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なぜトヨタ「86」車内にピンク粉撒かれた? 車上荒らし後に消火剤まみれに… 警察初動の遅さに疑問、その後被害車は?

くるまのニュース / 2023年3月9日 9時10分

2022年11月3日に愛車であるトヨタ「86」が車上荒らしに遭った上に粉末の消火剤が撒かれた事件がありました。事件から4か月経った現在、犯人逮捕や被害車両のその後はどうなっているのでしょうか。

■車上荒らしの末、消火剤を撒かれて粉まみれに…

 2022年11月上旬に愛車のトヨタ「86」が車上荒らしに遭った末、車内に消火剤が撒かれるという事件がありました。
 
 消火剤が撒かれた後の車内はピンクの粉だらけという状態に。その後の状況はどうなっているのでしょうか。

 2022年11月3日に千葉県内で86 GTリミテッドのオーナーのAさんは前夜23時頃帰宅し、翌朝、警察からAさんのもとに「クルマが車上荒らしにあってめちゃくちゃになっている」という連絡が入って被害を知ることになります。

「助手席の窓が割られて、運転席のバケットシートも盗まれていました。

 タイヤとホイールは4本ともなくなっていて、かわりにブロックがかましてありました。

 そして、室内いっぱいに消火剤がまかれていてピンク色の粉まみれに…。腹立たしいことに、エンジンルームにまで消火剤がまかれていました」(86オーナーのAさん)

 Aさんの事件は数多くのメディアで取り上げられましたが、あれから4か月経過した2023年3月現在、Aさんの86をめちゃくちゃにした犯人は見つかったのでしょうか。

 また、その後、86はどうなったのでしょうか。その後について、Aさんに話を聞きました。

――その後、警察の捜査などはいかがですか?

 犯人が見つかったという連絡はありません。

 警察は最初、指紋の採取すらやろうとしませんでした。

 私たちが被害状況の報告を詳しく行い、捜査を強くお願いしたことで、86が保管してあったディーラーにきて防犯カメラ映像の確認と指紋採取をしてくれました。

 しかしその時点で事件から2週間経過していたこともあり、指紋はとれなかったようです。採取後の連絡もありませんでした。

――あらためて被害内容を教えてください。

 盗難されたパーツは、タイヤ&ホイール4本、運転席のBRIDE製シート、ドラレコ、車検証などです。

 総額50万ほどで、今回の犯行はパーツ狙いと考えています。

――消火剤を撒かれているのですよね。

 そうですね。指紋などを消すための証拠隠滅を目的として消火剤を撒かれていました。

 自動車用の消火剤(二酸化炭素)ではなく、一般の消火器でしたので粉末だらけになっていました。

 エンジンルームにもまかれていたので全損という扱いになりました。

――車両保険には入っていましたか。

 保険に関しては、車両保険に加入しているものの220万円が満額です。

 盗難品約50万円+現在の86の中古相場200万円?250万円を合計すると被害総額は300万円近くなると見積もっていました。

 結局、保険にて3年目の車両保険代と全損時費用が支払われることになりましたが、約40万円は自己負担でした。

――86はその後どうなったのですか。

 全損扱いとなったので保険会社である、あいおいニッセイ同和損保が引き上げていきました。

 ただし、86についているオプションパーツは全部外して純正に戻すよう指示がありました。なぜ純正に戻すかというと、オークションに出すからという返事でした。

■なぜ、犯人は消火剤を撒いた?撒かれたクルマはその後どうなったのか

 車上荒らしの後に消火剤を撒かれて逃走という事件はこれまで何件か起きています。

 2022年8月には日産「スカイラインGT-R(BNR32)」が盗難されそうになりつつも燃料系の防犯対策によって阻止。

 しかしその際に、盗めなかった腹いせもしくは証拠隠滅のためか、その後消火剤を撒かれて犯人が逃走した事件がありました。

 クルマの内装やエンジンルームに消火剤を撒かれた場合、その後、そのクルマはどうなるのでしょうか。

 一般的な消火器は「粉末ABC消火器」と呼ばれており、普通(A)・油(B)・電気(C)のあらゆる火災にオールマイティに対応します。

 しかし、燐酸アンモニウムや硫酸アンモニウムなどが主成分の薬剤を含んだ細かい粒子の粉末であるため、クルマの内装や電気系の部品、エンジンルームなどに掛かった場合、状況によっては再起不能となります。

 湿気で粉末のコーティングが溶け、金属を腐食させてしまうことがあるからです。

 一般社団法人 東京防災設備保守協会では、クルマなどにABC消火器を使用された場合の対処方法として以下をあげています。

「消火剤の粉末をエアーで吹き飛ばすか、タオルやハタキ等でよく払い落とした上で、洗車をおすすめいたします。

 そのまま放置しますと、雨などで薬剤が水分を含み、塗装が変色したり、金属が腐食したりする可能性が高まります。

 エンジンルーム等内部に入った場合は自動車整備会社に清掃を依頼することがベストです。この場合も根気よくこまめな清掃が必要です」

被害に遭う前のトヨタ「86」(画像提供:オーナーAさん)被害に遭う前のトヨタ「86」(画像提供:オーナーAさん)

 なお、自動車用として使われる消火器には「粉末」と「ガス系」の2種類があります。

 粉末は中の薬剤は一般の消火器(ABC)と同じですが「自動車用消火器」として道路運送車両法の保安基準を満たした仕様になっており、一般用消火器の試験に加えて「振動試験」に合格することなどが条件です。

 ガス系は、競技用車両に義務付けられている消火器には消火剤として主に二酸化炭素が使われています。

 粉末と違って消火したあとの残留物がないことが特徴です。

 二酸化炭素などガスによる窒息消火のため汚損がなく、クリーンな状態を保てるほか、電気絶縁性に優れているため電気設備の消火にも向いています。

 エンジンルームなどに使ってもダメージがありませんが、粉末タイプに比べて価格が高額であり、また密閉された空間で使うと人に対して二酸化炭素中毒が起こる危険があります。

※ ※ ※

 車上荒らし後に証拠隠滅や嫌がらせのために撒かれる消火剤は一般的な消火器が使われることから粉末タイプが多いです。

 撒かれた場所や撒かれてから専門業者での洗浄までの時間が短ければ金属を腐食させることもなく、クルマへのダメージも軽いとされます。

 しかし、ほとんどの場合は完全な復旧が難しいため自動車保険では全損と認定されているのが現状のようです。

 ちなみにAさんの86も保険会社からは「全損」の認定が出ましたが、保険会社では86を引き上げたあと洗浄してオークションに出すとのことでした。

 中古車として市場に出回った可能性が高いですが、その際、消火剤を撒かれて洗浄したことは告知義務には当たらないとのことです。

 また、車上荒らしの被害で自動車の部品(タイヤやホイール、シート、カーナビ、ドラレコなどクルマに装着されていたもの)を盗まれた場合も自動車保険の車両保険を使うことができます。この場合、車両本体の盗難と同様、翌年からの等級は1等級ダウンとなります。

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