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車のおでかけ「熱中症」は5月こそご用心!? 真夏より怖い「暑熱順化」への対応とは

くるまのニュース / 2023年5月16日 17時10分

熱中症と聞くと主に真夏に発生する症状と思われがちですが、暑さのはじまりである5月こそが最も注意すべき時期だといいます。車内での熱中症対策は、どのようにしたら良いのでしょうか。

■人間の身体は日々の暑さを徐々に慣れながら耐性をあげていく特性がある

 例年5月は天候の良い日が多く、GW以降もクルマでレジャーに出かける人も多いでしょう。暦としては春にあたる5月ですが、最高気温が25度以上の夏日や、30度以上の真夏日になることもあります。
 
 しかし身体は「暑熱順化(しょねつじゅんか)」されていないため、特に「熱中症」の注意が必要だといいます。どういうことでしょうか。

 人の身体は、気温の上昇が長期的に続くことで暑さに慣れ、暑さへの耐性が強くなります。これを暑熱順化といいます。

 しかし暑さが始まる5月では、まだ十分に暑熱順化されていないため、熱中症の注意が特に必要だという訳です。

 熱中症は、暑い環境で過ごすことで脱水などを起こし体温調節機能が失われ、体温が上昇して発生する症状を指します。

 頭痛やめまい、吐き気やおう吐、無気力感や意識の混とんなどの体調不良が見られ、時には死につながることもあります。

 総務省の発表によると、2021年5月に熱中症で搬送された人は全国で1626人。翌2022年5月は2668人と、前年よりも人数が増えています。

 特に、車内での熱中症には注意が必要です。車内は、外気温よりも密閉されやすいため高い温度になりやすく、長時間いると体温が上昇し、熱中症になるリスクが高まります。

 JAF(日本自動車連盟)は2019年5月初旬、車内温度の上昇に関する実験(JAFユーザーテスト)を行いました。

 この実験では、屋外の直射日光が当たる公園の駐車場に軽ワゴンと大型SUVの2台を駐車し、1時間後の車内とダッシュボードの温度を測定しています(気温:23度から24度/天候:晴れ)。

 その結果、軽ワゴンの車内温度は25度から37.5度に、大型SUVは25度から43.5度にそれぞれ上昇したといいます。

 またフロントガラスに直接照らされるダッシュボードについては、軽ワゴンが33.2度から41度に、大型SUVは29.9度から57.3度にまで上昇しています。

 この結果からも、5月であっても車内温度は1時間で40度前後にまで上昇することがわかります。

 特にSUVの温度が高くなった要因として、フロントガラスの面積が広くガラス面の角度も浅いため、直射日光が入りやすいことが考えられます。

 朝晩が涼しいため、日中の温度に対して油断しやすい5月は、暑熱順化されていないこともあって、特に注意が必要といえるでしょう。

 このようにJAFのテストでもわかる通り、短時間でも車内の温度は高温になります。

 なかでも子どもは体温調節機能が未熟なため、特に熱中症になりやすいといわれています。また高齢者も、喉の渇きや体調の変化に気づきにくく、熱中症のリスクが高いので注意が必要です。

 子どもや高齢者、そしてペットなどを車内に残してクルマから離れることは、例え短時間であっても絶対にしてはいけません。

■車内での熱中症を防ぐ3つの予防対策とは

 車内での熱中症を予防するためには、次の3つのような対策を行うことが重要です。

水分補給は「喉が渇いた」と感じるより前に、こまめに行うのがポイントです[画像はイメージです]水分補給は「喉が渇いた」と感じるより前に、こまめに行うのがポイントです[画像はイメージです]

 1つめは駐車場所に気をつけることです。

 車内の温度の上昇を抑えるためには、車を直射日光の当たらない場所に駐車することが大切です。やむを得ず日光が当たる所に駐車する場合は、市販のサンシェードなどをフロントガラスに広げたり、窓ガラスを数センチ開けておくなどの工夫をするようにしましょう。

 また日陰に駐車したり、窓を開けていても、車内の温度は上昇します。長時間の車内待機は避けましょう。

 2つめは、高温になった車内の温度を早く下げることです。

 長時間の駐車で車内が高温になった場合は、一度窓を全開にし、外気を導入しながら走行して、車内の空気を入れ替えましょう。

 その後、適切な温度でエアコンを使用し、冷風を循環させることで、より早く車内の温度を下げることが出来ます。

 走行中も、定期的に車内空気の循環とエアコンの使用で、車内の温度を適正に保つことができます。

 3つめはこまめな水分補給です。

 車内に水や飲み物を常備しておくことで、脱水症状を防ぐことができます。特にペットや小さな子ども、高齢者が同乗する場合は、喉が渇いたと感じる前に、こまめな水分補給が必要です。

※ ※ ※

 暑い車内で起こり得るリスクは、このほかにもあります。

 例えば缶入り炭酸飲料、制汗スプレーなどの缶は、高温になると中の気体が膨張し、破裂の危険があります。車内荷物に缶製品がないか注意しましょう。

 またスマホ、タブレット、ノートパソコンは、搭載されているリチウム電池が高温により保護回路が壊れ破損したり、データ消失の恐れがあります。

 さらに電池が入っているものは漏れ、破裂の原因につながる可能性があるため、注意が必要です。子供のおもちゃ、電気シェーバーなどの電池入りの製品も、車内放置を控えておいたほうが安全でしょう。

 これらの対策を常に忘れないようにしながら、快適なドライブを楽しみましょう。

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