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なぜ「コンビニワープ」は取り締まらない? 過去には死亡事故も… 危険ショートカットはどんな道交法に該当するのか

くるまのニュース / 2023年4月20日 14時10分

交差点などの角地にあるコンビニなどの駐車場を通り抜けてショートカットする行為を「コンビニワープ」と俗に呼びますが、道路交通法違反として取り締まることはできるのでしょうか。

■「コンビニワープ」で死亡事故も!該当するおそれがある違反内容とは

 赤信号で待つのを避けるため、交差点角地にあるコンビニの駐車場を通り抜ける行為(ショートカット)は「コンビニワープ」と呼ばれます。
 
 死亡事故が起こったこともある危険行為ですが、簡単に取り締まることができない事情もあるようです。

 コンビニによっては、広い駐車場を設けているところもありますが、その駐車場にクルマを停めることなく、通り抜けていくクルマも見かけることもあります。

 こうした赤信号で待つのを避けるため、交差点角地にあるコンビニの駐車場を通り抜ける行為は「コンビニワープ」と呼ばれており、過去には死亡事故も発生した危険な行為とされています。

 このコンビニワープはコンビニだけでなく、ガソリンスタンドや飲食店、スーパーなど、駐車場が比較的広い施設などで行われているのが実情です。

 コンビニワープするクルマは、駐車場に停めるつもりがなく、急いでいるため、スピードが出ていたり周りをよく見ていなかったりすることもあります。

 では、実際にコンビニワープは発生しているのでしょうか。都内のとあるコンビニエンスストアの店長は、以下のように話します。

「当店は交差点に面しており、駐車場も比較的広いため、コンビニワープしやすい場所ですが、実際にコンビニワープを行っている人を見かけることはあまりありません。

 ただ、当店では基本的にコンビニエンスストア利用客以外の駐車や利用は禁止しているため、そういった行為を見かけた際には、対処するつもりです」

※ ※ ※

 コンビニによっては、駐車場と歩道を区切ってポールを設置してあったり、片方の出入り口を塞いだり、さまざまな対策をとっている場合もあります。

 さらに、「当店ご利用以外の駐車場の利用は禁止いたします」や「他のお客様の迷惑になる行為はお控えください」といったように、注意の看板を設置している店舗や、防犯カメラを設置している場合もあります。

■痛ましい事故を起こさないためのコンビニワープの対応策とは?

 では、こうした危険行為は、どのような違反行為に該当するのでしょうか。また、実際に取り締まりは行っているのでしょうか。

 首都圏の警察署の担当者は、コンビニワープについて以下のように話します。

「コンビニやガソリンスタンドの駐車場は基本的には道路ではなく私有地の扱いになることから、基本的には道路交通法で取り締まることができるとは言い切れないのが実情です。

 状況によりますが、道路交通法の『安全運転義務違反』や『一時停止義務違反』で取り締まる場合や、刑法の『建造物侵入罪』に該当する可能性もあります」

「安全運転の義務」については、道路交通法第70条で以下のように説明されています。

「車両等の運転者は、当該車両のハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作し、かつ、道路、交通および当該車両等の状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならない」

 安全運転義務違反に該当する場合は、違反点数2点、普通車の場合は反則金として9000円が科されます。

交差点付近は歩行者が滞留していることもある交差点付近は歩行者が滞留していることもある

 そのほか、コンビニワープするために歩道などを横断するとき、一時停止せず歩行者の通行を妨げた場合は道路交通法第43条に抵触し、2万円以下の罰金または科料(1000円以上1万円未満)の罰則が設けられています。

 さらに前述の通り、本来コンビニの駐車場は買い物などの利用者のための場所であるため、コンビニワープの目的で侵入してきた場合は、刑法第130条「住居侵入等」に該当する可能性もあります。

 これに該当する場合は、3年以下の懲役または10万円以下の罰金が科される可能性があります。

 もちろん、人身事故が発生した場合は、私有地である駐車場内であろうと刑法上の責任が問われ、人をはねた場合は自動車過失運転致死傷罪となり、7年以下の懲役または禁固もしくは100万円以下の罰金が適用されます。

 つまり、コンビニワープを直接取り締まる法律はないものの、この行為は法律に触れる可能性があるということがわかります。

※ ※ ※

 実際に、2020年3月には、大分県宇佐市の飲食店の駐車場で3歳の女児が走ってきた軽トラックにはねられて死亡したという事故が発生しています。

 軽トラックの運転手は、赤信号待ちを避けるため近道しようとして駐車場に侵入してきたと話しています。

 こうした「コンビニワープ」による痛ましい事故を引き起こさないためにも、ドライバーひとりひとりが今一度交通ルールを再認識し、改めて安全運転を心がける必要があります。

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