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最近「高級車」増えた、なぜ? 実は「高額車」かも知れない… 何が基準で「高級車」と言えるのか

くるまのニュース / 2023年4月3日 9時10分

多くの人々があこがれる高級車ですが、一部のモデルは「高額車」と呼ばれてしまうことがあります。そこから垣間見えるのは、高級車とは単に新車価格が高額なクルマではないということです。

■高級車と呼ばれるために、ハードウェアとソフトウェアの両軸が必要

 近年では、多くのクルマに対して「高級」「上質」「プレミアム」といった言葉が用いられるようになっています。
 
 何をもって「高級」とするかに厳密な定義を与えることは難しいですが、「高級車」と「高額車」の違いとはどのようなものがあるのでしょうか。

 高級車は富の象徴と言うべき存在であり、クルマが登場してからのおよそ100年の歴史のなかで、常に人々のあこがれの対象となり続けてきました。

 一方、高級車の定義というのは非常にあいまいなものです。

 たとえば、新車価格が1000万円を超えるようなクルマを高級車と呼ぶのに異論のある人は少ないと思われますが、新車価格が1000万円以下のクルマであっても、高級車と呼ぶのにふさわしいものは数多くあります。

 かといって、新車価格のラインを下げてしまうと、とても高級車とは思えないようなものも入ってきてしまいます。

 つまり、高級車とは単に金額の大小で決められるものではないということになります。

 実際、インターネット上には「〇〇は高級車ではなく『高額車』だ」といった表現を見かけることがあります。

 これは、新車価格は高額であるものの、高級車に必要な「なにか」が欠けているということを指しているようです。

 つまり、この「なにか」こそが「高級車」と「高額車」をわけるカギとなるわけですが、いったいこの「なにか」とはどんなものなのでしょうか。

 インターネットを見ると、「高額車」と呼ばれやすいクルマとして、トヨタ「アルファード」の名が挙がることが多いようです。

 ゆとりある室内空間と贅沢なインテリアなどから、企業のエグゼクティブ層などにも人気の高いアルファードですが、インターネット上には「もともとは商用車だったミニバンを『高級車』とよぶのはいかがなものか」というような意見が見られます。

 ミニバンの成り立ちに商用車が深く関わっていることは事実ですが、アルファードに関して言えば商用車をベースにしているわけではないためこの指摘は当てはまりません。

 しかし、一部のインターネットユーザーにとっては、ミニバンを高級車と呼ぶのに抵抗を感じる場合もあるようです。

 筆者は1996年式のベントレー「コンチネンタルR」を愛車としています。

 実際には一般的な国産乗用車とほとんど変わらない値段で手に入れたものではありますが、当時の新車価格は4000万円におよぶというこの英国製4シータークーペを、高級車ではないと断ずる人には出会ったことがありません。

 全長5340mmにおよぶ長大なボディとそれを軽々と動かく伝統の6.75リッターV型8気筒エンジン、室内全体に惜しげもなくあしらわれた最上級の「コノリーレザー」とバーウォールナットのウッドパネルなど、このクルマが高額である理由を挙げれば枚挙にいとまがありません。

 ただ、仮に名もなき自動車メーカーが、同じ部品や同じ素材を用いてこのクルマを組み上げたなら、それは同じく高級車と呼べるのかどうかは疑問です。

 それはつまり、ハードウェアが優れていれば、高級車と呼べるわけではないということを意味しています。

 言うまでもなく、ベントレーは超高級車ブランドの世界最高峰のひとつです。

 ただ、それは100年におよぶ歴史に裏打ちされたものであり、一朝一夕に成ったものではありません。

 つまり、コンチネンタルRが高級車たるゆえんは、ベントレーというブランドによる部分が大きいということです。

 ただ、高級車ブランドのエンブレムが付いていれば、それはすなわち高級車と呼べるのかというともちろんそうではありません。

 そのブランドが持つ歴史やストーリーといったソフトウェアの部分は、高級車を高級車たらしめる非常に重要な要素のひとつです。

 ユーザーの目は決して節穴ではないため、高級車と呼ぶに足るハードウェアが備わっていなければ、それは「自称」高級車に過ぎず、滑稽に映るだけでしょう。

 要するに、高級車であるためには、優れたハードウェアとソフトウェアの両軸が必要になるということです。

 その点、ベントレーは自動車黎明期において、数々のレースで輝かしい成績を残すなど、ハードウェアの素晴らしさを存分に知らしめています。

 そのほかの高級車ブランドも、優れた性能や品質でライバルを圧倒したからこそ、現在の立ち位置を築いています。

 しかし、「走る・曲がる・止まる」といったクルマの基本性能や耐久性などに関しては、いわゆる高級車でなくとも必要十分な性能を持っています。

 そのため、ハードウェアの部分でライバルを圧倒するほどの性能や品質を示すのが難しくなっているという課題が、現代の高級車にあるのも事実です。

 一方、「電動化」や「自動運転」といった最新技術に関しては、まだまだ発展の余地があります。

 たとえば、BEVやPHEVといった電動パワートレインでこれまで以上に快適な走りを提供できるかどうか、あるいは、自動運転が普及した場合における高級車の役割をどう示すかといった点を、明確に示したブランドこそが、次世代の高級車ブランドとなっていくと考えられます。

※ ※ ※

 あるクルマに対して、高級車というイメージを付けることができれば、その自動車メーカーにとってビジネス上のメリットは計り知れません。

 そのため、近年では、多くのクルマに対して「高級」「上質」「プレミアム」といった言葉が用いられるようになっています。

 何をもって「高級」とするかに厳密な定義を与えることは難しいため、実際のところは「言ったもん勝ち」の状態になってしまっているのが実情です。

 そのなかで、厳しいユーザーの目に耐えうるだけの「なにか」を持っていないクルマが、「高額車」と呼ばれてしまうのかもしれません。

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