トヨタ「快速ハッチバック」はなぜ売れる？ アンダー150万円＆6速設定も！ 人気「ヤリス」の現状とは

2020年に「ヴィッツ」から「ヤリス」となったトヨタのエントリーモデルですが、現在ではどのような売れ行きなのでしょうか。

■実はバリエーション豊富!? 1リッター＆1.5リッター／ガソリン・ハイブリッド／CVT・MT備えるヤリスとは

　トヨタ「ヤリス」といえば、トヨタの人気車種であり、低価格かつコンパクトなボディにより取り回しの良いクルマとして多くのユーザーから親しまれているモデルです。
　
　2020年から発売されている現行モデルですが、現在ではどのような売れ行きなのでしょうか。

　ヤリスは、元々日本市場において「ヴィッツ」という名称で販売されていましたが、2020年に現行モデルへとフルモデルチェンジする際に海外向けに使われるヤリスという車名に変更されました。

　また発売後から現在まで日本自動車販売協会連合会の発表による登録車ランキングでは、常にTOP3にランクインするなど好調を維持しています。

　なおこの販売台数には、「ヤリスクロス」や「GRヤリス」でのシリーズ合算であるため、あくまでも参考値と言えますが、内訳としては半数ほどをヤリスが占めているため、ヤリスが日本支持で人気が高いことは変わりません。

　このように、日本でトップの人気を誇るヤリスですが、現状はどのような売れ行きなのでしょうか。関東圏内のトヨタ販売店担当者は次のように話します。

「ヤリスはトヨタの登録車ラインナップでエントリーモデルという位置づけで、現在も非常に多くのオーダーをいただいております。

　特にハイブリッド車のほうがガソリン車に比べて人気は高いです。

　ハイブリッド車はガソリン車よりも35万円ほど高くなりますが、エコカー減税やリセールバリューなどを考慮して、ハイブリッド車を購入されるお客様が多い傾向にあります。

　グレードとしては真ん中の『G』が一番人気で、そこからアルミホイールや衝突被害軽減ブレーキといった安全装備をオプションでつけるといったお客様が多いです」

　また、ヤリスの人気の理由に関して前出の担当者は次のように話します。

「ヤリスの最大の魅力はコストパフォーマンスにあります。

　この価格にしては作りが非常によく、実際に試乗していただいて『走り出しの加速がいい』といった声をいただいております。

　また、『デザインがいい』といった声もいただいております。

　低価格で燃費がよく、なおかつ安全装備が充実したクルマを探しているお客様が最終的にヤリスを購入するといったケースが多いです」

■160万円以下で1.5リッターガソリン＆MT車が手に入る！

　トヨタにはヤリスに近いボディサイズでハイブリッド専用車という「アクア」が存在し、現行モデルは2021年に2代目が登場しています。

　アクアとの違いについて、関西圏のトヨタ販売店担当者は次のように話します。

「ヤリスとアクアを比較して検討されるお客様は多いです。

　同じようにボディサイズがコンパクトで低価格で燃費が良いという点で両車は似ています。

　しかし、アクアほうが8万円から9万円程度本体価格が高くなるという点や、デザイン面でもヤリスのほうが人気ということから、両車を検討したお客様は結果としてヤリスを購入されることが多いです」

160万円以下で6速MT仕様の「ヤリス」が設定されている

　また、法人利用についての違いはあるのでしょうか。前出の担当者は次のように話します。

「ヤリスもアクアも社用車として法人様が検討されることが多いクルマです。

　しかし、ヤリスはハイブリッド車とガソリン車どちらのモデルも用意されているのに対して、アクアはハイブリッド車のモデルのみの展開となっています。

　法人利用のお客様は初期費用を抑えるといった観点で、低グレードかつガソリン車のヤリスを選ぶことが多くあります。

　これもヤリスが販売台数を伸ばしている理由のひとつとなっています」

※ ※ ※

　2023年5月現在、ヤリスのラインナップはガソリン車が「Xグレード（1リッター／2WD）」の147万円から「Zグレード（1.5リッター／4WD）」の220万6000円。

　ハイブリッド車が「Xグレード（1.5リッター／2WD）」の201万3000円から「Zグレード（1.5リッター／E-four）」の254万8000円をラインナップ。

　なお、ガソリン車には6速MTを搭載する「Xグレード（1.5リッター／2WD）」の154万8000円というMT仕様も設定されています。