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普及進む「ワンタッチウィンカー」どう思う!? 「ワンクリックでスムーズ」「後続車が気付きにくい」と賛否両論に

くるまのニュース / 2023年5月5日 14時50分

近年、国内外の新型車で「ワンタッチウィンカー」の普及が急速に進んでいます。通常のウィンカー機能に加え、ワンクリックで3回から5回程度点灯する便利な機能ですが、その必要性に疑問を持つ声もあるようです。

■「ワンタッチウインカー」肯定派と否定派、それぞれの意見とは

 クルマのウインカーレバーを軽くクリック操作すると、数回だけ点滅して消えてくれる「ワンタッチウインカー」は、ハンドルを切っても点滅がキャンセルされないので、車線変更の際などに便利な機能です。
 
 一方でSNSなどでは「危険ではないか」という声も見られます。はたして、本当に必要な装備なのでしょうか。

 ワンタッチウインカー最大のメリットは、ウインカーの戻し忘れが防止できることにあります。

 車線変更時のように、ハンドルの戻し量が少ない操作では、通常のウインカーは自動で元に戻らないため、手動で戻すのを忘れてしまうとウインカーが出しっぱなしになってしまいます。

 しかしワンタッチウインカーならば、数回点滅したあとは自動で消えてくれるため、消し忘れて後続車を混乱させる心配もありません。

 また、ウインカーを戻すという1つの動作が省略できるので、スイスイと走れるような高速走行では、テンポよく進路変更ができるのも利点といわれており、実際に高速道路の車線変更では、多くの人が使っているのを見かけます。

 ただし、標準的なワンタッチウインカーの点滅は3回と、3秒程度で終わってしまいます。

 3回3秒程度だと、後続車から見れば「ウインカー点滅と同時に突然車線変更した」、あるいは「点滅が終わってから車線を変更した」かのように見える可能性も。

 そして後続車がウインカーの合図を正確に認識できないと、交通事故のリスクが高まり、くわえて「強引に車線変更した」「割り込んだ」と受け取られてしまうと、あおり運転を誘発するリスクも高まります。

 このあたりの動作や各ドライバーの行動を踏まえ、SNSなどではワンタッチウィンカーに対し賛否両論があるようです。

 法的にみても、道路交通法では「進路を変える際、進路変更が完了するまでウインカーを出し続けること」、また「進路変更では、進路変更する3秒前にウインカーを出さねばならない」と決められています。

 3秒程度しか点滅しないワンタッチウインカーは、実際にクルマが車線変更を行う時には、ウインカーは動作していない、もしくは、車線変更と同時にウインカーが動作することになり、「合図不履行違反」となる可能性があります。

 この点を考慮してか、トヨタのワンタッチウインカー装着車は、点滅回数を5回と、標準的な3回よりも多く設定しています。

 トヨタの担当者によると、「進路変更が完了するまでウインカーがつくようにしたかった」ことが狙いとのこと。確かに5回(5秒程度)点滅にすれば、3回(3秒程度)よりも安全性は高まります。

 しかし、それでも進路変更前3秒前に点滅させると、実際の進路変更に使える時間は2秒程度しかありません。

 後継車に迷惑をかけずに安全に進路変更し、法令も順守するなら、点灯は7~8回程度は必要ですが、ワンタッチウインカーは一度作動させてしまうとキャンセルができないため、回数を増やすとなるとキャンセル機能を追加する必要があります。

 ただ、ワンタッチウインカーにキャンセル機能を付けてしまうと、通常のウインカーと何ら変わらないことになりかねません。

 メーカーは、利便性や安全性、コストなど総合的に判断して、3回から5回の点滅回数が適切であると判断しているようです。

※ ※ ※

 ストレスなく進行変更ができる便利な装備という肯定派と、法的にも違反している可能性があり危険だから止めるべきという否定派が混在する、ワンタッチウインカー。

 法令遵守と安全性の観点から見ると、必ずしも必要ないのでは、と思わされる面もありますが、メーカーの動きを見る限り、賛否両論や法的な矛盾も抱えながら、今後も確実に普及していくことが予想されます。

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