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4WD車は万能じゃない!? アウトドア時の「油断」は禁物…過去には死亡事故も 悪路や河川で気をつけるべきコトは

くるまのニュース / 2023年5月4日 9時10分

高い最低地上高と4WDで悪路走破性の高さが魅力のSUVですが、その性能を過信して、どこでも走れると勘違いしてしまうユーザーもいるようです。オフロードや悪路を走るときはどのようなことに注意すれば良いのでしょうか。

■4WDは万能じゃない! アウトドアシーンで気をつけるべきコトとは?

 いよいよアウトドアレジャーの本格的なシーズンがやってきます。

 愛車で山奥や砂浜、河原など自然豊かなキャンプ場に出かける人もいるかもしれません。
 
 道中に未舗装路を通ることもあり「アウトドア&キャンプ=4WD車」という印象を持っている人も多いでしょうが、実は4WDは万能なクルマではないのです。

 4WDは4本のタイヤに駆動力が伝わることから、一般的に優れた走破性を持つものと考えられていますが、4WDにもいろいろなタイプがあります。

 スズキ「ジムニー」やジープ「ラングラー」が採用するパートタイム4WD、SUVやミニバン、ステーションワゴンに採用されるフルタイム4WD、そしてフルタイム4WDでもトヨタ「ランドクルーザー」のようにセンターデフロックが可能なものなどまちまちです。

 ざっくりとした言い方をすれば、パートタイム4WDに比べるとフルタイム4WDはスタックしやすく、悪路走破性という点では劣ると言わざるを得ません。

 もちろん、パートタイム4WDでも無敵とは言い難く、場所によっては簡単にスタックしてしまうことがあります。

 レジャーに行く際に気をつけなければならないスポットはいくつかありますが、その筆頭に来るのが砂浜です。

 海水浴場の駐車場は砂の上に設定されている場合があり、季節外れだと十分な整備がなされていないことがほとんどです。

 整地されていない砂浜は柔らかくなっていることが多く、本格オフロード4WDでも油断すると簡単にスタックしてしまいます。

 そうした中でゴールデンウィーク以降、本格的な行楽シーズンがやってくると、海水浴場でスタックするクルマが多くなると、千葉県の漁業関係者はいいます。

「ウチは夏に海の家を開くのですが、1週間に数台はスタックしたから助けて欲しいとやってくる人がいますね。

 砂は表面が堅そうに見えても下が柔らかく、アクセルを開けすぎると簡単にタイヤが埋まってしまうんですよ」

砂は悪路に強いと言われている4WDでも簡単にタイヤが空転する可能性がある砂は悪路に強いと言われている4WDでも簡単にタイヤが空転する可能性がある

 砂はタイヤのトラクションを発揮しにくいため、悪路に強いと言われている4WDでも簡単にタイヤが空転します。

 特にフルタイム4WDは特別な機構を持っていないと、一輪が空転したら全輪が停止してしまうというメカ特性があります。

 しかも、4WDは悪路走破性が高いので砂浜の奥まで走ってしまい、気がついた時には取り返しがつかいないというケースが多いのです。

■河原や河川は…特に注意! 何に気をつけるべき?

 砂浜に次ぐ、4WDの危険スポットは河原。

 BBQやキャンプに行くと走る機会が多い場所です。特に、砂利と砂が混じったようなエリアはスタックの危険性が高くなります。

 また大きな石が転がっている場所では、十分な最低地上高がないクルマだと車体下に石を抱え込む“カメの子”スタックになることも。

 オートキャンプ場にも危険スポットはあります。

 例えば草地の斜面。草地のキャンプサイトは朝露や雨に濡れると摩擦係数が大幅に下がり、オンロード系タイヤではトラクションが低下します。

 ちょっと起伏があるだけでも、四輪の接地性が落ちることから、登りではスタックすることが珍しくありません。

 キャンプ場に行くと、そのような場所でタイヤが掘ってしまった跡を頻繁に見かけます。場所によっては、未舗装の林道を通っていくことがありますが、降雨の後にできる深いぬかるみも要注意ポイントです。

 斜面から土砂が流れてきた場所にぬかるみができることが多いのですが、4WDでもオンロード用タイヤでは轍の中で前進できなくなることがあります。

 こうした場所では、できるだけ道の中央部を避けて、路面が堅い脇のラインに片輪を乗せて走るのが安全です。

雨天時や雨上がりのぬかるんだ路面は要注意!雨天時や雨上がりのぬかるんだ路面は要注意!

 キャンプ場によっては、河川の中を渡ってキャンプサイトに行くことがあります。大抵は、2WDでも難なく渡れることが多いのですが、時として状況が変わることがあります。

 これから夏に向かって川床に藻や苔が多く発生しますが、それがタイヤ空転の原因になります。

 水の浮力が働くので、タイヤのトラクションも低下します。無理にアクセルを開くと、川床の砂や泥を掘り出してしまい、これもスタックに原因になることがあります。

 4WDのイメージにありがちですが、激しく水しぶきを上げながら、川の中を走るのもNGです。

 エンジンが水を吸って、止まる原因になり、ディーゼルエンジンでは「ウォーターハンマー現象」という最悪のケースに繋がります。

■過去には死亡事故も…河川増水の危険とは…

 河川で最も危険なのが増水です。

 夕立やゲリラ豪雨の直後は降雨から僅か数分で川の水量が劇変します。

 水が増えた状態で渡河しようとすると、2トンもあるオフロード4WDでも簡単に流されますし、もちろん四輪駆動であることも意味を持ちません。

 実際の状況について、神奈川県の河川敷にあるキャンプ場オーナーは次のように語ります。

「ウチにも多くのお客さんが来てくれますが、実は河川敷というのは難易度が高い場所です。

 昨今は夏に天候が激変することが多く、水際は危険をはらんでいます。

 お客さんの中には『ウチのクルマは4WDだし、重いから流されない』という人がいますが、2014年に神奈川県内のキャンプ場で川を渡ろうとしたクルマが流された事故を考えれば、4WDも2WDもまったく関係ないわけです。

 エキスパートほど、河川の中での運転は慎重になりますね」

トヨタ「ランドクルーザー300」は水深70cmまでいけるが…渡河時の運転を熟知していなければ難しいトヨタ「ランドクルーザー300」は水深70cmまでいけるが…渡河時の運転を熟知していなければ難しい

 ちなみに、前述してきたようなスポットでスタックした場合の鉄則があります。

 それは、少しでもタイヤが空転したら、すぐにアクセルを戻すこと。そして、一度来たルートをバックするのが無難です。そして再度、別なラインを通って走破を試みます。

 スタックしてしまった場合は慌てず、タイヤを数cmづつ前後に動かします。

 前進で進める所まで動かし、タイヤが空転、停止してしまったら、すばやく後退。また空転、停止したら再度前進。

 これを繰り返しているうちに、スタックから脱出できる時があります。この脱出法を「もみ出し」と言います。

 フルタイム4WDでトラクションコントロール(TRCなど)が付いたクルマの場合は、その機能をOFFにします。

 ブレーキLSDトラクションコントロール機能が付いている場合は、TRCをOFFにすると作動しなくなるので注意しましょう。

※ ※ ※

 メカやドライブテクニックに自信がないという人は、キャンプ場スタッフやロードサービスにレスキューを依頼するのが無難です。

 自己流であがくと、かえって状況を悪くする場合があります。アウトドアレジャーに行く機会が多い人は、牽引ロープをいつも携行しておくと安心なのではないでしょうか。

 4WDは走行時の安全性を高め、悪路走破性も向上させる駆動システムですが、万能ではありません。

 2WDよりも少しだけ走破性が高いくらいに考え、未舗装の場所では特に慎重に走ることをオススメします。

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