パカっと開くライトがイケてた!「リトラクタブルヘッドライト」搭載車の人気再燃!? 維持するときの注意点は?
くるまのニュース / 2023年4月9日 18時10分
往年のスポーツカーらしさの象徴ともいえる「リトラクタブルヘッドライト」ですが、現行モデルで採用するモデルはありません。しかし昨今「リトラ」を搭載したクルマが高騰しています。リトラ搭載車のメンテナンスはどんなことに注意すべきなのでしょうか。
■スポーツカーの象徴だった「リトラクタブルヘッドライト」
2000年代まで、日本には数多くのスポーツカーがあり、とくにスポーツカーらしさの象徴とも呼べる「リトラクタブルヘッドライト(リトラ)」を採用した車種もたくさん存在していました。
アメリカでヘッドライトの設置箇所の規制緩和などさまざまな事情から、国内では2002年のマツダ「RX-7(FD3S型)」を最後にリトラクタブルヘッドライト採用車の生産が終了。
約20年が経過した今、80年代から90年代にかけての「ネオクラシック」ブームによって人気が再燃し、改めてリトラ搭載車の人気と価格が高騰しているのです。
未来的なデザインと、ポップアップするこのリトラクタブルヘッドライトに、当時憧れた人も多いでしょう。
ネオクラシックなクルマが見直されているなか、リトラクタブルヘッドライト搭載車を手に入れるとき、気になるのはそのメンテナンスです。
ほぼ間違いなく20年以上が経過した旧車ということになりますが、リトラクタブルヘッドライトの弱点やメンテナンスにおける注意点などを、千葉県のI整備士に聞いてみました。
「当時から問題とされていたのが、モーターの劣化や不具合による動作不良です。すでに20年以上前のモーターですから劣化していることがあります。
部品のストックがあれば良いのですが、探すのも困難になっており、うまく代用品が取り付けられるかがポイントになりそうです。
また車種専用のリンケージやヘッドライトカバーなど、プラスチックや樹脂製のパーツは欠品が増えています。
最近は人気車種のパーツが復刻されることもありますが、マイナーな車種だとパーツを探すのが難しいのが現状です」
リトラクタブルヘッドライトの問題として挙げられるのが、熱処理問題。
稼働させる機械部品がラジエーターのすぐそばや後方に設置されるため、エンジンルーム内に新鮮な空気が取り込まれにくくなり、エンジン冷却がスムーズにおこなわれないという問題も発生しやすいようです。
「当時の熱対策としては、ナンバープレートを少し横にズラして配置するブラケットなどを装着しました。
またヘッドライトカバーに空気吸入用のスリットを入れるなどの対策が必要になるかもしれません」(I整備士)
見た目の良さや旧車人気でリトラクタブルヘッドライト搭載車にすぐに手を出すのではなく、このような経年劣化や熱対策への改良などを含めたメンテナンスについても事前に考えておく必要がありそうです。
■国産初はトヨタ「2000GT」
リトラクタブルヘッドライトはかなり長い歴史があります。1935年にアメリカで採用されたモデルもありますが、全世界的に普及しはじめたのは1960年代から。
もともとは北米で、歩行者に対する安全への配慮からヘッドライトの搭載位置に最低地上高が決められており、そこで車体を低くして空気抵抗を減らすため、またデザインの自由度を高めるために、使用時以外はボディに格納できるリトラクタブルヘッドライトが開発されたという経緯があります。
国産車で初めてリトラクタブルヘッドライトを搭載したトヨタ「2000GT」
当時はもちろんLEDやHIDなどあるはずもなく、大きい四角形か丸形のヘッドランプを搭載するのみでした。
そこで登場したリトラクタブルヘッドライトは、この「未使用時は格納する」と「使用時はポップアップしてヘッドライトが出現する」というギミックが魅力的な装備とされ、アメリカのシボレー「コルベット」だけでなく、フェラーリ「512BB」、マセラティ「メラク」、ランボルギーニ「カウンタック」など、当時「スーパーカー」と呼ばれた欧州メーカーの高級スポーツカーの多くが採用。
「リトラクタブルヘッドライト=高性能スポーツカー」のイメージが定着したものと思われます。
また、国産車としては1967年に誕生したトヨタ「2000GT」で初採用。伝説的な名車である高級スポーツカーに採用されたことで、そのイメージはより強くなったと考えられます。
このイメージを上手に活かし注目度を高めたのが、1978年に誕生したマツダ「RX-7」です。当時は今以上に高値の花だったポルシェ「924」に似たフロントマスクを採用し、リトラクタブルヘッドライトを搭載したことで、リトラの認知向上と普及に大きく貢献しました。
この成功により、その後登場する国産スポーツカーはこぞってリトラクタブルヘッドライトを採用。1980年代に入ると日産「パルサーエクサ」やホンダ「アコード」「クイントインテグラ」、トヨタ「カローラII」などハッチバックやセダンにも続々と採用されるほど普及しました。
しかし、リトラクタブルヘッドライトのユニット自体の重さとモーターによるフロント部分の重量増、部品点数の多さ、北米のヘッドライトに関する規制緩和、プロジェクターやリフレクターの登場などでデザインの制約が少なくなったことから存在意義が失われ、2002年に生産終了したマツダ「RX-7」をもって、国産での採用車種が消滅しています。
2002年で終了したことがネオクラシカルでは逆に付加価値となり、往年のスポーツカーやかつて国産車が盛り上がっていた時代を彷彿させるアイテムとして、リトラクタブルヘッドライトの人気が今になって高まっているといえそうです。
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