車がいきなり燃える!? 「車両火災」はなぜ起きる? 車に置いておくと「燃えやすい」ものは
くるまのニュース / 2023年2月22日 11時10分
しばしば道路上でクルマが燃えてしまう車両火災についてのニュースを耳にします。では一体何が原因で車両火災は起きるのでしょうか。
■クルマがいきなり燃える!? 一体何が原因?
冬は空気が乾燥する日も続きますが、最近では東北道や新東名高速道路などの道路上での車両火災による通行止めが相次いで発生しています。
そもそも、車両火災は何が原因で起きるのでしょうか。
国土交通省が公表しているクルマの不具合による事故や火災情報をまとめた「令和3年事故・火災情報の統計結果について」によると、2021年中の車両火災件数は1070件であり、そのうち車種別の火災情報件数では貨物自動車が384件と、全体の約35.9%を占めています。
次いで乗用車が314件で約29.3%という割合だったことが明らかになっています。
さらに、クルマの装置別の火災情報件数に関しては原動機が183件で約17.1%、次いで電気装置が170件で約15.9%、走行装置が78件で約7.3%という順になっており、エンジンや電気系統、タイヤなどの足回り関係の装置から出火していることが分かります。
具体的にはエンジンオイルが漏れて排気管に付着して火災に発展するケースや、バースト(破裂)したタイヤが発熱することによって周囲へ引火するケースなどが考えられます。
車両火災の原因については、原因が特定できたものの中でクルマの点検・整備に起因するものが202件で全体の約18.9%、外部要因によるものが117件で約10.9%、社外品・後付装置によるものが108件で約10.1%という結果でした。
つまり、日頃からクルマの点検をおこなっていなかったり、メーカーの純正品でない部品を取り付けたことによる整備不良などで火災が起きる可能性があるということです。
実際に車両火災が発生した中には、「バッテリープラスターミナルに後付けされた社外品の配線から出火した」「ヘッドライトの社外品バルブの取付不良により、高温のヘッドライトバルブが周辺樹脂部品に接触し続け出火した」などの事例もあり、社外部品・後付装置を使用する際にはメーカーや整備工場へ確認することが大切といえます。
そのほかクルマの走行距離別に出火装置をまとめた統計では、走行距離が1~1万kmまでのクルマと、1万1km~5万kmまでのクルマについては電気装置から出火する割合が高くなる傾向があるのに対し、5万1km~10万kmと10万1km以上のクルマについては原動機からの出火割合が高くなる傾向があり、走行距離によって火災の原因も変化する可能性があることが分かっています。
前述したように車両火災はクルマの定期点検によって防げるケースもあるため、エンジンオイルなどの油脂類や冷却水の量、タイヤの状態などの日常点検をおこなうほか、自分で点検をする自信がない場合は、ディーラーをはじめ整備工場で点検・整備を受けることが非常に大切といえるでしょう。
またJAFのホームページでは、車両火災の原因として直射日光が当たる場所にライターを放置することや、水が入ったペットボトルを置いておくことも車両火災の原因となる可能性があるとして注意喚起しています。
特にダッシュボードは非常に高温になるためライターが爆発するおそれがあるほか、ペットボトルは凸レンズ効果で光を集めることでシートが燃えてしまう危険性があります。
またトヨタの車両火災に関する資料では、ライターの取扱いについて「フロアに落としたままにしないでください」「グローブボックスなどに入れないでください」と注意を呼びかけています。
このほか「喫煙時はマッチやタバコの火を確実に消すこと」「ガソリンや灯油などの燃料、カセットボンベ、スプレー缶などの危険物を車内に積まないこと」なども注意点として挙げられています。
車両火災は予期せぬタイミングで起こる可能性もあるため、車内にはできるだけ必要最低限のもの以外は置かないようにすることが望ましいでしょう。
※ ※ ※
車両火災はクルマの定期的なメンテナンスが不足している、純正品でない部品を設置するなどの原因で発生することがあります。
冬は乾燥しており火災につながりやすい季節でもあるため、あらためて自分のクルマを点検してみると良いかもしれません。
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