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シフト「N」で坂を下るのはアリ? 燃費は関係ない? 「ニュートラル」ギアのそもそもの使い道とは

くるまのニュース / 2023年4月29日 21時10分

AT車のN(ニュートラル)ギアは、どのような時に使うものなのでしょうか。燃費を意識して下り坂で使っても良いのでしょうか。

■故障時にNの出番

 AT(オートマチック)車のN(ニュートラル)ギアは、通常の運転ではあまり使う機会がないものですが、どのような時に使うものなのでしょうか。

 また、「下り坂ではニュートラル走行をすると燃費が良くなる」という話を耳にすることがありますが、坂道でシフトを「N」にして走るのはアリなのでしょうか。

 Nは「ニュートラル(neutral)」のことで、「中間」「中立」を意味します。

 そのため、シフトがNに入っている場合は、エンジンとトランスミッション(変速ギア)がつながっていない状態です。

 シフトがNだと、エンジンの動力がギアから完全に離れているので、エンジンの回転が増したところでクルマが動くことはありません。

 駐車時に使う「P」(パーキング)は、ギアにロックをかけてクルマを停止させるものであるため、Nとは別の役割があります。

 Nを使う機会は、クルマが故障したときが一般的でしょう。シフトをNに入れた状態でクルマを牽引してもらいます。

 また、何らかのエンジントラブルでクルマが動かなくなってしまったとき、手で押して動かす場合に使用します。

 走行中にNを使うことは、まずありません。信号待ちや停車時のとき、Nを頻繁に使う人もいますが、安全のためにはシフトを「D」(ドライブ)の状態で、ブレーキを使用した方が確実でしょう。

 また、N自体には、燃費向上の効果はそれほど期待できません。

 クリープ現象を抑制することで燃費の節約につながるという考え方もありますが、実際はシフトがNでもエンジンはアイドリングを維持するので、「D」のままにした時と比べて燃費は変わることはないでしょう。それどころか、不必要なギアの切り替えは摩耗や破損にもつながる可能性が高いです。

 Nの状態だとタイヤに動力が伝わらないため、エンジンを回していても、クルマが前進や後退をすることはありません。

 しかし、道路に傾斜がある場合、ギアがつながっていないクルマは勝手に動きます。そのため坂道でNを入れることは、むしろ危険な行為です。緊急時の場合以外は使用しないようにしましょう。

 また、シフトをNにして走行した場合、エンジンの回転抵抗を利用できず、エンジンブレーキがまったく機能しなくなるため、フットブレーキを多用することになります。

 その結果、ブレーキが発熱しブレーキの利きが悪くなる「フェード現象」や、ブレーキ液に気泡が入りブレーキの利きが悪くなる「ベーパーロック現象」を起こす可能性が高くなり、重大な事故を呼ぶ恐れがあります。

※ ※ ※

 シフトのNは、クルマが故障して動かないようなときの、緊急移動やレッカー移動などのために付いています。そのため、Nにすることで燃費が向上するというのは誤った考えです。

 坂道をNで駆け下ることは大変危険な行為であり、重大事故につながる恐れがあるため、走行中の使用は控えましょう。

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