商用バンや初心者マークの女性も参加!「クルマの楽しさをダイハツらしく!」復活のイベントにかける想いとは
くるまのニュース / 2023年3月1日 16時10分
2022年に14年ぶりのモータースポーツ活動を再開したダイハツ。クルマの楽しさを伝えるとともに、さらによいクルマづくりを行っていくといいます。その中で、2023年シーズン初となるイベントを沖縄県で開催しましたが、どのような想いがあったのでしょうか。
■なぜ沖縄で? ダイハツがモータースポーツに注ぐ想いとは
ダイハツはモータースポーツに参加することによって、より良いクルマづくりとファンを増やすきっかけにつながるという思いから、2022年より約14年ぶりにモータースポーツ活動を再開し、その活動を継続する方針を発表しています。
その中で2023年2月26日、「D-SPORT & DAIHATSU Challenge Cup 2023 沖縄(以下ダイハツチャレンジカップ)」を開催。このイベントの背景にはダイハツとして、どのような想いがあるのでしょうか。
ダイハツはモータースポーツに参加することにより、より良いクルマへとフィードバックできると説明します。
競技での走行は通常に比べ、より負荷のかかる環境での使用や、短期スパンでの車両の改善活動などがおこなわれるため、課題の発見から改善まで常に素早い改善活動が求められます。それにより車両全体を見られる人材育成が可能となり、ダイハツの量産車開発にも活かされるということです。
また、気軽にモータースポーツを楽しめる場を設けることで、ダイハツ車の楽しさや面白さを伝える機会を増やすとともに、モータースポーツを楽しむ人の裾野が広がり、結果としてダイハツ車ファンを増やすきっかけになることを目指しています。
2023年は、前年に引き続きモータースポーツ活動を推進し、「もっといいクルマづくり」と「ファンづくり」に向けた取り組みを実施していく方針です。
まず「ファンづくり」活動のスタートとして、2023ダイハツチャレンジカップが開催されましたが、スタートの地は沖縄でした。なぜ沖縄がスタートの地に選ばれたのでしょうか。
D-SPORT Racing Team代表の井出慶太氏はその理由として、沖縄県において軽自動車の割合が多いことが背景にあると話します。
「沖縄県は軽自動車が全国で最も多く、特に親近感があると考えています。
軽自動車は普段の生活の足として地域に密着した使われ方をしますが、だからこそクルマの楽しさをアピールしたいという思いがあります」
今回のイベントでは、軽自動車から普通車まで幅広いダイハツ車ユーザーが対象となり、モータースポーツを気軽にかつ安全に楽しめるサーキット走行イベントとして、初心者向けプロレーシングドライバー講習に加え、新たにレディースクラスも設定したことが特徴です。
さらに、井手氏は「これまでダイハツが開催してきたイベントのなかでも沖縄県は特に盛り上がっていた」といいます。
「ダイハツのモータースポーツ復活後、昨年実施予定だった初の沖縄開催が中止となってしまったので2023年は沖縄でスタートしたかったのです」
実際、公道においては「運転の楽しさ」を十分に味わうことは難しいですが、閉鎖されたコース内でルールを守って走れば一定の安全が確保され、かつ思い切り走ることができます。
なおダイハツチャレンジカップは、全開走行をするサーキット走行とは違い、運転を教えてもらいながらタイムアタックをする気軽なイベントです。これまで運転の楽しさを気づけなかったユーザーや、軽自動車では十分楽しめないと考えているユーザーも、クルマの面白さを感じられるかもしれません。
軽自動車のニーズが高い沖縄で開催することで、よりたくさんの人にクルマの楽しさを知ってもらいたいという思いが強いようです。
■まさかのMT初心者から商用バンのベテランも! 参加者はどう感じた?
では、ダイハツチャレンジカップに参加した人はどのような印象だったのでしょうか。
実際に聞いてみました。
参加者はもちろんダイハツ関係者も含めクルマの楽しさを実感
初心者マーク付きのダイハツ「ミラ」で、レディースクラスとして参加した安森ともみさんは、「最初はちゃんと走れるか心配だったのですが最後まで楽しく走ることができ、もっとうまくなりたいと思いました」と話します。
クルマ好きの友達の影響もあり、最近AT限定解除の免許を取得したという安森さんですが、ダイハツチャレンジカップに参加したことで、クルマを運転する楽しさや、運転が上達する喜びについて気づいたようです。
また、コペンに乗る具志堅さんはご夫婦で参加。走行を終えてどのような想いがあったのでしょうか。
「はじめてこのようなコースを走ることができ、とても楽しかったです。普通のレースだと敷居が高く、どうしても参加するハードルが高いのですが、こういったイベントがもっと開催されるといいなと思います」
今回はご夫婦ともに初めての参加となり、奥さまは初設定のレディースクラスに参加。ダイハツチャレンジカップの敷居の低さによって参加しやすくなり、さらに今後も継続して参加したい意気込みも語ってくれました。
また、唯一軽バンの「ハイゼット カーゴ」で参加したという比嘉さんは、過去に開催されていたダイハツチャレンジカップに毎年参加していたというベテランです。
「こうしてずっと開催されてきたイベントが、また沖縄に戻ってきてくれたのはとても嬉しいです。また継続してやってもらいたいですね」と、ダイハツのモータースポーツが沖縄で再び実施されることに対して、特別な感情を抱いているようです。
さらに会場には、トヨタの次期社長である佐藤恒治氏(現・ダイハツ社外取締役 兼 GAZOO Racing Company プレジデント)がサプライズ登場しました。
佐藤氏は、ダイハツチャレンジカップについて以下のように話します。
「こういう(敷居の低いモータースポーツは)どんどんやったほうが良いと思うんです。あまり構えすぎずに、日頃乗っているクルマでこんなふうに走れるんだって感じることは新鮮な経験だと思います。
今回のようなイベントを行うことで、参加者だけでなくダイハツの社内でも『クルマは楽しいもの』と感じられれば良いのではないでしょうか」
モータースポーツといえば、各社のクルマづくりにおける技術力向上の場や、その成果を披露する場という側面を持っています。
しかし、それだけではなくこのような敷居の低いモータースポーツイベントを開催することで、これまでクルマを持っていてもあまり興味のなかった人や、興味があってもサーキットなどには参加しづらいという人に対して、新しい発見や気付きを得られるきっかけとなります。
実際に参加者は今後の開催への要望の声や、運転の上達への意欲が高まったとする意見が多くありました。
ダイハツチャレンジカップはモータースポーツの草の根的存在のイベントです。
自動車メーカー各社が技術力を競うトップクラスのモータースポーツ活動はもちろんのこと、このようなイベントで幅広いユーザーに対しクルマの楽しさを知ってもらう機会をどんどん増やせば、ふたたびクルマ業界全体を盛り上げる起爆剤としての側面も持っているのかもしれません。
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