人気の「SUV」からあえて別ジャンルに乗り換え! 何がダメだった? 私たちが「脱SUV」した理由
くるまのニュース / 2023年2月21日 17時10分
いまでは定番となったSUVは、機能性の高さやカッコいいスタイリングが人気を得ており、多くの人に支持されています。そんな人気のSUVですが、あえて別ジャンルのクルマに乗り換えた人も存在。いったい何が理由だったのでしょうか。
■人気のSUVにも弱点がある!?
SUV人気はとどまるところを知らず、トヨタは小・中・大とフルラインナップしたり、マツダはSUV専門のメーカーにでもなるような勢いでモデルを拡充しています。
輸入車勢も多くのメーカーがSUVを投入。スーパーカーメーカーのフェラーリも「プロサングエ」というSUVをデビューさせるなど、すっかり定番ジャンルとなりました。
国産車・輸入車ともに数多くのSUVがラインナップされるなか、「次の愛車はSUVにしたい」という声がもちろん多いのですが、逆にSUVから違うジャンルのクルマに乗り換えた人も決して少なくありません。
いったいどのような理由でSUVを“降りた”のでしょうか。「脱SUV」した人に話を聞いてみました。
ホンダ「CR-V」からフィアット「バルケッタ」と極端に違うクルマに乗り換えたSさんは次のように話します。
「SUVは運転が楽だし快適だし、荷物も積めて便利で気に入ってはいたんですが、どうしても快適すぎちゃって。それで、MTで運転が気持ち良いクルマに買い替えました」
SUVにもスポーティなモデルは存在しますが、それらはポルシェやBMW、ランボルギーニなどで基本的に高額です。
「スポーティなSUVは高額で手が出せないということもあるのですが、そういったモデルは強力なエンジンでSUVの重いボディをグングン加速させるハイパワー系ばかりです。私が求めていたのは軽快感のあるクルマだったので、SUVに選択肢はありませんでした」
3.5リッターと大排気量の日産「ムラーノ」から、小排気量ターボのフォルクスワーゲン「ゴルフヴァリアント」を選んだWさんは、その理由を教えてくれました。
「とにかく燃費です。最新のハイブリッドSUVならだいぶ違うのかもしれませんが、ガソリンエンジンのSUVは燃費があまり良くないです。トヨタ『ランドクルーザープラド』に乗り換えることも検討したのですが、リッター8kmを下回ると聞いてやめました」
気になるのはWさんがステーションワゴンを選んだ理由です。燃費に優れた小ぶりなSUVという選択肢はなかったのでしょうか。
「ムラーノと同じ日産の『エクストレイル』も考えましたが、同じジャンルでクラスを下げることに抵抗があり、でも荷物は載せたいと思いワゴンを選びました。小排気量ターボなので燃費も良いですし、自動車税も大幅に下がりました」
たしかに3.5リッターや4リッターが当たり前の大型SUVは自動車税も高額で、車重もヘビー級となるため重量税も割高です。
さらにいえばタイヤもSUV用は大きくて高いですし、大排気量エンジンは使用するオイルの量も多め。それぞれの金額差は小さくてもチリも積もれば山となるもので、Wさんも「ゴルフヴァリアントにして維持費用が格段に安くなった」といいます。
トヨタ「ハリアー」から「アルファード」へと乗り換えたTさんは、逆に「維持費が高くなった」というパターン。
「家族が増えてハリアーでは手狭になったのでミニバンにしました。もっと大きなSUVも考えましたが、やはりスライドドアと低いフロアなのは便利です。ただ、排気量も車重も上がったのは維持費に響いています」
SUVからミニバンへ乗り換えるケースは多いのですが、逆にミニバンからSUVもよくあるケースとされています。家庭環境や使用条件を考慮して、そのときのライフスタイルに合ったクルマを選んでいる人が多いということでしょう。
■いずれまたSUVに乗りたい理由とは
トヨタ「RAV4」に乗っていたMさんはホンダ「フリード」に買い換えました。
「犬を飼っていてラゲッジルームに乗せていたのですが、老犬になってきてジャンプして乗るのがだんだん厳しくなってきました。
抱き上げて乗せれば済むことなのですが、犬が乗りやすいような低床設計でスライドドアのフリードを選びました」
実用性も確保しているSUV
ペットも大事な家族ですからクルマ選びの条件に加えるのは当然。でも、安全のためにクレートなどを利用するのがオススメです。
「前のクルマのときはクレートに入れるとクルマ酔いしていたのですが、フリードにしてからは酔うことがなくなり、基本クレートにインさせています。
RAV4は、最初のころは気にならなかったものの、行距離が増えて足回りがヘタってくると重心が高いぶんヒョコヒョコする感じがしたので、それが犬のクルマ酔いにつながる原因だったのかもしれません」
たしかにSUVは重心が高く、またサスペンションのストロークが大きいこともあって、セダンやハッチバックとは乗り味が若干異なりました。ただし、近年のモデルではほとんど差が感じ取れないレベルになっているといわれています。
トヨタ「ハイラックスサーフ」から「プリウス」に乗り換えたIさんは、ボディの大きさに疲れたといいます。
「都内は高さ制限のある駐車場が結構あったり、住宅街の細い道での取り回しもストレスに感じてプリウスに乗り換えました。でも、正直いうとハイラックスが恋しいです。
プリウスはとても良くできたクルマで燃費も優秀ですし、どんな駐車場でも入れます。でも、ハイラックスの方が乗っていて満足感がありました。苦労も含めて魅力だったんだなと、今では思っています」
※ ※ ※
今回話しを聞いた人は皆さん将来的にまたSUVに乗りたいと話します。同じクルマに乗りたいという人もいますが、最近増えてきたSUVタイプのBEVに興味を持っている人が多く、やはり燃費や税金の優遇に興味があるそうです。
それにしても、一度手放して違うジャンルのクルマに乗り換えてもまた乗りたくなるのですから、SUVはそれだけ魅力的なジャンルということがわかりました。
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