「ボディに穴が…」 放置するとヤバい「車のサビ」 最近のクルマもサビる? 「塩害」から愛車を守る対策とは
くるまのニュース / 2023年3月18日 14時10分
海に近いなど、塩害のある地域に住んでいるクルマユーザーにとって、「サビ」は悩みの種だといえます。では近年のクルマでもサビてしまうことはあるのでしょうか。
■放っておくと「ボディに穴が…」 クルマのサビって?
クルマは様々なパーツで構成されており、中でもボディをはじめとする多くの場所に金属製のパーツを使用しているため、海に近い地域などでは塩害によりサビてしまうことがあったといいます。
では、近年のクルマもサビてしまうのでしょうか。また予防する方法はあるのでしょうか。
そもそも、サビが発生するメカニズムは、空気中に含まれる水分と酸素が金属の表面に付着することで酸化反応が起こることに起因します。
水分が増加・乾燥を繰り返すと酸化する速度が早まり、さらに日光に含まれる紫外線によって塗装などの保護膜が徐々に劣化して酸化しやすくなるとされています。
加えて、海水などに含まれる塩分は吸湿性が高く、ボディに付着し乾燥した後に大気中の水分を吸収。この水分が酸化反応をさらに促進し、サビやすくさせるのです。
塩害のある地域で使用されるクルマの状態について、自動車販売店の整備士の男性は過去の取材に以下のように話しています。
「海が近い地域だと、シャシやサスペンション、パイプ類などクルマの金属パーツはサビつきやすいと考えられます。
ボディやパーツのサビつきについて悩む声も多く、パーツが傷んで新品に交換した事例もあります。
例えば、頑丈なはずのラダーフレームが腐食してしまったり、ヒューズボックスが腐食してしまうケースもありました。
またオイルクーラーのパイプが腐食し、オイルが流出してしまうケースもあります」
このように塩害を受けるとクルマがサビやすくなり、ボディだけでなくエンジンやマフラー、サスペンションなど、金属を使用している箇所であれば全体的にサビしていまい、傷みも早いようです。
しかし、近年のクルマでは塗装の質が向上したことやサビにくい鋼材の採用により、以前よりも大幅にサビにくくなっているようです。
周囲が海に囲まれており、塩害の被害も多いという沖縄県でタクシーを営む運転手は以下のように話します。
「30年以上前ではサビで穴が開くなどボディが腐食してしまうことがよくあり、エンジンなどの機関系の寿命ではなく、サビを原因としてタクシー車両を買い替えていました。
しかし最近のクルマは塗装がとても良く、ほとんどサビずに長く保つようになったと思います。本土とくらべても塩害が強い沖縄でも、どのクルマも長く使えるようになってきていますね」
毎日クルマを走らせているタクシー運転手でも、近年のクルマはサビにくくなっていることを実感しているようです。とはいえ、全くサビないわけではないと言います。
「ボディはサビにくいのですが、マフラーなど下回りは手入れもしづらく、どうしてもサビしていまうことがあります」(先出のタクシー運転手)
■クルマのサビを予防する方法は?
サビはクルマの大敵とも言えますが、予防する方法はあるのでしょうか。
こうなる前に対策を
最も手軽な方法として「洗車」が挙げられます。
自動車整備工場の整備士は、特に注意して洗いたい箇所について以下のように話します。
「一般的な洗車だとボディを洗うことがメインになりますが、ドアやテールゲートなどのヒンジ(蝶番)部分や、タイヤハウスなど普段から汚れが溜まりやすい部分は重点的に洗う必要があります。その際は洗車後に水分をしっかり除去することも忘れないようにしたいところです。
また、クルマの下回りはボディのように厚い塗装に覆われていないので、サビやすい傾向にあります。手洗いは難しいので十分な水ですすぐと良いでしょう」
各パーツに付着した塩分を素早く除去することで、酸化反応が進む前に洗い飛ばすことが単純かつ手軽な方法とも言えそうです。
特にサビやすい下回りはサビにくい塗装を施すという手もあるようです。
「これは融雪剤を道路に散布する雪国では一般的ですが、シャーシブラックやアンダーコートなど、防錆塗装をシャシに吹き付けるという方法があります。
下回りのサビは一度進んでしまうとフロア(床面)に穴が開くなど、大きな腐食を招くため、それを予防する方法として有効です。しかし、塗装をしたからといってサビないわけではなく、こまめな洗車と下回り洗浄は基本だと思います」
塩化カルシウムなど塩分を含む凍結防止剤や融雪剤を撒く積雪地域では、海の近い地域と同様にクルマの金属パーツを傷める可能性が高いと言えます。
愛車をピカピカに保つためにも、こまめな洗車は欠かさず、塩分が付着した可能性がある時は早めに対処をすることが良さそうです。
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