まさかスズキ「2人乗りジムニートラック」発売! 存在感ある「軽トラック」こだわりが凄かった!? 福島県で販売される実車とは
くるまのニュース / 2023年3月20日 14時50分
日本で小さなトラックといえば、「軽トラック」が挙げられます。そうしたなかで福島県ではスズキ「ジムニートラック」という新たな軽トラックが販売されているといいます。
■軽トラックみたいな「ジムニートラック」の製作経緯が凄かった!
スズキ「ジムニー」は、日本で3ドア仕様が展開されており、海外では5ドアが今後展開される予定です。
そうしたなかで、日本の福島県には2ドアジムニーが存在するといいます。
2018年7月に20年ぶりのフルモデルチェンジを遂げて発売された現行「ジムニー/ジムニーシエラ(3ドア)」。
現在ではさまざまな国や地域でジムニーシエラを中心に展開されています。
ジムニーの伝統となる「ラダーフレーム」、「FRレイアウト」、「副変速機付パートタイム4WD」、「3リンクリジッドアクスル式サスペンション」という車体構成を継承し、ジムニーに求められる本格的な四輪駆動車としての性能をさらに進化させています。
ボディサイズはジムニーが全長3395mm×全幅1475mm×全高1725mmとなり、ジムニーシエラは全長3550mm×全幅1645mm×全高1730mmです。
エクステリアはスクエアが特徴の機能を追求し、インテリアは荷室空間の広さや使いやすさを進化させ、様々なニーズに応える使い勝手を向上。
パワートレインは、ジムニーに専用にチューニングした660ccターボエンジン、ジムニーシエラに1.5リッターエンジンのそれぞれに4速ATや5速MTを搭載しています。
また、2023年1月にはインドにてジムニー(5ドア)が世界初公開され、同市場に投入予定です。
そのほか、欧州などには後席を無くして荷室を拡大したバン仕様も存在します。
またスズキは東京オートサロン2019にて、「ジムニーシエラピックアップスタイル」というジムニーシエラ(3ドア)ベースのピックアップトラックを参考展示しており、ユーザーからは今後の市販化を期待する声も出ていました。
そうしたなか今回発見されたのは、ジムニー(3ドア)をベースとした荷台が備わる「ジムニートラック」です。
正面から見れば従来から販売されているジムニーですが、横から見ると、従来リアドアが備わる部分が無くなる代わりに荷台が備わっています。
後ろから見ると、当然ながらリアウインドウやドア、そしてスペアタイヤなどは存在していません。またテールライトやバンパー部分も従来のジムニーとは異なるものが付いています。
そんなジムニートラックの制作を手掛けるのは、福島県二本松市にある石畑自動車ですが、どのような経緯で製作しているのでしょうか。
「制作のきっかけは、ジムニーが海外でトラックとして使用されている姿を、弊社の会長が目にしたことからです。
日本で親しまれている軽トラックとジムニーを組み合わせることで『ジムニートラック』を作れるのではないかと考え、お得意の板金職人と相談し、制作しました。
第一の目標は、車検が通る安全な自動車にすることでした。自社でアイデアを出し合い、外注先と試行錯誤して制作しました。
安全面として、荷台とキャビンの部分を分けることで、フレームの歪みを抑え、ひび割れの可能性を下げました。細かいところではありますが、鳥居をつけることで頑丈性を高めています」
また、ジムニートラックのこだわりのポイントについて、同製作者は次のように話します。
「特にリアバンパーにはこだわりが強くあり、トヨタ『プリウス』のリインホースメントを使用しています。車高の高いジムニーと軽トラの荷台の、間の剥き出しのリア部分を塞いでいます。
それだけでなく、サスペンションにもこだわり、走行性を高めました。
純正ベースで取り付けをしていて、ブレーキホースやラテラルロッド、ショックアブソーバーはモンスタースポーツを使用しています。過度に手を加えないことで、手軽に乗りこなせます。
また、見た目ではわからないですが、再利用にもこだわっています。
あえて車両の後方部分がぶつかっているようなジムニーを利用することや、荷台も廃車になるような軽トラックを利用しています。
もちろん、コスト面での節約にもなりますが、いずれ解体するので、せっかくなので再利用しています。SDGsにも少しでも貢献できたらという考えもあります」
このようにジムニートラックは、こだわりぬいた過程を経て製作されているようですが、実際のユーザーからはどのような反響があるのでしょうか。
「お客様からの評価も好評で、林業などで使用する人から、釣りなどの趣味で使用する人など、幅広い方々に気に入っていただいています。
走行性が高い部分は特に満足度が高く、リフトアップをしているので、山道や雪道でも走行できます。軽トラでは入ることのできない山の奥まで、ジムニーで入ることができ、助かっていると聞いています。
ジムニーは人気の車種なので、なかなか手に入れることができず、年に1台から2台しか生産できませんが、すぐに口コミで売りに出てしまいます。
軽トラとジムニーの『良いとこ取り』のジムニートラックを、大切に楽しんでいただけたらと思います」
※ ※ ※
なお今回のジムニーは現行の4代目モデル(JB64)をベースとしていますが、石畑自動車では3代目モデル(JB23)の特別仕様「X-Adventure」をベースにしたジムニートラックも製作しているといいます。
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