「MTじゃないとイヤ!」マニュアルシフト設定が今も残る「絶滅危惧種」軽自動車 3選
くるまのニュース / 2023年3月31日 16時10分
シフトやクラッチ操作が必要なMT(マニュアルトランスミッション)車が姿を消しつつありますが、そんななかで今も残っている希少な「軽乗用車のMT車」3選をお届けします。
■MTが楽しめる軽自動車はもはや「激レア」な存在だった
MT(マニュアルトランスミッション)車は、今や希少な存在となり、シフトやクラッチペダルの操作を楽しめることも少なくなりました。なかでも軽乗用車のMT車は、すでにほとんど残っていません。
今回は、今も残る「超激レア」なMT車のある3モデルを紹介します。
●ダイハツ「コペン」
ダイハツの軽スポーツカー「コペン」は、電動ハードトップのオープンスタイルをもつ唯一の軽自動車です。現行型(2代目)は2014年に登場しました。
フロントに搭載されるエンジンは660ccの直列3気筒DOHCターボで、CVT車に加え5速MT車の設定があります。
ダイハツによると、MT車の販売比率は全体の3割ほどを占めているといい、根強いMTニーズに支えられていることがわかります。
2代目コペンの特徴は、「D-Frame(ディーフレーム)」と呼ばれる骨格構造です。
外板を取り外し容易な樹脂パーツとし、外装デザインの変更を可能としたことで、「Robe(ローブ)」を基本に、クロスオーバースタイル「エクスプレイ」、初代譲りの丸目ヘッドライトを備えた「セロ」、さらにトヨタとの共同開発による「GR SPORT(ジーアールスポーツ)」と、4つのまったく異なるスタイルをラインナップ。
さらに2018年には、200台限定のハードルーフモデル「コペン クーペ」も発売するなど、多彩な形態の違いも2代目コペンの見どころといえます。
●スズキ「ワゴンR」
スズキ「ワゴンR」は、ターボエンジンを積むスポーツモデルではない「普通の軽ハイトワゴン」として唯一の5速MT設定車です。
パワートレインは、660ccの自然吸気(ノンターボ)エンジンのみの設定です。
この貴重なMT車は、新シリーズ「ワゴンR カスタムZ」を追加した2022年8月のマイナーチェンジ時も存続しています。
5速MT車は当初、最廉価版「FA」グレードに設定されていましたが、マイナーチェンジでグレード整理されたことでFAが廃止。5速MT設定がもともと中間グレードだった「FX」へ移行しています。
マイナーチェンジに伴いグレードが上がったことで、新型からはFAグレードにはなかったタコメーター(回転計)が装備されるようになったのは見逃せない変更点といえます。
自然吸気エンジンのパワーを最大限引き出すためにも、回転数にあわせてシフトチェンジするのはMTの楽しみのひとつといえ、MT派にとってはうれしい改定となりました。
なおスズキによると、ワゴンRのMT車比率は約1割弱(ワゴンRスマイルを除いたシリーズ中の割合)だといい、一定の根強い需要で支えられていることがわかります。
●スズキ「ジムニー」
スズキ「ジムニー」は、世界でも類を見ないほどの高い悪路走破性を誇る軽四輪駆動車です。
現行型は2018年に20年ぶりのフルモデルチェンジを実施した4代目。「スズキ セーフティ サポート」などの先進運転支援機能も追加され、近代化を果たしました。
一方で、専用のラダーフレームと縦置きエンジン+FRレイアウト、副変速機付パートタイム4WD、リジッドアクスル式サスペンションという、軽自動車唯一の本格的な組み合わせを維持しています。
ボディタイプは3ドアのみの設定。エンジンも660ccターボのみで、トランスミッションは、4速AT(オートマチックトランスミッション)と5速MTの2タイプから選択可能です。スズキによれば、MT車比率は約2割だといいます。
デビュー5年目を迎えましたが、今も長い納車待ちとなるほどの根強い人気を維持し続けています。
なお1月には、インドでジムニーの5ドア仕様が新たに発表され話題となりました。こちらは1.5リッターのエンジンを搭載した小型乗用車版「ジムニーシエラ」がベースで、3ドアモデルに対し全長が340mm延伸されています。
新型ジムニー5ドアに関して、日本での発売予定に関するスズキからの正式発表はありませんが、今後の展開に期待をかけたいところです。
※ ※ ※
2023年3月現在、軽乗用車のMT車はこのほかに、ホンダ「N-ONE」のターボモデル「RS」に6速MTの設定があるのみと、非常に寂しい状況です。
AT車の普及率から考えても、今後MT車が新設定されることは考えにくく、しばらくは上記のモデルで細々と継続されていくものとみられます。
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