クルマの足元を支える「アルミホイール」は必要?「鉄」じゃダメ? 純正採用の増える理由とは
くるまのニュース / 2023年5月23日 20時10分
クルマの足元を支える「ホイール」ですが、近年「アルミホイール」を新車に標準採用するクルマが増えています。アルミホイールを装着するメリットやホイールの選び方、品質の調べ方について紹介します。
■アルミホイールなぜ人気高まる? メリットとは
「タイヤ」とともにクルマの足元を支えるパーツ「ホイール」ですが、近年その素材にアルミニウム合金を使用した「アルミホイール」を新車に標準採用したクルマが増えています。
このアルミホイールには、一体どのようなメリットや役割があるのでしょうか。
クルマのホイールは、エンジンなどから巡ってきた動力である車軸の回転を路面に伝えるという重要な役割を担っています。
普段はあまり意識されないパーツゆえに会話などではタイヤとホイールが混在して語られることも少なくなく、例えば「走行中にタイヤが取れた」など、タイヤとホイールはワンセットと思われがちですが、ホイールは車軸に直接取り付けられた金属製の部品、タイヤはホイールを覆うように巻き付いているゴム製の部品を指します。
かつて馬車などの時代にはホイールは「木」で作られており、ゴム製のタイヤも存在しなかったため、路面のゴツゴツした衝撃をそのまま車内に伝えていました。
現代の自動車ではホイールは鉄やアルミ合金など金属製になり、さらに周囲にはタイヤが取り付けられたことで、衝撃を吸収するとともに路面をしっかりグリップするよう進化しています。
そんなホイールですが、近年は鉄製のスチールホイールよりアルミホイールを標準採用するモデルが増えています。
その理由とアルミホイールのメリットについて、高いシェアを誇るホイール製造メーカー、株式会社レイズの担当者に話を聞きました。
「基本的にホイールの材質は、スチール製とアルミニウム製の2種類に大きく分かれますが、アルミホイールの需要は時代の変化と共に高まっています。
理由としては、アルミホイールはスチールホイールに比べて軽く、デザイン性も高いという特徴があるためです。
アルミニウムは非常に軽い金属ですので、この合金を採用することでホイールを軽量化できます。
ホイールはしっかり作られた重いパーツで、しかもクルマには4つも取り付けられるため、ホイールを軽量化するとクルマの重量を軽減するとともに燃費の改善も期待できます。
さらに、新型車やフルモデルチェンジするクルマのボディサイズは年々大きくなっていく傾向にあり、それに比例してホイールも大口径化しています。
ホイールが大きくなると足回りの“バネ下重量”が増加し、燃費やクルマの挙動に大きな影響を及ぼすため、“軽くて強い”アルミホイールを求める声が市場から高まっているのです」
近年のクルマの大型化のみならず「電動化」も急速に進んでいますが、アルミホイールが求められる傾向に変化は無いのでしょうか。
「EV(電気自動車)の普及によっても、アルミホイールの需要は高まっています。
EVは大型のバッテリーやモーターなどを搭載するため車両重量が重く、それに耐える強度を備えながら軽量化と電費向上に繋がるホイールの素材として、アルミはますます求められるようになりました。
また、クルマの軽量化を実現できることにくわえて放熱性能の高さから、モータースポーツでもアルミホイールは必須です。
そのほか、スチールホイールに比べてデザインの自由度が高いため、ファッション性を求めるドレスアップ用としても根強い人気を維持しています」(レイズの担当者)
このように、自動車市場の変化に伴ってアルミホイールのニーズは年々高まっており、現代のクルマにとって必要不可欠なパーツになりつつあるということでした。
※ ※ ※
スチールホイールと違って「錆びない」というメリットから、冬タイヤにも向いているという声もあり、需要が高まり続けるアルミホイール。
しかしホイールは「とにかく軽ければいい」ということはなく、重要保安部品でもあります。そのため、ホイールを選ぶ際には品質を確認するため「JWLマーク」や「VIAマーク」が刻印されているかチェックするのが有効です。
JWLマークとは国土交通省が定めた品質・性能の技術規格で、メーカーがその品質に達していると認める製品に取り付けられるマーク。VIAマークは第三者機関である「一般財団法人 日本車両検査協会」が適合試験をおこない品質の証明を行ったことを示すマークです。
これらの条件を満たしたアルミホイールなら安心といえるため、社外ホイールを選ぶ際にはマークの有無の確認を忘れないようにしてください。
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