クルマの「警告灯」なぜ増えた?「光る亀」ってどんな意味? 覚えておきたい異常を示す新マークとは
くるまのニュース / 2023年3月4日 9時10分
最近のクルマはより複雑なメカニズムを搭載していますが、それに伴いクルマの異常や不具合を知らせる「警告灯」も増えています。新たに追加された警告灯にはどのようなものがあるのでしょうか。
■ハイブリッド車やEVに新設された「亀」と「!」の意味は?
クルマの進化に伴い、搭載されるメカニズムがより高度化しています。
そんななか、ドライバーにクルマの不具合や異常を知らせる警告灯の数が増加。新たなマークにはどのようなものがあるのでしょうか。
警告灯は、クルマの不具合や異常、誤操作などを検知したときに点灯・表示され、ドライバーに注意喚起するものです。
そのデザインにはピクトグラムが用いられており、「赤=危険」「黄=注意」「緑=安全」というように、国際規格(ISO)によって定められています。
たとえば、赤い「!」マークの警告灯はよく目にすると思いますが、これはパーキングブレーキの未解除を示しています。
パーキングブレーキを解除すれば消えるのが正常な状態ですが、ときには赤く点滅することもあります。
この場合はブレーキ液不足やブレーキ系統に異常が発生し、ブレーキがうまく作動しない状態を意味しており、速やかに安全な場所に停止し、販売店や整備工場に連絡する必要があるほどの重大な故障やトラブルといえます。
これが黄色に点滅する場合は、電子制御ブレーキのシステムに異常を検知した状態を示しています。赤ほど緊急性はないものの、走り続けると故障やトラブルの重症化の原因にもなりかねないので、こちらもできる限り早く販売店や整備工場に連絡して見てもらうべきでしょう。
赤や黄のマークが点灯するのもあまり良い状態とはいえないのですが、赤い点滅の場合は車載コンピューターが大きな故障やトラブルを検知している状態となり、即停車させるということは覚えておきたいところです。
また、黄色い三角形のなかに「!」が表示される警告灯は「マスターウォーニング」と呼ばれる警告灯で、これは走行中に緊急性の高い異常が発生した場合に点灯します。
車種によっては同時にブザー音がするものもあり、速やかに安全な場所に停止し、救援を要請する必要があるということになります。
分かりやすいことが特徴のピクトグラムですが、知らないと意味が分からないマークも存在します。これは主に、近年普及が進むハイブリッド車やバッテリーEV(BEV)に搭載される電子制御システムに異常や不具合があることを知らせる、新しい警告灯といえます。
もっとも目を引くのが「亀」のマークの警告灯。これはハイブリッド車やBEVなどに搭載されている動力用バッテリーの残量が低下している、または電気系駆動システムの温度が高すぎたり低すぎたりする場合に点灯します。
この亀マークは「出力制限表示灯」です。電圧低下などによるトラブルを検出したときに出力を制限し、アクセルを踏んでも出力が上がらない状態を示すものです。ハイブリッド車の場合、エンジンによる発電などによって充電が進めば消えるはずですが、しばらく走っても消えない、速度が出ない場合は販売店に相談すべきでしょう。
もうひとつ、クルマのマークに「!」が描かれた警告灯は『ハイブリッドシステム(パワーユニット)警告灯』です。
これはハイブリッドやEVのシステム自体に異常を検知すると点灯するものですが、そのまま走行し続けると、いきなり運転操作できなくなるなど、かなりマズい状況を示します。
その多くは駆動用バッテリーの劣化か、直流の電流を交流に変換するインバーターの故障によるものともいわれていますが、原因究明のためにも専用のテスター(診断機)を持つ販売店か整備工場にできるだけ早く相談することをおすすめします。
■運転支援システム関連の警告灯も存在
ハイブリッド車やバッテリーEVでなくても、新しい警告灯がかなり増えました。その多くは電子制御式の運転支援システムに関連したものですが、最近のクルマにはセンサーが数多く搭載されていることが関係しているようです。
新しい警告灯はどんなものがあるのか、埼玉県のF整備士に聞いてみました。
さまざまな警告灯がクルマの異常を知らせてくれる
「たとえばクルマがヨレヨレとしたようなマークの『スリップ表示灯』があります。通常はトラクションコントロールABS、ヒルスタートアシストなどのブレーキ制御システムが作動中に点灯しますが、乾燥した路面でも点灯する場合は異常が考えられます。
また外気温が非常に高い炎天下や極寒の環境、センサーが汚れている場合は『プリクラッシュセーフティ(自動ブレーキ)警告灯』が、また踏み間違いでアクセルとブレーキを同時に踏むと『ブレーキオーバーライドシステム警告灯』が点灯する場合もあります」
電子制御のセンサーは非常に繊細で、汚れが多い場合や悪天候では正常に機能しなくなり警告灯がつく場合もあるといいます。また、ちょっとした接触などでバンパーを傷つけてしまうとセンサーの誤作動を招くこともあるそうです。
古いクルマはセンサーの誤作動も多かったのですが、最近はカメラやセンサーについた汚れによる誤作動も増えています。
センサー類は便利な機能ではありますが、それも正常に作動してこそ効果を発揮します。ときにはセンサーが正常に機能しているか点検することで、大きなトラブルが回避できるでしょう。
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