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なぜ「駐車違反」の対応違う? 即納付は 「反則金だけ」 警察行けば「反則金+点数」の謎、過去に法改正された理由とは

くるまのニュース / 2023年4月14日 9時10分

クルマに「放置駐車違反」が貼られていた場合、そのまま納付すると「反則金のみ」で終わりますが、警察行けと「反則金+違反点数」と、対応が異なります。一見警察に行かないほうがいいように見えますが、なぜこのような制度が存在するのでしょうか。

■放置違反金制度の導入経緯とは?

 クルマを運転する人の中には駐車違反で黄色いステッカーを貼られたことのある人もいるでしょう。
 
 その後、警察に出頭すると交通反則切符を切られて違反点数や反則金が科されるのに対し、出頭せずにいると切符を切られず放置違反金の支払いのみで済みます。
 
 出頭しない方が得とも言えますが、一体なぜこのような制度になっているのでしょうか。

 クルマを運転する人の中には、道路にクルマを駐車し、買い物やトイレなどでその場を離れて帰ってきたら駐車違反の黄色いステッカーを貼られていた、という経験をしたことのある人がいるかもしれません。

 その後ドライバーがとり得る措置としては「警察に出頭する」、「出頭せずに警察からの連絡を待つ」という2つの選択肢があります。

 警察に出頭した場合は基本的に交通反則切符を切られるため、違反点数が加算されるほか反則金を納付しなければいけません。

 その一方、警察に出頭しなかった場合はクルマの使用者に対して反則金と同じ額の放置違反金の納付を求められるため、それを納付すれば手続きが終了し、交通反則切符を切られずに済みます。

 運転者が出頭せず責任を追求できない場合に、公安委員会がクルマの使用者に対して放置違反金の納付命令ができる制度を「放置違反金制度」といい、現状では警察に出頭しない方が切符を切られないという点で得する制度といえます。

 では、一体なぜこのような制度が導入されているのでしょうか。

 警察官や駐車監視員は、違法駐車でなおかつ運転者がその車両を離れていてすぐに運転できない状態にある「放置車両」に対し、「放置車両確認標章(黄色いステッカー)」を取り付けることができます。

 この放置車両の取り締まりに関して、通常の交通違反取り締まりと異なるのは「警察官がクルマの運転者の違反行為を実際に確認できず、運転者の特定が難しい」という点です。

 運転者が特定できなければ交通反則切符を切れないため、現状では運転者が警察に出頭して違反を認めた場合にのみ切符処理を行っているのです。

 放置違反金制度が導入される前は、放置車両にステッカーを取り付けても運転者が出頭せず、責任を追及できない事例も少なくなかったといいます。

■そして導入された現在の制度だが、どのような仕組みとなっているのか?

 しかし違反者が放置駐車をしたことは事実であり、「逃げ得」を防ぐために道路交通法が改正され、2006年6月1日から実際の運転者に責任を追及出来ない場合にはクルマの使用者に対して放置違反金の納付命令ができるようになり、現在の制度が作られたというワケです。

 もし放置駐車違反をした運転者が警察に出頭しなかった場合には、ステッカーの取り付けから数日経過した後、クルマの使用者に対して警察から「弁明通知書」と「放置違反金の仮納付書」が送られてきます。

 弁明通知書とは、クルマの使用者に対して釈明の機会を与えるもので、放置駐車違反があったときにはすでにクルマを他人に譲渡・売却していて実際に管理していなかったなどの理由があれば弁明できます。

 このタイミングで放置違反金を納付すれば手続きは終了しますが、期限内に納付しなかった場合は再び警察から「放置違反金納付命令書」と「納付書」が送られます。

 ここで放置違反金を納付した場合も手続きは終わりますが、納付しなかった場合には使用者に督促状が送られます。

 さらに、督促状が送られてもなお滞納を続けると最終的に次回の車検が拒否されるほか、財産を差し押さえられ、放置違反金などを強制的に徴収される可能性があるため、十分注意しましょう。

ステッカーの取り付けから数日経過した後、クルマの使用者に対して警察から「弁明通知書」と「放置違反金の仮納付書」が送られてくるステッカーの取り付けから数日経過した後、クルマの使用者に対して警察から「弁明通知書」と「放置違反金の仮納付書」が送られてくる

 実際に運転していなくても使用者責任が問われるケースがあることから、福岡県警察のホームページにおいては次のようにアナウンスしています。

「車両を他人に貸与する場合でも、あらかじめ運行経路を確認して駐車場所を確保するなど、運転者が駐車違反をしないよう必要な措置を講じてください。

 また、駐車違反をするおそれがある人には、車両を貸さないようにしましょう」

 ※ ※ ※

 放置違反金制度は、放置駐車違反をしても警察に出頭せず責任を逃れようとする「逃げ得」をなくすために導入された制度です。

 自分が所有するクルマはともかく、人から借りたクルマで違反をして警察に出頭せずにいると、クルマの使用者に対して放置違反金の納付命令が出されてしまうため、その点は注意すべきといえるでしょう。

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