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運転手不在でも自動駐車する「自動バレーパーキング」BMWが量産間近!? 日本でも普及する?

くるまのニュース / 2023年2月21日 13時10分

ドライバーがいなくてもクルマが自動で駐車してくれる「自動バレーパーキング」について、BMWとヴァレオが共同開発を行います。一体どのようなものなのでしょうか。

■自動運転レベル4を使った駐車&出迎えサービスとは?

 BMWとフランスの大手自動車部品メーカーのヴァレオは2023年2月14日、「次世代のレベル4自動運転体験の共同開発に向け戦略的協力関係」を締結したと発表しました。
 
 レベル4の自動運転とは、運転の主体がクルマのシステムにある状態を指します。簡単にいうと、運転席にドライバーがいない状態で動く、いわゆる無人運転です。
 
 そう聞くと、量産されるのは「まあ、早くても2030年代に入ってからだろう」とまだまだ先のことだとイメージする人が少なくないのではないでしょうか。

 ところが、BMWとヴァレオが公開した情報によると、レベル4自動運転を使った高度なサービスは「近年中に量産する可能性がある」ということが分かります。それが、「自動バレーパーキング」です。

 バレーパーキングとは、ホテルなどの施設の正面玄関に着いて係の人にクルマのカギを預けると、その後は係の人が責任をもってクルマを駐車してくれるサービスのことです。これをスマホのアプリで操作し、クルマの出し入れを無人運転で行うのが、自動バレーパーキングです。

 BMWには2021年に「iX」で量産化している自動運転ソフトウエアスタックがあり、BMWとヴァレオはこれを基盤として、100人以上の研究開発スペシャリストによって次世代型の自動バレーパーキングの量産化を目指すとしています。

 国際標準化機構(ISO)では今後、タイプ1とタイプ2の自動バレーパーキングを設定する見込みとしています。タイプ1はセンサーや制御ユニットなどを車載システムが実行するもの、タイプ2はセンサーや自動バレーパーキングの制御管理システムを駐車場や施設のインフラ側で行うものという考え方です。

 このうちタイプ2について、ヴァレオは先日オンラインで行った報道陣向けの技術説明会で、BMWのDingolfing工場とGarching工場の敷地内でのレベル4自動運転を公開。組み立てラインを出た新車が、無人運転で洗車機まで移動して洗車したり、また充電スポットに自動バレーパーキングすると急速充電器がロボットアームのように作動して自動充電する様子が分かります。

 このプロジェクトは、自動バレーパーキングのタイプ2を想定した「インフラ協調方式」です。ヴァレオによると、これは2023年1月に発表したヴァレオ、NTTデータ、そしてEmbotechによる、自動バレーパーキングシステムの実現に向けたコンソーシアム「VEN.AI」に関するものといいます。

 今回発表したBMWとのプロジェクトとは別のものですが、こうしたインフラ協調によって、BMWとヴァレオによる自動バレーパーキングの研究開発もさらに進み、その精度と安全性が高まっていくものと考えられます。

■自動バレーパーキングは日本でも需要ある?

 メルセデス・ベンツは、コロナ禍の前である2019年に、同社の本社がある独シュトゥットガルトのメルセデス・ベンツ博物館で自動バレーパーキングの利用について、ドイツ連邦自動車交通局から承認されています。

 また、2022年11月にはシュトゥットガルト空港の一部駐車場で自動バレーパーキングの承認を得ているなど、ドイツでは本格的な自動バレーパーキングが現実のものになってきているのです。

独・シュトゥットガルト空港の自動バレーパーキング独・シュトゥットガルト空港の自動バレーパーキング

 日本でも10年ほど前から、自動車メーカー各社が駐車場内での無人自動バレーパーキングのデモンストレーションを行ってきましたが、近年の各メーカーの自動運転に関するプレゼンテーションでは自動バレーパーキングの早期実現を強調するケースはほとんどありません。

 乗用車の分野では、国も自動車メーカーも、当面はレベル2の高度化を進め、その一部でレベル3になる場合もあるといった感じの技術ロードマップを描いており、乗用車でのレベル4についてはあまり深く触れていません。

 日本でレベル4自動運転というと、公共交通機関向けの小型や中型バスでの社会実証が主体で、経済産業省では「RoAD to the L4(レベル4」という建付けで、2025年を目途に全国40か所以上での展開を目指しています。しかし、このなかで自動バレーパーキングについては明確に触れられていません。

 欧米と日本では、レベル4での自動バレーパーキングの普及に向けた考え方に差があるのはなぜなのでしょうか。

 そもそも、日本では欧米に比べてバレーパーキングを利用する人が少ないこと、また日本人は駐車場ではバック駐車して丁寧に駐車枠に収める習慣があることなど、自動バレーパーキングに対する要望があまり強くないのかもしれません。

 そうとはいえ、欧州で今後、レベル4自動バレーパーキングの社会実装が進めば、日本でも法整備やインフラ整備が進み、クルマをスマホで自動バレーパーキングすることが日常になるかもしれません。

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