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全長4m級のトヨタ車? アンダー100万円以下の斬新顔「タンダー」を発見… パクリ中国車とは

くるまのニュース / 2023年3月14日 10時10分

かつて中国ではパクリ車と呼ばれる他メーカーのデザインに寄せたモデルがいくつか存在しました。そうしたなかで新たにトヨタ「タンドラ」のデザインに似ているモデルが発見されました。

■タンドラ風小型トラック? 中国製「タンダー」とは一体何者か

 トヨタが北米向けに専用で展開しているピックアップトラックが「タンドラ」です。
 
  一方中国では、とある自動車販売サイトがオリジナルで制作したタンドラのようなピックアップトラックが話題となりました。どのようなピックアップトラックなのでしょうか。

 北京市朝陽区に本拠地を置く「Sino Vehicle Hub」は、中国製の乗用車やトラック、バスなどを海外向けに販売するECサイトです。

 アルジェリアやタイ、エジプト、カンボジア、パキスタン、フィリピン、ロシアなどの、中国製であっても比較的登録が容易な国・地域への輸出販売を手掛けています。

 また、完成車だけでなくエンジンやトランスミッション、ステアリング、灯火類などの単体部品も販売を行なっているウェブサイトとなっています。

 そんなSino Vehicle Hubが自社で手がけたと主張する車種があります。

 車体の形状は4ドアのキャビンにベッド部分が付随する4ドアピックアップトラックとなりますが、その前後デザインはトヨタが北米向けに販売する「タンドラ」とそっくりです。

 また後部には「TUNDAR」の文字が確認でき、これが車名であると推測されます。

 本家の「タンドラ」は「TUNDRA」なので、デザインだけでなく車名もコピーしていることがわかります。

 トヨタのタンドラは1998年に販売を終えた北米向けピックアップトラック「T100」の後継モデルとして、1999年に登場しました。

 北米市場では「フォード」「ゼネラルモーターズ」「クライスラー」の「ビッグ3」が手がけるピックアップ車種が絶対王者として君臨しており、そこに日本メーカーが入り込む隙はありませんでした。

 初代モデルはその「ビッグ3」と真っ向から対立するのを避けるためにあえてボディサイズと排気量を小さくして投入されましたが、案の定、販売は芳しくありませんでした。

 その反省を活かし、2007年に登場した2代目モデルからはエンジンもボディも拡大するだけでなく、テキサスに建設した新工場で生産を始めるなど、アメリカの購買層へ向けた積極的なアピールを展開します。

 2012年には、NASAが開発したスペースシャトル「エンデバー」をロサンゼルス国際空港からカリフォルニア化学センターへ移動させる際の牽引車両としても大活躍しました。

 本来の牽引能力の約30倍もの重い物体を牽引する日本製ピックアップトラックの様子は多くのアメリカ人のハートを掴みました。

 こうしたことから、北米特有の需要を汲み取りながら進化を遂げ、現在では3代目モデルが販売されています。

■小さなトヨタ顔「TUNDAR」とはどんなクルマなのか?

 一方で、この中国製のコピー車はその詳細が謎に包まれていますが、ボディサイズは全長4150mm×全幅1540mm×全高1680mmと判明しており、非常にコンパクトな車体です。

 また、エンジンはスズキ製F10A型1リッター直列4気筒エンジンのコピー品を搭載しているとみられ、最高速度は時速100kmとしています。

 同社は「最安のピックアップ」とこのモデルを宣伝しており、実際に価格は本船渡し(=輸送手段や保険は買い手が用意するFOB価格)で5000米ドル(邦貨換算:約68万円)です。

 このような粗悪なコピー品は、たびたび「山寨車」と呼ばれます。

「山寨」とは元々中国語で「山奥の塞」という意味ですが、俗語としては「ニセモノ」「模倣品」などを指します。

 1990年代から2000年代の中国では「山寨機」と呼ばれる著名ブランドの携帯電話や家電の模倣品が大量に市場に出回り、そこから「山寨」というワードがよく知られるようになりました。

 これらの特徴のひとつとして、元のブランド名を少し改変した名前(SONY → SQNYなど)を名乗ることが挙げられ、そこから今回の「TUNDAR」も「山寨」のひとつと言えます。

これが本物のトヨタのフルサイズピックアップトラック「タンドラ」これが本物のトヨタのフルサイズピックアップトラック「タンドラ」

 ひと昔前の中国の自動車業界では日本やアメリカ、欧州の人気車種をパクった車種が乱立しており、「パクリ大国」と呼ばれてきました。

 ですが、いまや大手メーカーは日欧米メーカーの著名デザイナーを引き抜いて独自デザインを完成させており、かつての面影は感じられません。

 それでもなお、自社でデザインする能力を持たない、本当に「自動車メーカー」と呼べるのかも怪しい弱小規模の会社では、人気車種のコピー品を市場に送り出しています。

 その風潮は電動化の流れとも関係が深く、「老年代歩車」と呼ばれる「自転車よりも便利で、自動車よりも安い超小型電気自動車」は流行りを見せている一方、皆無に等しい安全性を理由に規制強化の道も辿っています。

 中国国内の購買層の間では「パクリは恥」という認識が生まれつつあり、パクリ車種は淘汰される傾向にあります。

 そしてSino Vehicle Hubは主に海外向けのビジネスを展開しているため、今回の「TUNDAR」は中国国内ではなく、海外向けを想定した車種と予想できます。

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