新車より安くてお得!?「中古のハイブリッド車」買うなら年式が新しい方が良い? HVならではの選び方とは
くるまのニュース / 2023年4月2日 10時10分
中古車市場でもハイブリッド車が増えつつあり、選択肢が多くなってきました。ハイブリッドシステムが搭載された中古車を購入するとき、どのようなところをチェックしたら良いのでしょうか。
■中古のハイブリッド車を買う時の注意点は?
春は新年度や新学期がはじまるスタートの時期です。生活環境が変わり、クルマが必要になる人もいるのではないでしょうか。
半導体不足などの影響によって新車の納期が延びている昨今、すぐ手に入る中古車の需要が高まっています。
環境性能が優先される今、中古でもハイブリッド車を選びたいと考える人も多く、実際の中古車市場でもハイブリッド車が増えています。
中古のハイブリッド車を購入するときは、どのようなことに注意すれば良いのでしょうか。
まず、複数の中古車店に聞いてみたところ、中古車市場ではガソリンエンジン搭載車がメインとなっているものの、ハイブリッド車も徐々に増えているといいます。
都内の中古車販売店のS店長によると、ハイブリッド車は元々の新車価格が高いこともあり、中古であってもガソリン車よりは割高になってしまうことから、中古車を安く買いたい人にとっては少々ハードルが高いものの、それでも新車で買うよりは安く入手できるとあって人気が高まっているそうです。
さらに、都内の中古車店オーナーのOさんは次のようにいいます。
「国産の場合はすでにハイブリッド車が普及しているのですが、輸入車の場合はハイブリッド車の数もまだ少なく、割高な印象があるようです。
またハイブリッドシステム自体のパーツが高額なため、万が一不具合が発生するとかなりの出費と納期待ちになってしまいます。ハイブリッド車を狙うのであれば、国産車が安全だと思います」
中古のハイブリッド車を選ぶ場合、まずは何を基準にすべきなのでしょうか。クルマの修理をおこなう立場であるF整備士に話を聞いてみました。
「ハイブリッド車の場合、ガソリン車と比べて部品点数も多いため、故障すると面倒なことになることもあります。
そうならないように、そのクルマがどのような経緯でどのように扱われてきたかは、状態を把握するうえで非常に重要な要素になります」
F整備士いわく、店が直接下取りしたのかオークションで競り落としたのか、前オーナーがどのように乗り、どのようにメンテナンスされてきたかで、ハイブリッドシステムの状態をある程度把握できるといいます。
また消耗パーツの交換の有無も重要で、記録簿やメンテナンスノートを見ながら、どのタイミングで交換されているのか、それともまだされていないのかなども状態を推測する重要なポイントになるそうです。
「あと、中古車の場合は走行距離が少ないほうが良いといわれますが、ハイブリッド車の場合は年式も重要です。
というのも、ハイブリッドシステムは進化が早く、年式が新しいほど近年の技術が採用されています。なかには年式が1年違うだけでかなり性能に差がつくこともあります。
年式と走行距離、価格のバランスが取れている中古車を選ぶことで、購入後のトラブルやメンテナンスの頻度も変わってくるでしょう」(F整備士)
ハイブリッドシステムにはメーカー保証がついていますが、保証期間は10年程度。すでに10年以上経過したハイブリッド車はメーカー保証が切れていることも多いですし、燃費も現代の基準からすると必ずしも良いとは言い切れません。この辺りをしっかり見極めることが必要になってきそうです。
■メインバッテリーの交換がかなり高額になることも…
では、ハイブリッドの中古車を購入する前に、記録簿などでメンテナンス履歴をチェックする以外に注意すべきポイントはあるのでしょうか。
「ハイブリッドならではの問題として、システム駆動用のメインバッテリーの劣化に注意する必要があります。
一般的には5年、または10万kmでメインバッテリーの交換が推奨されており、メインバッテリーが劣化すると、それだけガソリンエンジンの仕事量が増え、結果として燃費も悪化します。
しかもメインバッテリーの交換費用は20万円から40万円とかなり高額です。せっかく安価で手に入れたハイブリッド車でも、かなり多くの出費が必要となることもあります」(F整備士)
トヨタのハイブリッド車「プリウス」(4代目)のエンジンルーム
ハイブリッド車とガソリン車ではその価格差と燃費性能を考慮した場合、どちらが最終的に支出を抑えられるかは常に議論となるところ。
「エコカー減税」などの優遇減税があったとしても、ここでさらにメインバッテリー交換費用が加わってしまうと、結果的にガソリン車のほうがお得だったということになりかねません。
「メインバッテリーだけでなく、ハイブリッド車は通常のバッテリーである補機バッテリーも装備しえいるため、劣化していればガソリン車と同じタイミングの交換が必要ですし、もちろんエンジンオイルも交換が必要です。
ただハイブリッド車の場合は下取り価格も高めで値落ちしにくいほか、EVモードで走れば騒音も小さいので、住宅街でもあまり気を遣わなくて済むというメリットもあります。長距離を走る機会が多い人には良い選択でしょう」(F整備士)
逆にいえば、1か月に1000kmも乗らない人は、ハイブリッドの中古車を購入するメリットは少ないといえ、ガソリン車を選んでも大丈夫といえそうです。
※ ※ ※
ハイブリッドの中古車は、経年劣化した部分を補って、ハイブリッドシステムの状態をいかに好調に保つかがポイントになりそうです。
そのためにも、割高感はあっても、できるだけ新しい年式の中古車を選ぶほうがメリットを感じられるのではないでしょうか。
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