車に必ず積んでる「赤い筒」使い方は? 実は「使っちゃNGな場面」と「使用期限」も存在! 近年は新タイプも登場
くるまのニュース / 2023年5月13日 10時10分
車内に必ず「赤い筒」が装備されています。これは一体何なのでしょうか。
■グローブボックスの下にある「赤い筒」ってなんだっけ?
日本で走行するクルマには、必ず車内に「赤い筒」が装備されています。
ほとんどの場合、ダッシュボード下グローブボックス付近やドアポケットなど、手に取りやすい場所に装備されていますが、一体何なのでしょうか。
ダッシュボードの下に設置されている赤い筒は「発炎筒」と言われるもので、正式には「自動車用緊急保安炎筒」と言います。
高速道路でパンクやガス欠などにより停止してしまった場合や、カーブなど見通しの悪い場所で故障してしまった場合などに、後続車など他車に停止車両があることを伝えるために必要なアイテムです。
主に、高速道路やバイパスなどの走行スピードの高い道路や、クルマの往来が激しい一般道、列車が通過する踏切などで事故や故障により停止してしまった場合に使用します。
発炎筒を使うには、発炎筒のキャップをまわしながら外し、マッチに火をつける時と同じようにすり薬で本体の先端をこすって点火させ、クルマの後方など後続車に見えやすい場所に素早く置いて、安全なところに避難します。
あわせてクルマのハザードランプを点灯させたり、三角停止板を置くなど、複数の方法を組み合わせて停止を示すことも大切です。
火のついた発炎筒は、鮮やかな赤色の炎が5分以上燃焼し、昼間は600m以上、夜間は2km以上離れた場所からでも視認可能です。
ただし、トンネル内では発炎筒の煙が充満して視界不良の原因となり、二次的事故に繋がるおそれがあるほか、クルマからガソリンやオイルが漏れ出た状態などの場合は、引火する危険性があるため、これらの状況では使用してはいけません。
このように、発炎筒は安全確保のために使用するもののため、ふだんから発炎筒の設置場所や使い方を確認しておくことが大切です。
また、ドライバー以外でもよくクルマに乗る人は使い方を知っておくことで、万が一ドライバーがケガや体調不良などで動けない場合など、安全の確保が可能となります。
この発炎筒を使う機会はあまり多くはありませんが、道路運送車両の保安基準の第43条において「非常信号用具」の車載が義務付けられており、国産車か輸入車かを問わず、装備していなければならないものとなっています。
発炎筒は「保安部品」のひとつであるため、法令に基づいた規格に合ったものを車載していないと車検に通りません。
また、発炎筒はJIS規格によって使用期限が4年と定められており、使用期限の過ぎたものは劣化などにより点火しないおそれもあるため、有効期限内のものを載せておく必要があります。
発炎筒が搭載されていないことが発覚すると「整備命令書」が交付されることがあり、交付後15日以内に補充するなど対応しない場合は罰則を受けることがあります。
通常は、車検の際に使用期限が次の車検まで残っているかチェックされるため、必ず使用期限内のものが搭載されていることになりますが、1回使い切りのため、車載の発炎筒を使用した場合には自分で補充する必要があります。
最近では、マッチのように擦って点火する発炎筒だけでなく、LEDライトが点灯する電池式のタイプも販売されており、こちらは長時間の点灯や複数回の使用が可能で、使用期限もありません。
発炎筒の有効期限が切れていたり、そもそも発炎筒が搭載されていなくても、すぐに罰則を受けることはありませんが、もし発炎筒がクルマに載っていない場合は早急に補充しましょう。
※ ※ ※
なお、故障や事故など高速道路上でやむを得ず停車させる場合には、三角停止板や停止表示灯などの停止表示器材を使用することが必要です。
こちらは発炎筒とは異なり、積載の義務付けがなく標準装備されていませんが、必ず設置しなければならないことが道路交通法第75条11において定められています。
万が一のためにこのような非常用アイテムの使い方や収納場所を確認するとともに、正しく機能するかを点検しておくことで、ドライブに安心感が生まれるかもしれません。
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