外した「スタッドレスタイヤ」は保管方法に要注意!? 少しでも長く使うための“コツ”とは
くるまのニュース / 2023年2月25日 16時10分
冬に使ったスタッドレスタイヤを、オフシーズンの間は、外して保管しておくという人も珍しくはないと思います。そんなスタッドレスタイヤですが、どのぐらいの期間保存して使用しても問題ないのでしょうか、また少しでも長く使うポイントはあるのでしょうか。解説していきます。
■スタッドレスタイヤに寿命はある?
冬季においては、積雪路や凍結路面を走行する際の装備品として、スタッドレスタイヤは最低限の必需品です。
重要なスタッドレスタイヤですが、日本では北海道や一部の豪雪地帯を除くと装着期間は2か月から3か月程度で終わってしまうため、シーズンが終われば、外して保管という方も多いでしょう。
そこで今回は、スタッドレスタイヤをどのぐらいの期間保管して使用しても問題ないのか、少しでも長く使うポイントなど解説していきます。
スタッドレスタイヤもサマータイヤもゴム製品のため、走れば走るほど摩耗し、時間が経てば経つほど劣化もします。
当然寿命はありますが、「スタッドレスタイヤとしての性能が発揮できる」状態を使用限度として見た場合、判断基準はサマータイヤと異なってきます。
スタッドレスタイヤには溝の間にプラットフォームと呼ばれる箇所があり、サイドウォールの矢印マークが目印になります。
このプラットフォームとタイヤのトレッド面が同等の高さ(新品時の約50%)になると、スタッドレスタイヤとしての性能が期待できず、寿命の判断基準となります。
ただし、サマータイヤとしての寿命であるスリップサインまで到達していなければ、車検では問題になりません。
また、プラットフォームまでの溝に余裕があったとしても寿命となる場合があります。
製造年月日より時間が経過し、ゴムが劣化してくるとスタッドレスタイヤの肝となる柔軟性が損なわれ、寿命を迎えることになります。
一般的に3年から5年程度と言われていますが、これは新品状態のタイヤ硬度が40程度なのに対して、スタッドレスタイヤとしての機能が期待しづらくなる硬度である60を超えてくるまでの期間が3年から5年程度となるためです。
硬度を正しく管理するには硬度計が必要ですが、持っていない場合はタイヤ販売店などで確認する事が可能です。
スタッドレスタイヤの寿命について、前述の期間に3年から5年と幅があるのは、使用環境によって摩耗や劣化の具合が変わるためです。
スタッドレスタイヤを長持ちさせるコツは、乾燥路での急発進や急ハンドル、急ブレーキなどのタイヤに負担のかかるような走りを慎むことで「摩耗を抑制」することや、使用しない期間も野晒しで放置しないなど「適切に保管」することです。
摩耗を抑制するには、安全で丁寧な運転が基本となります。
スタッドレスタイヤはゴムが柔らかいため、乾燥路面の走行は基本的には不向きです。急加速・急減速などはタイヤを削るような行為で、摩耗を促進します。
シーズン毎でのタイヤローテンションも重要で、1年目は前輪に使用したタイヤを2年目は後輪に使うといったバランスの良い使い方をすれば、摩耗の進行をバランスよくでき、交換スパンを伸ばす事ができます。
また、適正な空気圧に設定する事も重要です。スタッドレスタイヤはサマータイヤよりも燃費性能が不利になりがちなため、空気圧を高めにして相殺したくなります。
しかし、過度に高い空気圧とすると摩耗速度も早まってしまいますので、タイヤ規格に適した指定空気圧を基準としておくことが大切です。
■スタッドレスタイヤを長持ちさせるための保管方法とは?
スタッドレスタイヤ、サマータイヤ問わず一番避けたい保管方法は、直射日光が当たるような「屋外に野晒し」の状態です。
そのような環境は紫外線や雨風によってタイヤのゴム自体にダメージを与え、劣化が早まります。
スタッドレスタイヤの保管はどのような環境が望ましいのか(画像はイメージ)
ゴムは劣化すると硬化していき表面がひび割れてくることもあり、グリップ力の低下によるスリップリスクが高まるのに加え、バーストによる走行不能状態に陥る事もあります。
外したタイヤを保管する際は、2つのポイントがあります。
1つ目は、保管前は洗浄することです。タイヤには砂、泥、融雪剤、異物等さまざまな付着物があります。
そのような汚れを放置すると、ゴムの劣化に繋がってしまうため、洗浄して汚れを落としておくと効果的です。洗い方は水洗いで問題ありません。
2つ目は、直射日光(紫外線)や湿気の影響を避けることです。
タイヤを劣化させる主な外部要因は紫外線と湿気なため、タイヤ保管時は直射日光と湿気に注意が必要です。
これらから回避できれば、保管場所は屋内に越したことはないですが、屋外でも問題はありません。
屋外しか選択できなければ、軒下などの日陰で雨を回避できる風通しのよい場所が適しています。屋内であれば直射日光は回避しやすく雨も防げるため、地面から少し離して保管する等の湿気対策を意識しておくと良いです。
ホイールにタイヤを組み付けた状態で保管する場合は横積みとし、空気圧を少し下げて保管しましょう。
ホイール付きで縦積みの場合、重量により荷重が集中するタイヤの接地箇所が変形する可能性があります。
※ ※ ※
スタッドレスタイヤは、比較的高価なため、あまり雪の降らない地域であれば買い替えスパンを少しでも長くしたくなるものです。
安全で丁寧な運転と適切な保管方法を心がけることで、スタッドレスタイヤとお財布に優しい付き合い方ができます。
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