるべく平坦な場所に駐車するように心がけてほしいといいます。

「雪に囲まれてしまう状況では路面が凍結しているため、救出後にクルマを発進させることが難しくなります。そのため、できる限り平坦な場所に駐車するように意識しておくといいと思います。

 あとは雪が積もる前に車内に積んでいたスコップやショベルを車外に持ち出しておく必要があります。

 クルマが雪に埋もれている場合、そこにたどり着くまでに大量の雪があるわけで、いくら車内にスコップがあってもそれでは意味がありません」(スキー場のパトロール隊員 I氏)

 スコップやショベルは、非金属かつ樹脂製(プラスチック)ではないものを選ぶのが良いそうです。金属系や樹脂製は硬く、雪を降ろすときにボディを傷つけてしまう恐れがあるため、できればシリコン製を選んでほしいといいます。

 ワイパーに関しても降雪前に対策しておきたいことがあります。

「雪対策としてワイパーを立てておくという対策がよく聞かれますが、これもできるなら立てておきたいところです。ウインドウとワイパーゴムの間が凍って固着してしまい、無理に動かすとゴムがちぎれて使えなくなる可能性があるからです。

 ワイパーがボンネットと重なっていてうまく立てられないものを『コンシールドワイパー』と呼びますが、この場合は「サービスポジション」や「ライズアップ機能」といった、ワイパーを立てられる位置へと動かせるモードを備えていることがあります。

 または、アーム部分に何かを挟んでワイパーゴム部分をウインドウから浮かせておくのも良いでしょう」(スキー場のパトロール隊員 I氏)

■クルマの雪かきで忘れがちな部分とは?

 それでは、愛車が雪に埋もれた状態の場合はどう対処すべきなのでしょうか。

「まずはクルマ周辺の雪をスコップやショベルである程度丁寧に取り除く必要があります。進行方向やタイヤの周辺、そしてマフラーのある辺り、とくにタイヤ周辺は駆動方式によっては空転しやすいので、雪面を丁寧にならすことが重要です。

 それでも発進できない場合には、何かタイヤと路面の間に挟むこともありますので、なおさら丁寧に除雪してください」(スキー場のパトロール隊員 I氏)

スノーブラシで雪おろしスノーブラシで雪おろし

「マフラー周辺も、排ガスが留まらないようにスペースを作る必要があります。車内に排ガスが充満して一酸化炭素中毒にならないよう、車両後方はもちろん、下回りもできればある程度は除雪しておくと良いでしょう」(スキー場のパトロール隊員 I氏)

 クルマ周辺の雪を取り除いた次にすべきは、クルマの上に載っている雪の除去。積もった雪の量次第ではかなり重くなるため、一度に落とそうとせずに複数回に分けて除雪するのが良いといいます。

「いきなりスコップを使うと、たとえ樹脂製のものであってもボディに近い部分の雪を落とすときに傷つけてしまうこともあります。複数回に分けて少しずつ取り除くようにするのが良いでしょう。

 ワイパーアームも気をつけて取り扱いたい部分です。ボディと違ってワイパーアームは強度がないので、無理して稼働させてワイパーで除雪しようとすると、雪の重みでヒューズが飛んでしまったり、リンケージの破損やプラスチック製のボールジョイント部分が外れたり壊れたりすることもあります。ワイパーに頼らず、ウインドウ周辺は丁寧に除雪してほしいです」(スキー場のパトロール隊員 I氏)

 そんなI氏が愛用しているのが、先端のブレード部分がシリコンになっているスクレイパー。ある程度上部の雪を取り除いたあとに、このスクレイパーに持ち替えて、ほとんどの雪を落としてから走るように心がけているそうです。

 もうひとつ、I氏が指摘するポイントがあります。それがホイールハウスの内側の雪。ここを忘れる人が多いようです。

 クルマに積もった雪をキレイに落とし、いざドアを開けようとしても開かないことがあります。そんなときはどうしたら良いのでしょうか。

「ドアが開かない場合は、ウェザーストリップなどが寒さで固着している可能性があります。無理にこじ開けるとゴムがちぎれるだけでなく、ドアハンドルを壊してしまうこともあります。クルマを傷めないように、少し時間をかけて、固着している部分が溶けるまで待つのが良いでしょう」(スキー場のパトロール隊員 I氏)

 ちなみに、凍結部分にお湯をかけるという荒技を試す人もいるようですが、そもそも氷点下の屋外では、お湯もすぐに冷めて、さらに凍結してしまう可能性があるのでやらないほうが良いとI氏は教えてくれました。

 また環境問題の観点から、停車したままエンジンをかけて暖機する、いわゆる「アイドリング」は良くないといわれますが、雪に囲まれてしまった場合はこの暖機が重要になってくるそうです。

「雪がたくさん付着したまま、いきなりアクセルを踏んで発進するほうがクルマには良くありません。エンジンが温まることで固着した雪が溶けることも考えると、むしろ多少の暖気をしたほうがクルマへの負担が減りますし、冷え切った車内も暖かくなると思います。

 暖機中は、エアコン(ヒーター)をデフロスターに切り替えて使用すると、より早くウインドウのくもりや雪を除去しやすくなるでしょう」(スキー場のパトロール隊員 I氏)

※ ※ ※

 カー用品店スタッフにも話を聞いてみたところ、スコップやショベル、雪かき専用の「スノーブラシ」などはやはり人気が高い商品とのこと。とくに収縮式は手が届きにくい場所も取り除けるとあって売れ筋になっているそうです。

 さらに傷をできるだけつけたくない人からは、「スノーブラシ」の先端に取り付けるマイクロファイバー製のソフトカバーなども注目商品だそうです。

 ウインドウの氷や雪、霜などを素早く溶かす「氷解スプレー」は便利なのですが、取り扱いには注意が必要なのであまりお勧めではないのだとか。

「氷解スプレーの主成分は、凍結温度の低いエタノールなどのアルコールです。ウインドウだけなら効果も十分ですが、流れてボディに付着してしまうとボディを保護しているコーティング膜まで溶かしてしまう可能性があり、十分に注意しながらご使用いただければと思います」(カー用品店スタッフ)

 雪に埋もれてしまったクルマは、できる限り早く除雪してあげたいものですが、少なくとも固着している状態では、無理矢理はクルマを傷める行為と思っていたほうが良いでしょう。

 また気温が上がってくると、今度は雪が溶け出し、シャーベット状になって道がアイスバーン化しやすくなります。雪が降ったらしばらくの間は運転も慎重におこなう必要がありそうです。

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