古いエンジンオイルで「エンジン破損」に!? ついつい“交換を怠った”ために起きる悲劇とは
くるまのニュース / 2023年5月12日 16時40分
クルマを維持するうえで定期的に交換すべき「エンジンオイル」ですが、交換しないままでいると、一体どうなってしまうのでしょうか。
■エンジンオイルの交換を怠ると、どうなる!?
クルマを維持するうえで定期的に交換すべき様々な「消耗品」が存在しますが、そのなかでもクルマの状態や寿命を左右する重要な要素のひとつが「エンジンオイル」です。
「オイル交換」を依頼するため、カーディーラーや用品店、ガソリンスタンドなどにクルマを持ち込んだ経験がある人も多いのではないでしょうか。
クルマの日常点検としてエンジンオイルのチェックが含まれていますが、久しく確認していないという人もいるでしょう。オイルの状態がわからないことからつい交換を先延ばししてしまったり、あるいは走行距離が少ないので交換しなくて良いと考える人もいるようです。
では、もしもエンジンオイルの交換を怠ると、どのような事態になってしまうのでしょうか。
まず、エンジンオイルはクルマのエンジン内部を循環している油で、その役割としてはエンジン内の部品をスムーズに動作させる「潤滑」がありますが、それ以外にも多くの大切な役割をもっています。
エンジンは動作しているとき、金属パーツ同士の摩耗や不完全な燃焼が起きることによって次第に「スラッジ」と呼ばれる金属の粒子や燃えカスが発生します。
エンジンオイルはエンジン内を巡りながらこれらを取り込んで、オイルフィルター(エレメント)まで流して濾過。これが「洗浄」と呼ばれる役割で、スラッジがエンジン内部に堆積することを防いでいます。
そのほか、ピストンとシリンダーの隙間を埋めて燃焼時の圧力を保つ「密閉」や、エンジン内部をサビから守る「防錆」、エンジン内部を循環してエンジン熱を放出する「冷却」など多くの働きをおこなうエンジンオイルは様々な面から見て重要な存在なのです。
そんなエンジンオイルの交換を怠った際に発生するトラブルについて、都内の自動車ディーラーで働く整備士に話を聞きました。
「エンジンオイルを交換しないと、当然ながらスラッジがどんどん溜まっていきますが、問題はそれにとどまりません。エンジンオイルは汚れを取り込むことで次第に劣化が進み、粘度も低下していきます。
するとエンジン内部のパーツを包み込む油膜が保持できなくなり、パーツ同士の潤滑が満足にいかないことで摩擦が発生。溜まったスラッジも加わり稼働部分がスムーズに動かないため、燃費が悪化するとともにピストンやシリンダーを傷めることに直結します。
さらに粘度の低下は音や振動の拡大にもつながり快適性も減少。最終的にはエンジンが焼き付き、“エンジンブロー”というクルマにとって致命的な故障を招く可能性があります」
どうやらエンジンオイルの交換を怠ったままクルマを使い続けると、最悪の場合には想像以上に深刻な事態が発生するようです。
このような状況を避けるためにも、エンジンオイルは必ず定期的に交換するべきでしょう。
■クルマに乗らないならオイルは交換しなくてもいい?
では、ほとんど乗っていないクルマの場合にはエンジンオイルの交換は不要、あるいは交換期間は伸びるのでしょうか。
これについても先出の整備士に聞きました。
エンジンオイルを濾過するオイルフィルターも定期的に交換しましょう
「たとえクルマに乗っていなくても、エンジンオイルが劣化しないわけではありません。
エンジンオイルは、クルマに乗らない、つまりエンジンを始動しない状態だとしても、時間の経過によって劣化が進んでいきます。
エンジン内部の空気や隙間から入る外気によりオイルが酸化するとともに、外気との温度差によってエンジン内部に水分が発生。これがオイルに混ざり合うことで、“乳化”という現象が起き、オイルの劣化が加速するのです。
また、短距離走行が多く全体的な走行距離が少ないような状況は、一見するとクルマを大切に使っているようにも思えますが、実はこれは『シビアコンディション』に該当し、逆にクルマに及ぼす負荷が大きいのです」
このように、たとえクルマに乗っていなくても、やはりメーカーが推奨する期間を目安として定期的にオイル交換することが、エンジンにも安全にとっても最適だといいます。
とはいえ、あまりに早すぎる交換は環境にもお財布にも優しくなく、あまり意味がないことも。
もしも走行距離の多いクルマや年式の古いクルマに乗っている場合には、エンジン内部が汚れている可能性があるため、多少早めに交換することでエンジン内に溜まった汚れを洗浄する効果が期待できるものの、通常の使い方をしている近年のクルマであれば、基本的にはメーカー推奨の交換期間を守ることがそのクルマに最も適したメンテナンス方法だということです。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
バイクのマフラーから“煙”が出ても、大丈夫?
バイクのニュース / 2024年7月23日 11時10分
-
暑いと「ガソリンが“腐る”」って本当?「激臭」を放つ“謎現象”の対策とは! 放置すると「クルマの損傷」引き起こす可能性も
くるまのニュース / 2024年7月18日 5時50分
-
ATF交換で性能向上!? 過距離走行車にも対応する最適なメンテナンス法~カスタムHOW TO~
レスポンス / 2024年7月16日 6時15分
-
[夏のメンテナンス]気温35度でも安心! 夏のエンジンオイル管理法を徹底解説
レスポンス / 2024年7月15日 12時30分
-
[夏のメンテナンス]あなたの運転がエンジンを傷める? クルマに優しい運転法を紹介
レスポンス / 2024年7月13日 12時30分
ランキング
-
1トヨタの新型「ランドク“ルーミー”」初公開!? 全長3.7m級「ハイトワゴン」を“ランクル化”!? まさかの「顔面刷新モデル」2025年登場へ
くるまのニュース / 2024年7月23日 11時50分
-
2ダニ繁殖シーズン到来…アレルギー持ちや痒くてたまらない人はカーペットと畳に注意
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年7月24日 9時26分
-
3【520円お得】ケンタッキー「観戦バーレル」本日7月24日から期間限定発売! SNS「絶対に買う」の声
オトナンサー / 2024年7月24日 12時40分
-
4話題作なく総崩れ?「夏ドラマ」評価分かれる背景 クドカン新作と日曜劇場は厳しい評価の一方…
東洋経済オンライン / 2024年7月24日 12時0分
-
5義母と元夫は減塩生活中!? 嫁に去られた親子の今…【お義母さん! 味が濃すぎです Vol.48】
Woman.excite / 2024年7月15日 21時0分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください