日産「スカイライン」まさかのSUV化! スポーティすぎるSUV「スカイライン クロスオーバー」はFRも選択可能だった
くるまのニュース / 2023年4月27日 13時10分
65年以上に渡り今も続く日産随一の老舗ブランド「スカイライン」。高性能セダンというイメージの強い車種ではありますが、かつてSUV版と言える「スカイラインクロスオーバー」というモデルが国内でも販売されていました。一体どのようなクルマだったのでしょうか。
■クラウンより先に「SUV化」していたスカイライン
トヨタは「クラウン」をSUV化したモデル「クラウンクロスオーバー」を2022年9月に発売、さらにスポーティなSUV「クラウンスポーツ」やワゴンとSUVを融合した「クラウンエステート」の発売を予定しています。
「高級セダン」として認知されていた老舗ブランドがSUV化するという大変革は大きな話題を呼んでいますが、かつて日産も「高性能スポーツセダン」として知られる「スカイライン」の名前を冠したSUV「スカイラインクロスオーバー」というモデルをラインナップしていました。
スカイラインは、1957年の初代モデル誕生以来、65年以上に渡り今も続く日産随一の老舗ブランドであり、日本を代表するクルマのひとつです。
歴代スカイラインは、クラウンなどの国産高級車をライバルとしながら、凝った足回りや高出力エンジンがもたらす走行性能の高さによってスポーティな性格を与えられ、その長い歴史の中でクーペやコンバーチブル、ワゴンなど派生となるボディタイプも展開していたものの、基本型としてセダンというボディタイプを絶やさず貫き通してきました。
そんな高性能セダンの印象の強いスカイラインですが、2009年には12代目モデル(V36型)の派生車として、スカイラインで初となるクロスオーバーSUV「スカイラインクロスオーバー」(J50型)が登場しました。
スカイラインクロスオーバーのスタイリングは、セダン版のスカイラインと共通イメージのフロントマスクと、後方に行くにつれてなだらかに低くなるルーフを組み合わせた、スペシャリティ感の高いクーペスタイルを採用。
ボディサイズは全長4635mm×全幅1805mm×全高1575-1600mm。最低地上高は150-165mmと本格SUVほど高くはありませんが、セダンやクーペより高い設定とすることで荒れた路面も走行可能です。
パワーユニットは330馬力を発揮する3.7リッターV型6気筒エンジンを搭載。これに7ATのトランスミッションを組み合わせ、駆動方式はFRもしくは4WDが選べました。
セダンとクーペ、そしてSUVという、3つのボディタイプの魅力を高度に融合させたスカイラインクロスオーバーは、基本構造がFRベースという個性的なキャラクターもあって今見ても十分に魅力的ですが、当時はまだSUVブームが始まる前でした。
さらにスカイラインクロスオーバーは、日産が海外向けに展開している高級SUV「インフィニティ EX37」を国内向けに仕立てたクルマという側面も強く、また同クラスに同格のSUV「ムラーノ」があったこと。さらにエンジンが高排気量の3.7リッターのみという設定だったこともあり販売は苦戦。
スカイラインクロスオーバーは2016年に生産を終了し、国内では後継車も無く1世代限りで姿を消してしまいました。
※ ※ ※
2023年4月現在、スカイラインはついに日本国内における「日産最後のセダン」となっています。
思えばスカイラインは、走りを楽しむスポーツセダンというイメージも強いですが、その一方で時代の最先端を切り開くチャレンジングな役目も果たしてきた、先進性・多様性のあるモデルでもありました。
初代モデルが近い時代に誕生した老舗ブランドのクラウンが、最新モデルではクロスオーバーSUV化して注目を集めているように、スカイラインもまたSUVなどに展開を広げることで、再び栄光を取り戻す可能性も否定できないのではないでしょうか。
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