車の上に「荷物満載」は違反? 便利な「ルーフキャリア」も使い方に注意が必要 正しい荷物の積み方とは
くるまのニュース / 2023年5月8日 13時10分
最近は気温も暖かく、アウトドアにもってこいの季節となりました。連休にはキャンプ用品などをルーフキャリアに積んで出かけているクルマを多く見かけますが、これらの荷物は一体どれくらい積むと交通違反になってしまうのでしょうか。
■アウトドアで荷物満載! でも大きさや積み方には注意が必要?
4月からは次第に暖かくなり、アウトドアに適した季節です。連休の時期になるとルーフキャリアを取り付けて、キャンプで使うテントや椅子などの道具を積んで走るクルマを多く見かけます。
ルーフキャリアを活用することで多くの荷物を運ぶことが可能ですが、一体どのくらいまで荷物を積んでも良いのでしょうか。
実は、クルマに積める荷物の大きさなどは道路交通法施行令第22条に定められており、積む荷物の「大きさ」や「積載方法」などに制限があります。
制限が設けられている理由としては、荷物が大幅にはみ出ていれば他のクルマや歩行者などと接触するおそれがあり、高さが高いと道路上の工作物に衝突することなど、さまざまな危険があるためです。
荷物の大きさに関しては、長さが車体の長さの1.2倍まで、横幅が車体の幅の1.2倍まで、高さが地面から3.8m(三輪の普通自動車および軽自動車は2.5m)までと決められています。
例えば、全長4500mm×全幅1700mmのクルマであれば、5400mm×2040mmまでの荷物を積載可能ということになります。
なお、軽自動車の中にはスズキ「エブリイ」やホンダ「N-BOX」などの軽ワンボックス車のように、高さが1.8m程度と比較的高いクルマもあるため、ルーフキャリアに荷物を積む際には容易に高さ制限を超えてしまう可能性があり、注意が必要です。
さらに荷物の積載方法(積み方)については、クルマの前後ともに車体の長さの0.1倍まで、左右ともに車体の幅の0.1倍までなら荷物をはみ出して積むことが可能です。
もし、荷物の大きさや積載方法がこれらの制限を超える場合には、出発地を管轄する警察署などで「制限外積載許可」の手続きをおこない、許可を得てからでないと走行できません。
荷物の大きさや積載方法が制限を超えた状態で、警察の許可を得ずに走っていた場合、「積載物大きさ制限超過」や「積載方法制限超過」の違反で違反点数1点、普通車で反則金7000円を科される可能性があります。
このように、道路交通法ではトラックなど荷物を載せる用途のクルマだけでなく、乗用車にも荷物の大きさや積載方法が定められているため、ルーフキャリアなどで荷物を運んだことのある人は、事前に確認しておいたほうがよいでしょう。
■荷物の「重さ」にも注意が必要?
クルマに積む荷物には、大きさと積載方法がそれぞれ定められていますが、荷物の「重さ」に関しても注意が必要です。
不必要なものは積まないことも大切
重量オーバーだと加速性能が悪くなるのに加え、ブレーキの効きが悪くなる、急ハンドルを切ったときに荷崩れを起こしやすくなるといった危険性があるため、よく確認することが大切です。
トラックやバンなどの貨物自動車であれば車検証に荷物の最大積載量が記載されているほか、荷台部分やテールゲートなどに最大積載量のステッカーが貼付されています。
一方で、貨物用でない普通自動車や軽自動車は荷物を運ぶ目的のクルマではないため、具体的な数値の記載はありません。
乗用車の最大積載量に関しては、トヨタは以下のように説明します。
「乗用車には、最大積載量の概念がありません。
車両全体としての目安は、乗車定員×55kg+乗車定員分の手荷物程度と考えています。この数値を大幅に超える重量の荷物の積載は、安全上控えてください」
日産も乗用車の最大積載量の考え方として「乗車定員×55kg+手荷物程度の重量(=乗車定員×10kg)」との計算方法が掲載されています。
つまり、乗車定員が5人のクルマであれば「体重55kg×5人+手荷物10kg×5人=325kg」がクルマの設計上安全に運行できる重量であり、仮に2人乗車の場合には「325kg-(55kg×2人)=215kg」が積める荷物の重さの目安といえるでしょう。
そのほかクルマのルーフキャリアに荷物を積む際には、荷物が転落して他のクルマに当たるなどのトラブルを避けるためにも、ロープなどで荷物を縛る、ルーフボックスを使用する際はしっかりと固定するなどの対策を取ったほうがよさそうです。
※ ※ ※
このように、クルマに積む荷物に関しては大きさや積載方法などに制限があり、制限を超えて走行すると交通違反として検挙されたり、他のクルマや道路工作物などとの事故に発展するおそれがあります。
また違反にならなくても、多く荷物を積むと重量や空気抵抗が増え、燃費の低下や荷物の落下を招く可能性があるため、本当に必要な道具を厳選し、どうしても車内に入りきらない荷物があればルーフキャリアに載せるといった工夫をすることが重要です。
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